小紋という言葉に、一番「らしい」かなと思ったハギレです。実際にはもうすこしグレーがかってるかなぁ、です。
10円玉は柄の大きさ比較、これで反幅3分の2くらいです。
これは、若いころ私がいつか自分で好きな色柄を染めたいと思って、白生地で買っておいたもの。
いつのまにか時が経ち、いつまでも置いておくと色も変わりますから、
結婚してから数年目に、母の誕生日だったか、私が見本から柄を選んで染めてもらいました。
当時の母は今の私より少し若いくらいだったと思いますが、大人向けのかわいさ…とおもったのに、
実際に着て離れるとジミに見えます。でも、気に入って着てくれていました。
さて、そもそも小紋ってなんだ?
検索されてみた方もいらっしゃると思いますが、小紋というのは「柄のつけ方」つまり染め方の方法のことです。
いつの間にか「小さい柄・細かい柄」という意味合いの方が、すんなり感じられるようになってしまいましたが、
それは、昔のような大柄の小紋柄がなくなってしまったせいもあるかと思います。
ここへおいでの皆様は、すでにお分かりのことではありますが、一応説明させていただきますと…。
着物には、絵羽柄と小紋柄があります。
着物と洋服の大きな違いのひとつに「肩線」で生地を切るか切らないか、があります。
洋服は基本的に、前身ごろと後ろ身頃は分けて裁ち、肩で縫い合わせます。
着物は身頃は前後つながっています。この違いは柄の出方の違いとなります。
つまり、一方向に向いた柄でも、洋服ならどちらかの身頃の型紙をさかさまに置いて裁てばいいわけです。
着物は肩で切りませんから、前身ごろから肩を越えて後ろ身頃では、柄が逆立ちしてしまいます。
これを防ぐために、上下のないような柄を染めるのが小紋です。
型紙を使いますから、柄の繰り返しになることはかわりませんが、柄の中にさかさまの花も横向いた花も、
ゴチャゴチャと混じっている、或いは一つずつの柄が上向き横向き下向きなどいろいろ…という感じなので、
後ろだけ柄がさかさま、…と、目立つようなことはないわけです。
ところが…昔の着物などですと、堂々と一方付け…というものもあります。
昨日のトップ写真のこちらの柄。上の笹とその下のたくさんある笹と花までが「一模様」。
それの繰り返しです。
これは竹に花ですが、絵羽のように大きな竹が伸びていて、笹も花もさかさま箇所がなく、
そのまま同じように全部染められています。
なので、前をそのままにすると、後ろ側は全部さかさまになります。
青い部分を「脇縫いとして見てください。こんな感じ。見事に左側さかさまですね。
こういうの、昔の着物だとけっこう見るのです。
つまり、着物を着てうしろを向くと、背縫いを境に竹も花もさかさま…。
あんまりじゃない?というときは、例えばこの柄だと、縫い合わせるときに、左右で身頃の前後を変えたりします。
着たとき前に出る左の前身ごろは、前がそのままで後ろがさかさま、中に入る右前はさかさまで、後ろはまとも…。
そういうものもアタリマエにあった時代は、それを見てもヘンだという感覚はなかったのでしょうね。
それでもやっぱり、小紋の柄のつけ方だけど、ちゃんと前後を同じ向きにしたい…というようなときは、
肩を境に前後で柄が逆に染められます。これは「絵羽付け小紋」と言います。
例えば江戸小紋でも「青海波」などは、下から上に波が登っていく柄です。
そのままだと、肩から後ろは波が下を向いてしまいます。
なので、一つ紋つけたりするレベルの江戸小紋だと、両方とも下からあがって、肩でちょうど波が出会うように
染め付けます。これも絵羽付け小紋です。私は紋をつけるほどではない、ただの青海波をもっていますが、
肩から後ろは、しっかり波が逆立ちしています。もちろん格は落ちます。普段小紋ですね。
さて、小紋というものは染め方であって、その色や柄は、もう「無限」です。
その中で、柄が大きいか小さいか、柄がびっしりかぽんぽんか、全体の色使いはどうか、柄の内容はどうか、
そのなかで私たちは「好み」のものを探すわけです。
小紋っって、いつ、どんなときに、どんなものが着られるの?
着物をよく着られる方は「なんかいつも紬になってしまう」…という方、多いです。実は私もですが。
理由はいろいろですが、だいたい「小紋は色柄が難しい」もうひとつが「着づらい」。
先に着づらいお話ですが、確かに「柔らかモノ」といわれるちりめんや綸子は、紬にはないスベリと、とどまり、
そしてなにより「ドレープ性」があります。つまり反対に言うと「張りがない」です。
てろんとするので、着る長さも気にしなきゃならないし、独特のふにゃふにゃ感で、身にまとって着つけるとき、
なんか言うこと聞いてくんない…気がするんですね。
たまにちりめん系を着ると、あの緊張感はまた別の楽しさがあります。なにより歩いたり動いたりしたときの、
裾や袖の動き方はしなやかで、ありきたりの言い方ですが「おんならしい」…です。
着物で歩くと、右足を出したとき着物の裾が外にはねて、八掛がちらりと見えますね。
左足を出すと元に戻る…。この繰り返しになります。
この着物の裾の「はねる・戻る」が、紬だとなんといいますか、キレがいいんですね。
それがぽってりした真綿紬であっても、軽快な感じがします。
柔らかものは「しゅるっ」ではなく「てろん」です。これがなんともいいわけです。
紬を着慣れると、このまとわりつくようなしなやかさが、なんとなくうっとおしいようなきがするのですが、
きちんと着ていると、この「半拍遅れてついてくるような感触」が楽しいものです。
またしても長くなりました。なんだか中途半端で終わりますが、時間切れです。すみません。
柄の写真をたくさん撮ったのに…ごめんなさいして、肝心の「柄」のお話の続きはまた明日。
梅柄の小紋持っています。
紬系を着ているとやわらか物が
着づらくなりますね。
だんだん楽な方を選んでしまいます。
やわらかい着物は難しいですね~
とんぼさんのような方でもそうなんだとびっくり。
そういうもなんだと納得(笑)です。
でも夫には、紬のウケが悪いです。
シャキッとキリッと着てみたつもりなのに
「…なんか地味だねえ」「もっと綺麗なのを着れば?」
要するに「見ていてつまらない」のだそうです。
訪問着も小紋も区別のつかないヤツとしては
「和服=華やか」という認識らしくて、紬には納得いかないみたいです。
「私の好みなんだから、いいじゃない!」と切り返しつつ
着るたびにダメ出しされると、へこみますね~。
そういえば わたくしも 登場回数が 少ないですね!
ちゃちゃっと着物で出かけるとなると
やっっぱり紬になってしまいますね!
(私の行動がガサツということもありますが)
たまに 綸子やちりめんを着ると 動きがゆっくりになって
自分でもびっくりすることがあります!
青海波の絵羽付けのぼかしわたくしも持ってますが
着るには 心構えというか 助走がいる気がします!
もっと ゆったりとした心の自分になったときが
柔らか物の着時かもしれませんね!
さて いつのことやら・・・
こういう小紋は、無地っぽい感覚で着られて重宝ですね。
私が譲り受けたので、出番待ちしています。
私もこの前、出かけるわけではないのですが、
ちょっと羽織ってみたのですが、ずるりんずるりん…
あーそう、この感覚だわー、と思い出しました。
ついつい紬に、手が行きますね。
帯の場合は「引き抜き」で使うものが、
部分的に柄がさかさまです。
普通に締めるとおたいこの柄がおかしくなるので、
苦戦しますね。
やわらかものは、きるのに紬より時間がかかります。
そそっかしいので、ふんずけちゃったりしてでろーん、なんて。
それでも身に添う感じは好きですよー。
どうしても紬にはジミな印象がありますからねぇ。
帯や小物で若く装えますから、問題ないのですが、
やはり男性は「華やか」なのがいいんでしょうか。
でも「着るな」とおっしゃらないだけいいですよ。
主人は「着物ってだけで目立つから、
着るなら3メートルはなれて歩け」と申します。
誰もおばさんのことなんかみてないわよ、と思ってますが。
私もかなりガサツですから、紬は性に合っているのだとも思いますが…
たまにはてろりんを着て、しゃなりしゃなりと…ムリだ…。
やわらかモノを着るときは、おっしゃるとおり「気合」が入ります。
ただの小紋なのに…と思っても、意識しますねぇ。でもそれもまた楽しいなぁと思っています。
http://blogs.yahoo.co.jp/maobiro/11156444.html
です。不足な点等ご教授いただけると幸いです。
どうぞどうぞ。お役に立てれば幸いです。
ブログずっと拝見しております。
小紋はおもしろいですよね。
不足な点などありませんよぉ…。
ひとつ覚えておくと便利…ということなら、
ああいった一反の半分ずつ柄が違うものは、
まずおくみと衿にどちらを使うか…を決めると、
あとが決めやすいということです。
衿に濃い色を持ってくると決めると、
おくみは残りの半分ですから、どうしても薄い色の方になる…というわけですから。
そしてそのおくみと左身頃を色を続けるか、べつにするか…。
つまり左半身の使い方を決めてしまうということですね。
あのお着物は、背縫い中心に、真ん中に薄い色を持ってきたように見えますが、
(袖つけなど見た感じで言ってます)
仕立て直して濃い色を背中の真ん中に持ってくると、少し地味になると思いますよ。
ただ、衿やおくみで継ぎが出る…などの繰り回し術は
必要になるかもしれません。
地色の大半が変わると、またまったく違う顔を見せるものです。
八掛を地味にして、長く着てください。