ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

一気に「秋深し」?

2007-10-16 21:42:37 | 着物・古布
日差しがあればまた違うのでしょうけれど、風は北風だし、
なんだって一日で季節が進んだ感じでした。

本日は「羽裏」のご紹介。通称「ドンパ」、「どんすの羽裏」です。
鶴の柄ですね。とてもきれいな図柄なのですが、
ダメージがありますので、このまま着用はちょっとムリです。
なんたってこんな感じに穴のオンパレード…。


    


図柄の右のはし、鶴のお尻のところも脇の縫い目の部分にかけて、
もう擦り切れた感じに穴があいています。もったいないー。
とてもりっぱといいますか、おめでたい図柄ですし、
幸いダメージははしっこなので、いいとこ取りで切り取ってみようと思います。

ドンパの額裏の場合、縁取りというのもたいがいコってまして、
その図柄に関係のあるものだとか、雰囲気にあったもので「額縁」のように、
模様がつけられているものが多くあります。
これも、図が「鶴」ですから、柄の下のほうの縁取りは「若松」、
図の上は「ヱ雲」といわれる、「ヱ」の形をしたおめでたい雲の連なりです。
こんな感じ…。





鶴のいる「地」の部分も亀甲柄で、色目も比較的「キラキラ感」があり、
お祝い事などに着るのには、とてもよかったんじゃないでしょうか。

中の絵が例えば、河や海に関連のある柄だと「波」とか「魚」とか、
そんな風に飾られているものをよくみます。
ほんとに「絵」の入った額の感じです。
また、この鶴の柄で面白いのは、中の一羽が「正面顔」であること。
前から見た鶴の顔、っていうのは、染めの柄でもみませんねぇ。
ほかの鶴の状況を見ても、割と「リアル」な感じの絵なんですが、
なんか…真正面から見た鶴って…ちと「おマヌケ」な感じですー。
いや、実際には「お鶴さん」と向き合ってお目にかかったことがないので
なんともいえませんが…。


   


ちなみにこの鶴は「丹頂」ですね。丹は「に」のこと「赤い」色のこと、
赤というより「鮮やかな朱」、あの鳥居とかお宮さんの「赤」です。
頂は「いただき」、つまりてっぺんのことで、
アタマのテッペンが赤い…という、「まんま」の意味ですね。
日本では大昔は珍しくもなくたくさんいたようですが、
確か幕末以降でしたか、乱獲で絶滅の危機…というお定まりの道。
幸い、北のほうで残っているのが見つかり、今は保護されて、
すこしずつ個体数は増えているらしいですね。
一度北海道の自然の中で見てみたいものだと思っています。

実は丹頂の場合は「丹頂ヅル」というのは間違いなのだと聞いたことがあります。
鶴というのは本来「渡り」をするのであって、丹頂はしないから鶴ではない…
とかなんとか…、確かそんなことだったと。見た目鶴じゃん、って乱暴?
アタマから首と、尾羽が黒くてあとは真っ白、そして頭が日の出のように真っ赤、
そんなコントラストがいいのと、姿の美しさでヒトに愛でられたのでしょうね。
これで赤いのがお尻だったら…今の地位はあぶなかったかも…?


とんぼの「羽裏コレクション」はだんだん動物が増えてきました。
ライオン、トラ、猿、犬、馬、たぬき、雀、鶴…動物園のよーだ…・
意外に見つけられないのが「ネコ」、ですね。
これからも動物園目指して、いやそーじゃなくて、
珍しい柄のコレクションをしていきたいと思っています。
また「ぎゃらりぃ」の動物園、いやいや「羽裏」コーナーにアップします。

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4 コメント

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Unknown (とんぼ)
2007-10-18 15:16:57
ゆん様
ほんっと「こんな顔なんだー」とびっくり。
そういえば、アヒルのひなの顔、なんてのも、
正面はすっごくかわいいですね。

羽裏は「マモノ」…いいのにつかまるとねぇ…。
でも、古着やサンでは「羽裏で根がつくものが
たーんとあります。表ボロボロなのに2万とか。
「なんでーっどーしてーっ」とハンカチ噛んで、
泣く泣く立ち去るそのつらさ…。罪だわよぉ。
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Unknown (ゆん)
2007-10-17 06:25:01
あ~ッはッはッ!!おはようございます~!
 つ・鶴の真正面!間抜けで可愛いです~!!鳥の正面っておもしろいんですよね、意外とほっぺが横に張ってたりして!(すずめの正面なんてもう・気が狂わんばかりのかわいさです!)
 羽裏って、決め手になってしまいますね・・。お財布と相談しながら、って時に、「いやいや、この羽織、いまいちだよね、やめておこう・・。」って思っても、裏がおもしろいと・・お持ち帰りに・・。
 先日購入した単の羽織は表がおっそろしく地味なのに、は裏が「こ・これでもか~~~~!」って位にめでたくて、つい。あな、おそろしや。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-10-17 03:36:56
陽花様
ほんとに真ん中はなんともないのに…。
元々羽裏は「裏に凝る」傾向がつよかったころに、
いいものがあります。
それで表は妙に安物っての、多いんですよ。
これも、りっぱな図柄のしかも緞子でありながら、
表地の羽織は「交織か?」と思う程度の絹です。
「羽裏」で売れるようになってきたのも
最近でしょうから、昔は羽織としては売れない、
というものは処分されちゃったんでしょうねぇ。
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Unknown (陽花)
2007-10-16 23:06:01
折角の素敵な羽裏も保存状態が
悪かったのでしょうかね~
見事に穴あきで本当にもったいない事!
返信する

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