おかーさん鬼が一本つけてくれるとあらば、おとーさん鬼もがんばらないと…
で、こちら、もう一方の図柄です。再度登場!
しかしこの半衿、いつ使うんだ??
きょうはあちこちで、「福は内」の声が響くことでしょう。
さて、今日はお召しの着物です。
暦の上では明日から「春」です。鶴の着物でお祝いを??
鶴と言っても「折鶴」です。昭和初期と思われる「お召し」です。
あんまり柄が大きすぎてよくわからないので、袖の部分を…。
折鶴の羽の部分がさまざまな柄になっています。
思いっきりカマ柄の小紋ですが、振袖のように豪華ですね。
実物はもう少し黄みがかった感じ。赤い部分ももう少し沈んだ赤です。
写真で見ると、とてもきれいに見えるのですが、
実物はなんとなくくすんで見えます。
地色が白っぽく、お召しなのでなんとなくウラの赤がちょっと深みを出すようで、
さらには艶がある…それで陰影がこまかくでるせいだと思います。
調べても汚れているわけではないのに、気の毒に?
よく「お召し」というものがよくわからない、と言われます。
現代も「お召し」はありますが、昔に比べて数は少ないですし、
こんなふうにドハデな大柄はありません。縞柄とか風通とか、
どちらかというとジミ目、シックなものが多いようです。
さて、お召しは着物の格でいうと、どのへんでしょう。
またまた「おさらい」です。
絹糸と言うのは、一本では細いので、何本かよりあわせて一本とし、
それを機織りにかけて、反物を織り上げます。平絹とか羽二重とかです。
ちりめんというのは、この糸に強い「撚り」をかけた「強撚糸」を
緯として使います。この「撚り」は1メートルで3500とか4000回転と、
たいへんな回数をかけるので、くりくりと丸まりそうになりますが、
それを機械でぐっと伸ばして、そのまま糊で固めてしまいます。
この糸を緯に使って白い反物を織るわけです。
このとき、右撚り糸とか左撚り糸とか、何段ずつ続けるとか、そういう違いで、
出来上がりのしぼが大きくなったり縦にしぼが出たりします。
こうやってできた白生地を高圧や薬品などの処理にかけると、
絹糸の繊維のまわりについている余分なものや、固めた糊などが取れます。
この作業を「精練」とか「練り」と言います。
精練して余分なものがとれると、糸の「撚り」が、元にもどろうとするので、
布が縮み、あの独特の「しぼ」が出来るわけです。平絹などはそのままです。
先に布に作って、あとから精練するので「あと練り」と言われます。
これに対して、紬や銘仙などは、まず「強撚糸」を使いません。
それから、反物に織る前に、糸の状態で精練してしまいます。
その糸を染めて、それからその色糸を使って模様を織り出します。
「糸」の状態で先に精練するので「先練り」と言われます。
「お召し」と言うのは、この両方の特徴を持っています。
つまり、ちりめんと同じように、強く撚りをかけた糸を使うのですが、
先に精練して糸を染め、その糸の色をうまく使って柄を「織り出し」ます。
つまり「織りの着物」です。
織りの着物は、紬や木綿の着物のことですが、これもおさらいです。
紬というのは、その「出自」が、養蚕農家がくず繭を使って、
自家用の絹布を作った、ということで、染めの着物よりはランクが下、ですね。
時代がかわって、いい糸を使うようになっても、出自がそうであるため、
「100万円の大島でも、紬は礼装にならない」ですね。
しかし「お召し」というのは、昔から「ちりめん」に使われる
質のよい「強撚糸」を使う、ということから、身分の高い人に好まれ、
殿様がお召しになるいい着物、ということで「お召し」と言われたわけです。
正式には「お召しちりめん」とよばれます「ちりめん」の一種となります。
つまり「織り」の着物でも、紬などより「格」は上なのです。
縞のお召しなどは、上に黒羽織を着て「準礼装」として着られます。
さて、この折鶴柄のように、はっきりくっきり大きな柄をとばしたものは、
まるで刺繍をしたように見えます。これは縫い取りお召し、といいます。
実際に縫い取って刺繍したわけではないのですが、そう見えるからです。
縞柄や矢絣など、紬にもよくあるような連続柄のものは、
みわけがつきにくいのですが、さわってざらざらするのがちりめん、
つまりお召しです。紬の場合、大島や黄八などのようにツルツルしていれば
お召しではないと分かりますが、ざらつくものは…。
これも、ざらつくものでは「節」があれば紬です。
縫い取りお召しは「柄が「織り」でてているかどうかを見れば分かります。
また縫い取りお召しは単ならすぐわかります。
つまり、地色をだすための色糸と柄を出すための色糸を両方織り込んでいって、
その糸を表側に出したり出さなかったり、で、柄を作るから。
百聞は一見にしかず、この折鶴柄は「単」なのでウラをみれば一目瞭然です。
おわかりですね。左が表、右が同じところの裏、つまり「ネガポジ」になります。
右の「ウラ」の写真の左下に、くろっぽいものがうつっていますが、
そこは表地の「銀の柄」のところです。ちょっとギリギリでカットしてしまい、
左の写真では「銀の部分」がありませんが、袖の写真の「折鶴」の胴体部分です。
こういう風に、一部だけ入るところは、毛糸の編みこみ模様と同じで、
柄部分だけ糸をつなげたまま往復させるので、裏側は糸が長く渡ります。
こういうふるいタイプのお召し着物は、古着でもよくでるのですが、
欠点は「重い」こと、しっかり織ってありますから。
さて、あしたは立春、なにやら花粉が飛び始めたとか。
このままほんとの春かいなー。
どんな着物に合わせるんだろうと興味深深です。
私はほとんど白の半襟ばかりですが、柄半襟で
遊べたら楽しいでしょうね。
人間の根底にある自己顕示欲と、存在に対するもっとも安易な表現からの葛藤から逃れられない・・・ということを証明するような『半衿』ですね~~おー訳解んない??
鬼~のパンツはいいパンツ~強いぞ~強いぞ~
・・・・・奇抜な事は確かです・・・でも面白いね!!
2月2日にするのがいいかな?
3日にはいいパンツ履いて
豆まきに参加しなくちゃいけないですものね。
それとも、梅雨時?夕立シーズン?
(夕立時はダメだ絽じゃないと)
落ちる時には
きれいなパンツ履かなきゃ。ね♪~
このほかにも、ちっとかわったのがあるんですが、
ここまで半衿が「トン」でると、
着物派じみ~な紬かなんかでしょうね。
衿でおどかせって感じ??
maymayman様
自己主張のつもりが、衿ばっか目立ちそうです。
こういうのをさらりと使える着物人にナリタヒ…。
うまこ様
そうそう!トラ縞でも水玉でも、
きれーでなくちゃ!
おかーさんの干してるほうには「トラ縞ブラ」も!
元祖「アニマルプリント」ですなぁ。
イマドキはほんとに、豆まきなんて
「幼稚園でやる儀式」みたいですね。
昨日きた宅配の人が、玄関先にこぼれていた豆を見て
「いやー珍しい、ちゃんとまいたんですねー」って。
なんか寂しくなりました。
ヒロをぢ様、「枯れはじめ」は、
しっかり自覚しませんとねぇ!?むふふ。
遊びに来ていただいて、ありがとうございます。
それに、コメントやいろんな説明をくださいまして、とても感動しております。
古着市で何気なく目に留まった着物がお召しのカマ柄の長着だったとは。
昭和初期だとすれば、相当古い着物ですよね。
でも、背の高い私でもサイズが合うので珍しですよね!
破れや汚れもシミも見あたりません。
(ま、埃っぽくて、薄汚れてはいますが、全体的に黒ので)
この大柄の派手な着物を着る勇気がないので、帯などへリメイクを考えていましたが、もったいない気がしてきました。
着物仲間のパーティなどで活躍できたらな~とか、勝手に考えたり。。。あはっ!
それにしても、とんぼさん、お詳しい~~!
すごいですよ。ただ、ただ、驚いてます。
とんぼさん=「着物の生き字引」ですわ。
ど~して、そんなに知識が豊富なんだろう。
私も絵を描くのが好きですよ。
それに、和アンティークも大好き!
本業は医療職だったので、和装も和裁もな~んも知らない私です。
これからも、いろんな事で御指南くださいますよう、お願いします。
(とても頼りにしとります~w)
私のブログにリンク貼らさせていただきま~す。
ちょくちょく、こちらに伺って勉強させていただきますw。
いらっしゃいませ、ようこそ!
少しはお役に立てたようでよかったです。
私のは単なる雑学なんですよ。
いろいろ調べるのもすきなので、
毎日脈絡なくかいてます。
楽しみながら、何かお役に立つことがあったら
うれしいです。