写真は「絽の無双羽織」の背中部分。これは「羽裏」に当たるところですので、
普段はこんなにはっきり見えません。完全リバーシブルですが、
透けて見せるのが身上ですから、これが表向きにはなりません。
裏の拡大画像はこちらです。
ハンガーにかけた状態で表から見るとこんな感じ。実際にはもっと見づらいかと…。
しかも、これはもう肩先など表地にけっこうな色あせがあるので
「着用はちょっとなぁ…」という実にもったいない一枚です。
この鳥さんの表情なんか、いいでしょう。
例の「質問サイト」で、夏に向けての着物の質問で「夏は上に何を着たらいいのか」…。
そのかたは「上に何も着ないのはよくないと聞いたので…」と書かれていました。
ン~私「帯つき」好きなんですけどぉ。
どこからそういう「よくない」というお話しが出てくるのでしょう。
もちろん、礼装などではいろいろありますが、オシャレ着に関しては、
母などは暑がりでしたし、女は帯を見せたいものだといって、
「羽織のいらない季節になると、わーい帯つきだーと喜んだ」なんてことを言ってました。
私も暑さを感じる季節になると、どちらかというと帯つきが好きです。
この方の質問に回答者で「上を着ないなんて考えられない」という方がいました。
それは個人的な意見だと思うんですけどねぇ。
あまりあちこち見たので、どこだったか忘れましたが
「単羽織」と「夏羽織」が一緒になってました。
単羽織は、袷にするような生地で「単」に仕立てるもの、
夏羽織は、絽や紗のもの、ただの単羽織なら、盛夏には着ないのが原則。
着物をまったく知らない方の質問は仕方ないとは思うのですが、
「振袖は何歳まで着られますか」なんて質問があると、なんかもぉ…悩みます。
「友人が香港で結婚式を挙げる。着物で出席してくれといわれたが、
浴衣ではまずいだろうか」…香港は確かに日本よりは暑さがありますが、
花火大会じゃないんだから…。
「せっかく作った振袖がもったいないから、京都旅行に来ていこうと思う」…。
旅行はまぁちょっと隣の県までくらいの距離でしたが、
ご本人は「振袖で行ってもおかしくないところを知りたい」、
「浮くとは思うんだけれど」…その前に、振袖ってなんなのか考えてほしかったです。
まぁ見る方は「結婚式の帰りかな」くらいにみるんじゃありませんか?
私は直接お答えはしませんでしたが、それよりもなによりも
「貴方は、せっかく買ったのに着る機会がないからと
イブニングドレスで京都散策をしますか?」…ですね。
ゼッタイいけないとか、おかしいとかではないのです。
振袖で観光地を巡るということのリスク、回答のなかに
「高価なものだから汚れが…」というのがありました。
江戸、明治の裕福なお嬢様のまねをするには、勇気がいると思うんですが…。
着たい、着よう、という気持ちは嬉しいと思いますが、どっか違う気がして、
腹を立てても仕方がない、とうより、なんだか悲しくなります。古いんですかねぇ私。
そろそろ浴衣のお話しが出る季節です。
また私は「浴衣を着物のように着るには」というお話しで、
ガッカリしたり、ホッとしたりするのでしょうね。
先日立いらした呉服屋の奥さん(最近よく見えます、しょーばいにならんのに)が、
「いい浴衣地」が年々少なくなる…といってました。
すでに反物で買う人が、減っているからですね。
仕立て上がりのゆかたで十分、というより「浴衣なんだから仕立てるほどじゃない」
そんな感覚の方が多いと。確かに、いい浴衣地は何万もしますし、
それに仕立て代を入れたら、かなりの価格になってしまう、かといって、
安い反物(ユザワヤさんあたりにありますね)に、それ以上の仕立て代なんてもったいない
つるしで3000円5000円なら当然そっち…でしょうねぇ。
奥さんは「仕立て代が高いというけれど、何もふっかけているわけじゃない」と、
そういうお話をしていきました。浴衣1枚仕立てるのに、いくらベテランでも、
1時間2時間で縫えるわけじゃありません。
まず反物を広げて呉服屋さんの見落としている色むらや染め傷がないかを調べ、
柄あわせが必要なときは、全部広げて身頃やおくみ、衿の柄の位置を確認します。
それから寸法どおりに「たたみ」をして、裁ってへらをして…
縫い始める前でもやることがたくさんあるわけです。
絹物と木綿でも違うし、袷なんて裏と表で着物二枚ぬうわけですよ。
単は単で、全部「くけ」というものをしなければなりません。私だーいきらい…?!
イマドキ、バイトで働いても時給800円とか900円とかでしょう。
更に「技術料」が上乗せされて、それかける「仕上がりまでの時間数」です。
まぁそれとても、相場はあってないようなものですから、高いところと安いところでは
差はありますけれど、それだって仕立て代が1000円なんてところはありません。
高いかといわれたら、私は高いのは単に金額であると感じています。
今は価値観とかお金の使い方が変わってきています。
たとえば、先日べつのところで書いたのですが、
あるおかあさんが、女の子三人(長女が5年生くらい?)つれて、
まずユニクロで好きなものを二枚ずつ位買う。キャミソル風のシャツとか
サロペットとか、Tシャツとか…。そのあとユザワヤにいって「デコシール」を買う。
デコシールってこんなのです。
これを家に帰ってそれぞれ好きなものを、好きなところにアイロンで貼り付ける。
これでりっぱな「オリジナル」というわけですね。
そのさまざまな三人分のデコシール代、9000円でした。
ユニクロで一枚1000円だったとしても、計算するとひとり5000円です。
確かに、あの年頃の子はどんどん育ちますから、何年も着られないかもしれません。
今は「おさがり」という時代ではないそうですから、おねえさんのものを
一番下の妹までなんて、とっておかないのかもしれません。
それでも、その5000円は、私にとっては「高いなぁ」と思いました。
一人5000円なら、自分で作ったほうが…なんて思うわけです。
そんなふうに考えると、ゆかたも洋服感覚のお金勘定…。
どうせ今年の夏だけだから、なのでしょう。それなら何万もかけるのはねぇ、
となってしまうのも無理はありません。
ゆかたってそのていどのものよ…なのでしょうね。
いい浴衣というのは、糸からして違いますし、風合いとか肌触りとか、
着心地とか、確実に違います。洗うと藍が冴えて、またぱりっと糊をきかすと
何度でも着たくなる…。外へ着て、少し古くなったら家の中で着て、
更にヨレたら寝巻きにして…このころはいい具合にしなやかになっていますから、
昔ならここから最後はオムツか雑巾…。
そんな暮らしでなくなった今、ひと夏着たら、来年おなじものを着るのは恥ずかしい、
或いはつまらない…。そういう感覚なら、Tシャツのように今年限りの安いもので、
十分事足りるのでしょう。そういうものは、ひと夏過ぎたら捨てられるのでしょうか。
いいもの(同じもの)を長く着る、のはたとえ浴衣でもステイタスなんですけどねぇ。
今年は浴衣は去年までのものがあるので、新しく買う予定はありませんが、
「浴衣の反物はもうなくなるよ」と言われてあせっています。
竺仙の奥州小紋ほど高いのは買えなくても、白地に藍とか紺地に白とか…。
反物がなくなったら困るなぁ…。
普段はこんなにはっきり見えません。完全リバーシブルですが、
透けて見せるのが身上ですから、これが表向きにはなりません。
裏の拡大画像はこちらです。
ハンガーにかけた状態で表から見るとこんな感じ。実際にはもっと見づらいかと…。
しかも、これはもう肩先など表地にけっこうな色あせがあるので
「着用はちょっとなぁ…」という実にもったいない一枚です。
この鳥さんの表情なんか、いいでしょう。
例の「質問サイト」で、夏に向けての着物の質問で「夏は上に何を着たらいいのか」…。
そのかたは「上に何も着ないのはよくないと聞いたので…」と書かれていました。
ン~私「帯つき」好きなんですけどぉ。
どこからそういう「よくない」というお話しが出てくるのでしょう。
もちろん、礼装などではいろいろありますが、オシャレ着に関しては、
母などは暑がりでしたし、女は帯を見せたいものだといって、
「羽織のいらない季節になると、わーい帯つきだーと喜んだ」なんてことを言ってました。
私も暑さを感じる季節になると、どちらかというと帯つきが好きです。
この方の質問に回答者で「上を着ないなんて考えられない」という方がいました。
それは個人的な意見だと思うんですけどねぇ。
あまりあちこち見たので、どこだったか忘れましたが
「単羽織」と「夏羽織」が一緒になってました。
単羽織は、袷にするような生地で「単」に仕立てるもの、
夏羽織は、絽や紗のもの、ただの単羽織なら、盛夏には着ないのが原則。
着物をまったく知らない方の質問は仕方ないとは思うのですが、
「振袖は何歳まで着られますか」なんて質問があると、なんかもぉ…悩みます。
「友人が香港で結婚式を挙げる。着物で出席してくれといわれたが、
浴衣ではまずいだろうか」…香港は確かに日本よりは暑さがありますが、
花火大会じゃないんだから…。
「せっかく作った振袖がもったいないから、京都旅行に来ていこうと思う」…。
旅行はまぁちょっと隣の県までくらいの距離でしたが、
ご本人は「振袖で行ってもおかしくないところを知りたい」、
「浮くとは思うんだけれど」…その前に、振袖ってなんなのか考えてほしかったです。
まぁ見る方は「結婚式の帰りかな」くらいにみるんじゃありませんか?
私は直接お答えはしませんでしたが、それよりもなによりも
「貴方は、せっかく買ったのに着る機会がないからと
イブニングドレスで京都散策をしますか?」…ですね。
ゼッタイいけないとか、おかしいとかではないのです。
振袖で観光地を巡るということのリスク、回答のなかに
「高価なものだから汚れが…」というのがありました。
江戸、明治の裕福なお嬢様のまねをするには、勇気がいると思うんですが…。
着たい、着よう、という気持ちは嬉しいと思いますが、どっか違う気がして、
腹を立てても仕方がない、とうより、なんだか悲しくなります。古いんですかねぇ私。
そろそろ浴衣のお話しが出る季節です。
また私は「浴衣を着物のように着るには」というお話しで、
ガッカリしたり、ホッとしたりするのでしょうね。
先日立いらした呉服屋の奥さん(最近よく見えます、しょーばいにならんのに)が、
「いい浴衣地」が年々少なくなる…といってました。
すでに反物で買う人が、減っているからですね。
仕立て上がりのゆかたで十分、というより「浴衣なんだから仕立てるほどじゃない」
そんな感覚の方が多いと。確かに、いい浴衣地は何万もしますし、
それに仕立て代を入れたら、かなりの価格になってしまう、かといって、
安い反物(ユザワヤさんあたりにありますね)に、それ以上の仕立て代なんてもったいない
つるしで3000円5000円なら当然そっち…でしょうねぇ。
奥さんは「仕立て代が高いというけれど、何もふっかけているわけじゃない」と、
そういうお話をしていきました。浴衣1枚仕立てるのに、いくらベテランでも、
1時間2時間で縫えるわけじゃありません。
まず反物を広げて呉服屋さんの見落としている色むらや染め傷がないかを調べ、
柄あわせが必要なときは、全部広げて身頃やおくみ、衿の柄の位置を確認します。
それから寸法どおりに「たたみ」をして、裁ってへらをして…
縫い始める前でもやることがたくさんあるわけです。
絹物と木綿でも違うし、袷なんて裏と表で着物二枚ぬうわけですよ。
単は単で、全部「くけ」というものをしなければなりません。私だーいきらい…?!
イマドキ、バイトで働いても時給800円とか900円とかでしょう。
更に「技術料」が上乗せされて、それかける「仕上がりまでの時間数」です。
まぁそれとても、相場はあってないようなものですから、高いところと安いところでは
差はありますけれど、それだって仕立て代が1000円なんてところはありません。
高いかといわれたら、私は高いのは単に金額であると感じています。
今は価値観とかお金の使い方が変わってきています。
たとえば、先日べつのところで書いたのですが、
あるおかあさんが、女の子三人(長女が5年生くらい?)つれて、
まずユニクロで好きなものを二枚ずつ位買う。キャミソル風のシャツとか
サロペットとか、Tシャツとか…。そのあとユザワヤにいって「デコシール」を買う。
デコシールってこんなのです。
これを家に帰ってそれぞれ好きなものを、好きなところにアイロンで貼り付ける。
これでりっぱな「オリジナル」というわけですね。
そのさまざまな三人分のデコシール代、9000円でした。
ユニクロで一枚1000円だったとしても、計算するとひとり5000円です。
確かに、あの年頃の子はどんどん育ちますから、何年も着られないかもしれません。
今は「おさがり」という時代ではないそうですから、おねえさんのものを
一番下の妹までなんて、とっておかないのかもしれません。
それでも、その5000円は、私にとっては「高いなぁ」と思いました。
一人5000円なら、自分で作ったほうが…なんて思うわけです。
そんなふうに考えると、ゆかたも洋服感覚のお金勘定…。
どうせ今年の夏だけだから、なのでしょう。それなら何万もかけるのはねぇ、
となってしまうのも無理はありません。
ゆかたってそのていどのものよ…なのでしょうね。
いい浴衣というのは、糸からして違いますし、風合いとか肌触りとか、
着心地とか、確実に違います。洗うと藍が冴えて、またぱりっと糊をきかすと
何度でも着たくなる…。外へ着て、少し古くなったら家の中で着て、
更にヨレたら寝巻きにして…このころはいい具合にしなやかになっていますから、
昔ならここから最後はオムツか雑巾…。
そんな暮らしでなくなった今、ひと夏着たら、来年おなじものを着るのは恥ずかしい、
或いはつまらない…。そういう感覚なら、Tシャツのように今年限りの安いもので、
十分事足りるのでしょう。そういうものは、ひと夏過ぎたら捨てられるのでしょうか。
いいもの(同じもの)を長く着る、のはたとえ浴衣でもステイタスなんですけどねぇ。
今年は浴衣は去年までのものがあるので、新しく買う予定はありませんが、
「浴衣の反物はもうなくなるよ」と言われてあせっています。
竺仙の奥州小紋ほど高いのは買えなくても、白地に藍とか紺地に白とか…。
反物がなくなったら困るなぁ…。
裏側の絵のある方で何かになるといいですね。
着物をまったく知らない人の質問て、ほんと
驚きますね。
こういう人ばっかりになったら、日本の
民族衣装はどうなってしまうのかと心配
ですね。
これはお宝ですね。どんな方がお誂えになったのか 妄想中です。
手仕事の大切さは年々失われていきます。大学でも学生側はパワーポイントで資料が配布されるものと思いこみ、自分でノートを取ることすらできません。(反対に ワタスの方が、板書をきちんとまとめて書けと言われます)小テストでノートや辞書を見てもよいと言っても、見ません。自分で工夫したり考えるサバイバル能力が低下しております。TT
実はある古着屋さんのサイトで、
この絽の無双、すんごくいいのが、
外国向けに売られているのです。たーくさん。
買いたくてもすごいお値段なのでね
指をくわえてみているのですが、
日本人が大事にしなくちゃ…なんて
悲しくなってます。
みんな海をわたっちゃうんですね。
民族衣装なのに、着られもしない。
信じられないような質問をする。
すばらしい織り染めの技術がなくなっていく。
昔のいいものがよその国のヒトに買われていく。
こんな国ってヘンだと思います。
鷺って絵になりますね。立っている姿も
飛んでいる姿も…。
これは状態よければ着たかったです。
もう表がねぇ、白っぽくなってます。
今のヒトって、じっとしてしても
何でもできる、してくれる…なんでしょうか。
スイッチポン、ボタンピッ…で暮らしてくると
依存しているつもりはないのでしょうが、
結果的に…じゃないかと思います。
サバイバルに強いのはゲームの中だけ?
あの桜に篝火なんて、柄を見たら3月末だと思うんですけど、袷羽織の時季の3月に無双着ちゃっていいのか?と・・・・
なんか、一部では「汚れ避けの為に」とか「昔の上流な人たちは、決して帯つきで出かけたりはしなかった」とかで、一年中羽織物必須みたいに思っているようですねぇ。
でも、実際問題として、5月に30度越してる今、夏にあの上に何か羽織って出かけるなんてとても考えられませんわ~。
(うふふ、日が暮れたら真夏でも寒い日が多いこちらではOK~♪)
これ、私ももうちっと融通がきかないものかと
思っていたら、先日呉服屋さんの奥さんが、
「まぁこれだけ黒が白くなっちゃってると
これは実際には着られないけど、
もし着るなら柄に『雪も梅も』入ってるし、
3月から着られるじゃない」と…。
つまり絽だけど「袷」と同じ仕立てだし…
ってことで、着られる範囲広げるそうです。
つまり「素材」で着たり「柄」で着たりで
長く楽しめばいいのよってことですね。
>昔の上流な人たちは、決して帯つきで出かけたりはしなかった
なんかこういう妙ちきりんなことだけは、
ヘンにこだわったりしますよね。
母なんか「お金持ちはいくらでも作れるとこ
みせたくて、わざわざあってもなくてもいいよーな
絽だの紗だのでシャレ羽織なんぞ
つくったもんやねん」なんて言ってました。
こりゃヒガミか?
私は「お尻隠し」派なんで、夏も羽織ります
が、お師匠様曰く(粋筋だからか?)、『おしゃれ着にしかならない いい帯を締めてる時こそ、見せびらかすような事はしちゃいけないよ。でもって、夏はすぐ焼けるから、帯は大切になさい。』とのこと。理由を説明して下さる場合は、こういう細かいこだわりにも納得できます^^
花街の女性たちは 色々ありそうだし~;;
ただ、この質問への回答で、『着ない人は知らないんですね。』と、都心にお住まいの方が書きこんでらしたのは 吐き気がしました。
でも、関西の人より関東の人のほうが 夏羽織着るイメージがありますが?気のせい?
羽織について、お題をいただいたきがしていまして、
また書かせていただこうと思っています。
とりあえず、羽織っておんなものについて言えば
「ちりよけ・防寒」なんですよ。
帯が焼けないように、もあるでしょうし、
お育ちによっては「帯つきは恥」もあるでしょうし…。
「知らないんですね」とおっしゃるかた、
ああいった書き込みをなさるかたは、
自分の思い込みがわからないのです。
それも、「つたわってこなかったこと」の
リスクでしょうね。
関東関西の違いはどうなんでしょうね。
ちと考えてみたいと思います。