まぁなんと季節とっぱずれの柄…で、すみません。落札ものです。
お話しは後半で。
先日は着物のサイズの秘密?についてお話しいたしました。
サイズが合ったら…次は「状態」です。
知っている人からいただくなら、あちらも気をつけるでしょうし、その場でお話もできます。
お店で買うときは、見る、聞く、です。
元々古着屋さんも「着用できるもの」として売っているなら、ほとんど無疵が多いし、
ダメージがあれば書いてあったり、それが理由の「それなりの価格」です。
ただしこれは「場所やお店」によります。
骨董市などでは、着られる着物も、手芸や洋裁の材料用にする着物も、ごちゃ混ぜで売っていたりしますから、
自分で判断することもあります。わからなかったら「これ着られる状態ですか?」と聞くことです。
アンティーク着物と呼ばれるものなら、ダメージは多少なりともあって当たり前、と思っておきましょう。
骨董市などでは、広げたりするのも難しいこともありますが、シミ、汚れ、弱りに気をつけてください。
古い茶シミや黄変は、取れない場合が多いです。シミ抜きなどするとしたらそれなりに料金がかかります。
古着をもう一枚買えるくらいかかることも珍しくありません。
モノによっては、自宅で「ブリーチ」してみる…という方法もあるにはありますが、
成功するとは限らない賭け…だと思ってください。やめたほうがいい、と言っているわけではありません。
そういう工夫や実験?も、着物を着ていく上では必要な経験とも言えるわけですから。
もし、シミや汚れがあったとして、それでもいいなと思ったら、
そのシミや汚れなどのダメージが、着物として着たらどこになるかよく見ましょう。
おはしょりの中に隠れそう、とか、脇だから目立たないとか、また色柄によっては、
柄の中に隠れて目立たないということもありますから、あてて鏡から少し離れてみてみましょう。
鏡がないときは、着物を置いて自分が離れる…。
表で見ていたり、逆にお店の中で見ていて、意外と見落とすのが「ヤケ」です。
日が当たってわかりづらい、暗くてわかりづらい、両方あります。蛍光灯の下ではわからない色もあります。
明るい日陰で、少し着物から離れて、特に肩の上、着物をたたむときに上になるほう、折線になるところ、
そのアタリがポイントです。濃い色、紫や青、紺などはわかりやすいのですが、
ピンクなどの明るい色、薄い色は、意外と分からないこともあります。
いざ着てみて鏡に全身を写してみたら、肩辺りだけぼかしのように薄い…なんてことのないように。
意外と忘れるのが、衿です。
本来衿は、元の衿の上に「掛け衿(共衿)」が掛けられています。
衿は汚れやすく、気をつけているつもりなのに、ファンデーションがついてる…なんてことありますね。
江戸や明治では、更に黒い繻子や別珍をかけて、それだけはずして洗っていました。
それをしなくなって、掛け衿になり、汚れるとそれをはずして洗う…でしたが、
何度も繰り回していると、この掛け衿が傷んで使えなくなります。
そうすると、元の衿だけになりますが、いかにも掛け衿をしてあるようにみせるため、
掛け衿の位置でちょっと衿をつまんで重ねる…タックをとる感じですね。つまみ衿です。
これだと、見た目はいかにも掛け衿をしているように見えますが、実は、衿はもうそれしかありません。
だから「衿が汚れているけれど、この掛け衿をはずせば下の衿はきれいだからいいわ」と思ったのに、
イザはずそうとしたら、つまんであっただけだった…なんてことがあります。
古い着物ほど、「衿」をさわって確かめてください。
実は「あれこれパズルをして、衿を取替える方法」もあるにはありますが、
いずれまた繰り回しのお話しで…。
次に注意するのは「袖口」と「後ろ裾」の汚れと全体の布の弱り、特に背縫いのお尻部分、
ほかは大丈夫でも、ここは弱りやすいところです。汚れてなくてもすわったらビリッなんてことのないように、
単衣の場合は、ちょっと日に透かしてみるとかでわかる場合もありますが、
袷だとわかりにくいですから、気をつけてください。
これも状態のいい着物なら縫い直すこともできますが、そのまま着たいなら汚れや傷みのないものを。
もうひとつチェックポイントは「脇」で、前身ごろの身八つ口のすぐ横あたり。
ここは、袖口のように直接肌が触れたりはないのですが、着物同士のこすれ、があります。
脇ですから、手の上げ下げだけでもまさつがあるわけですね。
少し厚手のものなどはそこだけ毛羽立っているなんて場合もあります。
また袖付のところですから、引っ張れるという状態も多いわけで、弱りも集中しやすいんですね。
母からもらった古い大島も、ほかはなんとかきれいなのに、脇にツギアテがあります。
元々目立たないところですから、ツギがあたって補修してあればかえっていいわけですが、
もし擦り切れそうなくらい薄かったり傷んでいたら、裏から別布をツギアテて補修をします。
たとえ古着で、何千円の世界であっても、好きで着ようとするならば
「大事にするためにも、細かく調べて買う」ことが大切です。
書き始めたら、なんか長くなってきました。
とりあえず、このお話し、また続きと致します。
さて、トップ写真のモノですが、絽の帯側です。下に白い紙を敷いて写したので。絽目がみえませんが。
汚れもあり、なにしろ元が白なのに、既に白がねぇ…ですし、肝心のおたいこのところにだけ汚れが…。
よりにもよって…ですね。黒い線は「金」で書かれていたらしいところ、
眼の黒いところや、黒い金魚のエラ部分は刺繍はミシンです。
アップです。なかなかの柄なんですけどねぇ。
これは安かったので、夏物のバッグとうちわ…を考えました。
真ん中の折目の汚れもありますが、なんたって全部で5柄あって1100円でしたから…。
実はボロった白うちわがありまして…ハギレでお絵かきするつもりが、うっかりジュースをボターッっとこぼし、
そうなるともーいいや、でバタバタ仰いだりその辺にポイッと置いたりしていたら、
そりゃもう哀れな姿になったわけで、責任感じますー?!この夏がんばってくれましたからねぇ。
というわけで、作り直そうと思っています。いやーなんたってこれから冬ですからね。
できましたーは、だいぶ先になりますが、感じだけ…。
以前「持ったら切れる銘仙」に出会いました。
いまだに「これ、どうやって梱包しておくってきたんだろ」と
フシギに思っています。ものすごいシロモノでした。
布はどこまでいっても布、皮にはかないませんね。
だからよけい大事に使うんだと思います。
人獲物で縮まないものは、私も自宅らいです。
さすがに母の形見の大島は…ですが。
伸子張りもやりますが、いいもはのとてもとてもですね。
古着も気楽にリフォームするものは、気楽に洗って、
あら切れちゃった…なんてやってます。ははは。
胴裏は、裏といえどもバカにできません。
いつもの呉服屋さんは、昔からの付き合いのところのものしか、
怖くて使えない…と言ってました。
私も嫁入りの時にもってきた着物は、ホントにいつまでも大丈夫です。
見ただけじゃわからないのが困りますね。
安いことがいいことだ…みたいな世の中ですが、
かけるべきところにきちんとかけることは、
結局長い目で見ての「得」なんですよね。
生地は、知らないうちにダメージ受けてること
ありますよね。
せっかくの講習だったのに~。
絹物も縮むとわかっているものは、おねがいしまーすです。
昔の人はすごかったですね。
私なんかは、手芸材料ですから、
多少の傷やシミもあってもいいですし、
色がちがったなぁ、でも使えればOKです。
でも「着る」となると、慎重になりますよね。
実際に手に取れるのが一番です。
ヤフオクで着物、は、ある種冒険ですね。
そそっかしい私は骨董市でちゃんと見たつもりで購入したのに家で確認したらアララ、びりびりなんてこともありました。
それ以来かなり気をつけているのですがそれでも偶にありますね~~
布としての寿命ということを考えるとアンティークと言われるものは見かけは大丈夫そうでもやはり結構弱っていると考えるべきなのだろうとこの頃は思っています。
古布で作ったバッグを日常使いしているとやはり結構痛みますものねえ~~
正絹羽織を解いて洗って、うそつき襦袢の袖にしたり、九寸名古屋帯を半幅にしたり。単衣紬なら正絹でもそのまま洗っちゃいます。
案外、大丈夫。
高価なものは怖くてできませんけど。
そういえば、胴裏のあくは、しまいっぱなしだとわかりませんが、少なくともここ30年以内のものなら、絹の状態が良いのであくがでませんね。自分の経験からですが。胴裏代はケチってはいけないな~と思いました。
シミ抜き講座なるものにシミの付いた着物を持って参加。
教えて頂いた通りシミの上をしゅっしゅっと実践していたら
ビリッ
講師曰く そういう事があるのですよねぇ・・・
髪染め液などが付くと生地が弱くなります。
と言われたのですが
私は着物着て 髪など染めた事がない
という事で 木綿と麻の着物は手洗いしますが
絹物は全てプロへお願いしています。
ただ 以前に駄目もとで 白い塩瀬の帯を
街中の自分でするドライクリーニングをしてみましたが
ほんの気持ちですが すっきりしました
考えなければ、見なければならないのですね。
数をこなさなければなりませんね。
私は、失敗するとどうしても次は引いてしまいます。手に取って見られればまだしも、画像だけでは難しいですね。
胴裏の黄変はまだらですか?
元々黄色っぽいというか、薄茶色の胴裏もあります。
どうしても黄ばむので、最初からそういう色を使うのです。
全体に同じ色、つまり薄茶の胴裏だ…と見えたり、
縫い目の中側も見て、同じ色でまだらのシミシミでなければ、
元の色が…ということもあります。
どうしても黄変で取り外したいなら、胴裏だけはずして、
裾回し(八掛)と袖裏、衿裏を残せば「胴貫」もどきです。
八掛をとりませんから「袷」として着られます。
私は近年暑がりなので、秋に着るかな…の袷は胴貫に仕立ててもらっています。
暖房の効きすぎなどで、背中が汗ばむと
袷よりは、ちと湿り気を帯びてしまうのが難ですが…。
あぁでも、そちらは寒いのでしたね。
ブリーチするのはだいたい帯とか、白っぽい着物です。
私はやったことがありませんが、下にタオルを置いて、
あのブリーチを少しうすめたもので叩く…というのが多いように聞いています。
そのあと水で湿らせたタオルでたたいて、漂白剤成分を十分落とすわけですから、
これは昔ながらのベンジンなどの染み抜きと同じです。
ただブリーチはほんとに真っ白になりますから地の色まで抜けたり、そこがかえってシミのようになったりもすると思います。
よほど、ダメになったらなったでいいか…のものでないと…。
私はお勧めしません。
汗ジミはドライでは落ちませんから「生き洗い」、
お化粧や体の皮脂汚れはドライ、ですが、
どちらも着物を扱っているところの方が安心です。
外国では難しいですね。
昔は「染み抜き汚れ落とし道具一式」家にあって、
着物を脱ぐと、汗ジミを落とし、シミも簡単なものは
自分で落とし、手入れしたものですが…。
私も多少のものならベンジンでお手入れはしますが、
普段着物だけで、あとはみんなプロまかせです。
今から夏が楽しみですね!
胴裏黄変という記載があっても、その写真がなかったので、よく意味がわからず、裏だし、見えないし、安いからいーかと思ったのですが、届いてみたら、気持ちよく着るのは無理って感じで、がっかりでした。
裏を外して、単衣にして着ているものもありますが、着る期間の短い単衣の着物ばかりが増えても困るので、どうしよう、、と放置してあるのが何枚もあります;;(でも、良い勉強になりました。)
駄目元でブリーチしてみたいです。コツとかありましたらご指導お願いします。