ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

夏支度の2 扇子

2012-06-13 18:10:20 | 昔の道具・暮らし

 

なにしろ暑がりで…扇子は冬でもバッグに入っています。

いつのまにかいろいろ溜まりました。

今年はこれを使います。

扇子の骨の部分を中骨、といいますが、ここに穴で模様をつけていますと、全部あるのが普通ですが

これはとんぼのところだけは柄がありません。

とんぼの柄は…イマイチかなぁ、アタシの方がうまく描ける…なんてことは言わぬが花ですね。

 

      

 

これは男物なのですが、とても小さくて、ライター二個分ちょっとくらいの高さです。

手の小さい私にはとても使いやすいです。上の地紙(これは布ですが)部分が小さいものは

あまり好みではなかったのですが、これはOKです。

 

             

 

扇子の各部名称は、さっきの「中骨」、両端の太いものが「親骨」、紙や布が貼ってあるところが「地」、

下の方のまとめて留めてあるところが「要」、扇子を開いたてっぺんが「天」。

 

では扇子の歴史…これ、以前書いた気がするのですが、最近gooでは「ブログ内検索」が

ほんっとにボケてしまって、まんまタイトル入れても出ないことがあります。

ダラダラと6年半も書いてきたので、あまりの記事数の多さに、自分でどこに書いたかわからない…。

引っ張り出すより書き直したほうが早いので…いえ決してネタ切れではありませんので(ホントに?)。

 

実は扇子は「日本生まれ」…。

元々は薄い板をつないだもの、木簡もそうですが、紙が豊富でなかった時代は、薄く削った板に文字を書きました。

扇子も、最初はそういう目的で作られたといわれています。あの平安時代の男性が持つ「勺」も、メモやカンペでした。

それが「持って扇ぐと涼しいやんけ(そんな品の悪い貴族おるかいな)…」で、「風を送るもの」になっていったわけですが、

「木」の方はそのまま「桧扇」に変化し、一方もっと軽くて便利な扇子、

ということで、竹の骨に紙を貼ったものが作り出され、これが一般的な「扇子」になりました。

このころの扇子は、ホネの数が少なく、紙も片側にだけ貼られたもの。これを「蝙蝠(かわほり)扇」といいました。

こうもりが羽を広げたところに似ていたからですね。骨が少ないのでなるほどと思います。

で、これが中国に渡りました。そして中国ではこの扇子にもっと手を加え、

骨の数を増やし、裏も表も紙を貼る…というものを作りました。これが日本に逆輸入されたわけです。

りっぱになって里帰りしてきたわけですね。

以来、扇子は骨の長さや数、紙を貼るとか絹を貼るとか…いろいろなものが作り出されたわけです。

 

有名な寺院のご住職が、町の人たちが並んでいるところへやってきて、お数珠で頭をポンポンとやっていく…

なんてのを見たことありませんか?あのとき、ご住職の衿首のうしろのところには、

たいがい「中啓」という扇子がひょい…という感じでささっています。

中啓というのは、親骨の間がイチョウの葉のように最初から広がっているもの。

あれは、扇ぐ目的ではなく、身分高いものの証。

扇子と言うのは、そういう目的でも使われましたし、形も変えたわけです。

 

江戸時代は何でもリサイクルでしたから、町には「地紙売り」という商売があって、

古くなった扇子の紙を水につけて取ってしまい、新しいものと張替えて使っていました。

私も汚れて破れてきた扇子があるので、やってみよーか…またザセツするから、やめなはれ…。

 

さてさて、今日もまたたいした暑さにもならず、扇子もバッグの中に入れたままです。

明日は晴れる…ホンマかいな。

大物洗濯をガンガンしないとなので、汗かきますわなぁ。

うちわも扇子もおっつかないと思うので、扇風機のお世話になりましょう。

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2012-06-13 20:12:19
変わった扇子ですね。
中骨の所に柄があるのも、地の部分が
短いのも珍しいですね。

返信する
Unknown ()
2012-06-13 23:50:29
地紙の小さい扇子はなんだか バランスが悪い様な気がして
私も苦手なのですが とんぼマークとは
珍しいのですね

私は無料で配られた団扇が溜まったので
自分好みに張り替えてみよう・・
張り替えて見たい・・・
と 思ってはいるのですが
返信する
これは (アゲハ)
2012-06-14 09:21:03
素敵、私も好きで扇子のコレクターなんですけど、初めて見ました。
アゲハ蝶なんてのはないかしら。
あったらすぐ買う!

帯に挿して用いる物は普通の扇子より小さいんですか???
持ってるものはほとんど21センチ。
あれでいいんかいなと......(?)だわ。

こないだ某番組の街角情報室ってコーナーで傘を着せ替えるってのやっていました。
ビニール製のオヤネをその日の気分とか、服装とかで付け替えるんですって。
骨は一本分あればいいので便利だとか。
面白いですね。

明日からイマイチの空模様になりそうな予報でしたので、お洗濯しまくり!!!
貴重なお日様をしっかり浴びとかなきゃ
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Unknown (とんぼ)
2012-06-14 21:30:55
陽花様

ちょっと変わってますね。
しかも男物でも小さいので、手になじみます。

扇子出したのに…涼しいんですー。
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Unknown (とんぼ)
2012-06-14 21:33:34
惠様

私もたたんで上が細くならないタイプとか、
竹の部分が長いのは、ずっと敬遠していたのですが、
これは小さくていいです。
「許せるっ」って買ったものです。

張替え、しっかり元の紙をはがしてください。
タワシでゴシゴシがいいですよ。
昔、手を抜いて、そのまま上から別の紙を貼ったら、
重たくなって…当たり前ですよね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2012-06-14 21:41:11
アゲハ様

扇子は売っているところでいろいろな大きさがあります。
お茶のものや礼装用はサイズが決まってますが、
普段の扇子は特に決まりはありません。
使いやすいかどうかのものです。
私は今までは、真夏は男物の大きいのを使ってましたが、
見た目はやはり、女性用の方がいいでしょうね。
男物は23センチくらいのもありますよ。
帯にさすのに気をつけるのは、大きさよりさし込むときに、
帯を傷めないようにすることです。
入れる場所間違えて、柄の織り糸なんかをひっかけたりしないように。

傘の張り替えもできますよ。キットもあります。
レース時などで作る人もいますよ。
差し替えということは、できあがったものをホネに差し込むだけなのでしょう。
実際には、あちこち糸でぬいとめないと、です。
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