(すみません、「梅が枝」の写真を間違えておりました。入れ替えましたので)
出品時のタイトルが「忠臣蔵模様錦紗長襦袢」、でも正確にはそれを含む「歌舞伎柄」です。
「鶯色」の地に、「ヱ雲」部分は、これがピッタリの色名がなくて、要するにベージュ。
そこに色紙を配した柄です。茶系でまとめた色紙の柄が、華やかだけど落ち着いた感じに見えます。
じゅばん部分は、とてもきれいでいい錦紗なのですが、衿がものすごい!
書き終わったら、すぐといてしまおうと思っています。木綿は怖い…?!
柄は色紙に絵柄、「討ち入り」「梅が枝」「矢の根」「しばらく」「妹背山女庭訓」「娘道成寺」の6種類。
どれもポピュラーな演目ですが、さてそれぞれの物語を…なんていわれたら「えぇっとぉぉ」です。
まぁ討ち入りはもう別格ですね。ダレでも知ってる…と思うのですが。
いちばんわかりやすい「大石さんの兜」、歌舞伎では「大星」ですが。それに陣太鼓。
それに当日のグループ分け「番号フダ」。
「梅が枝」はえーと「ひらがな盛衰記」でしたっけ。浄瑠璃でしたよね、確か…(こんな程度の記憶です)。
愛する人のために遊女になった女性「梅が枝」が、その人の出陣のための支度金を手に入れるため、
「鐘を叩きながら、無間地獄に落ちてもいいからお金がほしいと祈ると、お金が手に入る」…
というお寺の伝説になぞらえて、手水鉢を叩きながら祈ると小判が降ってくる…。
で、どうなったかを知らないところが「エセ歌舞伎好き」ってことで…。
それで色紙の柄が「梅の一枝に、手水鉢の相方?のひしゃく」、下の方の「矢」は、思う相手が武将だからでしょうね。
ちなみに「無間地獄」とは、仏教でいうところの「八大地獄」のうちの八番目、一番底でもっとも過酷な地獄。
地獄に落ちてから、ここに到達するまで2000年、落ち続けるのだそうです。
人として最も重い罪を犯したものが行くところですから、殺人はもとより、特に親殺しも…。
いっちゃなんですが…このところのいろいろな事件を見ていると、
先々無間地獄も混雑するんじゃないかと…いやですねぇ…。
こちらは「矢の根」、これは「車鬢」とよばれる歌舞伎「荒事」の、独特なカツラです。
カオの横で髪を束にして分けて、テカテカに油で塗り固めた棒のような髪。
私なんとなく「カニの足」を思い出します、いつも。
「矢の根」は曾我兄弟の仇討ちもの、の一場面ですね。これは知ってました。
曾我のお兄さんの方が、親の敵に捕まって、弟の昼寝の夢で「つかまっちゃったから助けに来てぇ」と知らせる。
弟は「すわ一大事」と、ちょうどやってきた農家の荷を積んでいた馬にまたがり、
大根をムチ代わりに兄ちゃんを助けにゆく…という話なのですが、これが正月演目。
仇討ちを忘れず、鍛錬怠りなく、一年の計は元旦にあり、と、矢を砥石で研ぐ…から始まったり、
知り合いが年始にきたり、その客がくれた七福神の絵を枕の下に入れて寝たら、夢で急をしらされたり…。
矢は「破魔矢」があるくらいで、魔を払うものですし、この演目は市川家のお家芸で、
あの「にらみ」も、当然入ります。正月に団十郎ににらんでもらって魔を払う…というのも、今でもありますね。
そんなわけで、血なまぐさい「仇討ちもの」ですが、めでたく演じられるわけです。
そしてこちらが「暫(しばらく)」、どう読んでも「志げらく」に読めますが、
よーく見ると「は」の字のかすれが、ちゃんと見えます。
「暫」は、これまた言わずもがな…ですね。用は、悪人ドモが町の善人さんをいじめて殺そうとするのを
とてもつおぉ~い人が出てきて「しばらく!」と、その悪事をとめる…。
この演目、昔々は、そのときどきで役名が変わったそうです。要するに「誰なのか」が重要なのではなく、
「ナニをするか」がポイント。ややこしいので統一されたそうですが、それでも大事なのは「支度」というか「体裁」。
これも「車髷」に、赤と黒の隈取、大きな刀に、ハリを入れたバカデカイ袖。ヒーローのいでたちです。
設定は「霊力のある少年」…なんだそうですが、少年…ってのはムリがあるだろう…とおもえる風体です。
歌舞伎通の友人に聞いた話ですが、アメリカでの題名も、まんま「ジャスト・モーメント」なのですと。
セリフもそれだったら面白い「じゃすと!じゃすと もぉぉぉぉめぇんとぉぉぉぉ!」とか。ごめんなさい!
「妹背山女庭訓」…これはすみません、以前、歌舞伎の読本のなかで、
あまりにもハナシがややこしく長くて…で、細かいことは覚えていません。蘇我入鹿の栄華と失脚の話です。
「庭訓」、ていきん、と読みますが、教えとかしつけとか…昔寺子屋で「庭訓往来」とよばれたものがいわば教科書。
「女庭訓」とは「女性としての守るべきみち、手本」ってなことでしょうか。
なんで「糸巻き」が図柄にはいっているか…思い出すのに苦労しましたが、確かめました。
要するに、好きな男性のあとを追いたくて、着物に糸を結びつけ、それをたどっていくのです。
だから糸巻きがあるんですね。
「娘道成寺」、コレもダレでも知っている演目ですね。安珍清姫伝説からのお話。
これも歌舞伎通の友人に教えてもらったのですが、ご承知のとおり歌舞伎の娘道成寺は「舞踊中心」、
長時間をほとんど一人で踊りまくるので、体力的にとてもきついのだとか。
テレビで一部しか見たことがありませんが、確かにあれだけの衣装で、しかも最後にはいろいろ姿も変えて…。
役者はスポーツ選手なみに体を鍛えるといいますが、大変なことですよね。
というわけで、さりげない歌舞伎柄、きっとお芝居好きの方の持ち物だったのでしょう。
あるじのお供で、歌舞伎を何度も見に行ったのかもしれません。
私のところへなどきてしまってかわいそうですが、いつかこれで「身替座禅」を見に行きたいですー。
私の涎の垂れる音・・・・
「忠臣蔵」がマイブームです。
で、歌舞伎もブームになりつつあります。
助六寿司の由来をなぜか知っていた私に珍しく主人がびっくりしたり…
先日、京都南座の前を指をくわえながら眺めておりました。
以前は今の若手のお父さんやお祖父さんの時代ですが
その頃は 親のお伴だったので 中味は
今度はしっかり見るつもりです。
歌舞伎を見に行くと 着物の方も大勢いらっしゃって
着物の種類も色々で 今や自分の好きな物を好きな様に着ている様ですが
この長襦袢は隠れたお洒落になりますね
タッ…タライをお持ちしますです~。
お好きでしょう、こういうの…。
特定の役者さんや、演目、例えば「成田屋」とか
そういうコダワリの柄は、たまに見かけますが、
いろいろな演目だけをを並べるというのは、ないように思います。
色も優しいですよ。
「忠臣蔵」は、ほんとに柄として多いですね。
いろんな使われ方をしていて、
たまにこれっというのに出会うと、ゾクゾクします。
「助六寿司」簡単弁当みたいに思われていますけれど、
粋な「判じ物」組み合わせですよね。
お供でも…いってみたかった…。
「耳」の持病で、芝居や映画はどうしても敬遠なんですが、
歌舞伎はいきたいですねぇ。
耳栓していくか?!