写真は、解こうと思っている着物です。
小紋ですが、地が紬なので「染め紬」です。
ちょっとあちこちネットお散歩していましたら「着物を解くときは袖から?」
というようなことが書いてありました。
たぶん「着物は縫った順番の逆から解く」というのをご存知で、
そうお考えになったのだと思います。着物で最初に縫うのは「袖」ですから。
別にそれでもかまわないと思いますが、「縫った順番の逆」というより、
「組み立てた順番の逆」、ということなんですね。
袖はそれだけで独立して作れるものですから、先に作ってしまいます。
そのあと、あれこれ繋げなければならない身頃やおくみを繋いで、
袖をつけて、衿をつける(袷の場合はこの間に裏をつけるのがはいりますが)、です。
これを逆にやっていこう、というわけですね。
このブログでは、いろんなこと書いてきましたが、解きについては、
洗うお話しのときに「洗うための準備」として少し書いています。
お話しがダブる部分もありますが、もうちょっと細かく、
それと、もう少しお話しを広げて書いてみましょう。
一回では終わらないかなと思っています。まず解く前に…のお話しから。
まず「着物を解く」ということは、その先どうするか…があります。
ひとつには「洗って仕立て直して着る」…その場合はその先をプロにまかせるなら、
「解き」は、少しでも経費節減ができる…ということになります。
解きの料金は、お店によって違いますし、今は自分で解く人が少ないですから、
最初から「解き洗い」として料金を設定しているところも多いです。
ちなみに私がいく呉服屋さんは、訪問着も羽織も袷なら3500円です。
たぶん高いほうだと思います。
着物はたとえば少しハデになったとか、何らかの理由で、着物としては着ないかも…、
そういったものは、何かにしなくても「洗い張り」の状態で保管しておけばいいのです。
一度に「解いて・洗って・仕立て直し」だと、お金がかかりますが、
洗い張りまでで止めておけば、そこまでの代金です。
そしてまた少し余裕ができたら、次に仕立てにだす…こういうことも、
着物を着続けていくための方法になるのではないかと思います。
また、何かにする…というと、一般的なこと、
たとえば着物を羽織に、とか、羽織を帯に、とか、大人物を子供物に、とか、
そのアタリでとまってしまうのですけれど、そうでないもの、も考えられます。
たとえば、袖なし羽織、というものがあります。
洋服の場合の「袖なし」というと、肩の部分、腕の付け根からがむき出しになる形です。
私なんぞは肩にロースハムがついているよーで、最近はもう真夏でも着ませんが、
フレンチスリーブとよばれる、少し肩を覆うくらいの袖があるものがあります。
あれは「袖」というより、前と後ろの身頃の「袖ぐり」を切り落とさないままにしたもの。
つまり、着物の袖つけあたりと良く似ているのです。
袖なし羽織は、洋服の袖なしではなく「フレンチスリーブ」、
洋服の袖なしにあたるものは形からいくと「ちゃんちゃんこ」ですね。
この、ちゃんちゃんことか「羽織下」と呼ばれる「保温着」は、
それこそちょっとだけ布があればできます。
袖なし羽織は羽織丈の身頃と衿がいります。
もう少し布があったら、袖なしで「道中着」のように、前を打ち合わせられます。
そういうものも、和裁の基本的な本には載っていなくても、
りっぱな和装だと、私は思っています。
着るときと、ところを選べはいいわけですね。
これは洋裁風のもので、しかもホームウェアなので、
オシャレ外出用とはちょっと違いますが、
イメージ的に「袖なしで前打ち合わせ」だとこんな感じってことで…。
丈を長くして、軽いコート代わりにしたらいいなぁと思っています。
こちらはイラストですが、袖なし羽織、本来は襠のあるのが本式ですが、
たとえば茶羽織のように着るなら、襠も袖もないものでもいいと思います。
羽織に作っても着ないかも…なんていうような色柄は、
こんなふうに普段用のものにしてもいいわけですね。
それにしてもこのイラスト、なんか「竜雷太」に似てません?
とりあえず「実はいろいろ考えられる」ということなんです。
そうそう、もんぺってのもありますよね。
では、まず着物でも羽織でも、とりあえず布の状態と、
それをどうするかの目的で、解くかどうか…そこから考えます。
たとえば、私の場合はほとんどが加工用ですから、
何かの手芸材料として使える部分があれば、なんでも解いてしまいます。
細かく使うのではなく、もう一度何かにして着るために解くとしたら、
まず「再生に耐えられるかどうか」それを見なければなりません。
シミや汚れのチェックはもちろんですが、布力がなければ使えません。
着物の場合は、面倒でもちょっと裾とか袖の裏側などを解いて、
縦横にひっぱってみてください。水をちょっとつけてひっぱると、なおいいです。
古いものは、どうしても最初に比べれば弱くなっていますから、
思い切り強くひっぱればたいがいは切れてしまいますから、
そのあたりの力は加減してください。
また切れ目があるところなら、新しい布でも裂けますので(アタリマエですが)
布端から少しはいったところをひっぱってください。
この間の「紙のような銘仙」は極端ですが、少し力を入れただけでピリッといくようなら、
着物に作り直しても長く着られませんから、ほかに使い道を考えます。
また素人目で、これは大丈夫…と思っても、プロの目から見るとダメ、
というものもありますから、それは覚悟しておいてください。
それは一つは弱り、もうひとつは染めの種類や色柄による色落ち、です。
古着の場合で気をつけるのは、全体にきれいでまだ着られるように見えても、
「特に弱りがきているところ」…。おしりのあたりとひざ、袖口は要チェックです。
特にお尻は、そこだけ糸が弱って、布力はあっても縫い目部分が弱っていて、
縫い目から切れることがあります。
そういう場合は、次に仕立てる時に身頃を後ろ前逆にします。
羽織は前を落としますが、着物はどこも裁ち落としませんからそれができます。
つまり下の絵のようになるわけですが…(かなり粗い絵ですみません)
解いた後ろ身頃のお尻辺りが薄くなっていたり、縫い目が弱ってヒケになっていた場合、
次に仕立てる時に、前後を変えます。そうすると「元の前身頃」が
今度は後ろに行って「背縫い」になり、傷んで薄くなった「元の後ろ身頃」が
お組がついて中にはいってしまう…というわけです。
とまぁこんな具合に、着物というのはあれこれとやりくりができるものなわけです。
ですから弱りとかちょっとしたシミで、ここは次に仕立てるときには
きをつけなきゃイケない、というところには、解いたら調べて糸印をつけておきます。
もちろん解く前でもいいですよ。
さて、目的も予定も決まっていよいよ解くことにしたら…。
まず天気のいい日、乾燥した日がいいです。これは、古いものほど糸がきしむからです。
晴れていてもきしむものもありますけれどね。保管していてだしてきたばかりとかで
ちょっと湿っている感じがしたら、風に当てて湿気やにおいを飛ばしてください。
長くなりましたので、解くところからの続きはまたということで…。
今日はやーっと暖かくなりましたが、ウチのチューリップは、
つぼみの先がちょっとのぞいたころから、お天気がへんてこりんになりまして、
伸びていいものやらわるいものやら…で、みじか~く遠慮がちに咲きました。
花びらのふちがちりちりとレースみたいになってる種類です。
それにしても迷うよねぇ、この春は…。
小紋ですが、地が紬なので「染め紬」です。
ちょっとあちこちネットお散歩していましたら「着物を解くときは袖から?」
というようなことが書いてありました。
たぶん「着物は縫った順番の逆から解く」というのをご存知で、
そうお考えになったのだと思います。着物で最初に縫うのは「袖」ですから。
別にそれでもかまわないと思いますが、「縫った順番の逆」というより、
「組み立てた順番の逆」、ということなんですね。
袖はそれだけで独立して作れるものですから、先に作ってしまいます。
そのあと、あれこれ繋げなければならない身頃やおくみを繋いで、
袖をつけて、衿をつける(袷の場合はこの間に裏をつけるのがはいりますが)、です。
これを逆にやっていこう、というわけですね。
このブログでは、いろんなこと書いてきましたが、解きについては、
洗うお話しのときに「洗うための準備」として少し書いています。
お話しがダブる部分もありますが、もうちょっと細かく、
それと、もう少しお話しを広げて書いてみましょう。
一回では終わらないかなと思っています。まず解く前に…のお話しから。
まず「着物を解く」ということは、その先どうするか…があります。
ひとつには「洗って仕立て直して着る」…その場合はその先をプロにまかせるなら、
「解き」は、少しでも経費節減ができる…ということになります。
解きの料金は、お店によって違いますし、今は自分で解く人が少ないですから、
最初から「解き洗い」として料金を設定しているところも多いです。
ちなみに私がいく呉服屋さんは、訪問着も羽織も袷なら3500円です。
たぶん高いほうだと思います。
着物はたとえば少しハデになったとか、何らかの理由で、着物としては着ないかも…、
そういったものは、何かにしなくても「洗い張り」の状態で保管しておけばいいのです。
一度に「解いて・洗って・仕立て直し」だと、お金がかかりますが、
洗い張りまでで止めておけば、そこまでの代金です。
そしてまた少し余裕ができたら、次に仕立てにだす…こういうことも、
着物を着続けていくための方法になるのではないかと思います。
また、何かにする…というと、一般的なこと、
たとえば着物を羽織に、とか、羽織を帯に、とか、大人物を子供物に、とか、
そのアタリでとまってしまうのですけれど、そうでないもの、も考えられます。
たとえば、袖なし羽織、というものがあります。
洋服の場合の「袖なし」というと、肩の部分、腕の付け根からがむき出しになる形です。
私なんぞは肩にロースハムがついているよーで、最近はもう真夏でも着ませんが、
フレンチスリーブとよばれる、少し肩を覆うくらいの袖があるものがあります。
あれは「袖」というより、前と後ろの身頃の「袖ぐり」を切り落とさないままにしたもの。
つまり、着物の袖つけあたりと良く似ているのです。
袖なし羽織は、洋服の袖なしではなく「フレンチスリーブ」、
洋服の袖なしにあたるものは形からいくと「ちゃんちゃんこ」ですね。
この、ちゃんちゃんことか「羽織下」と呼ばれる「保温着」は、
それこそちょっとだけ布があればできます。
袖なし羽織は羽織丈の身頃と衿がいります。
もう少し布があったら、袖なしで「道中着」のように、前を打ち合わせられます。
そういうものも、和裁の基本的な本には載っていなくても、
りっぱな和装だと、私は思っています。
着るときと、ところを選べはいいわけですね。
これは洋裁風のもので、しかもホームウェアなので、
オシャレ外出用とはちょっと違いますが、
イメージ的に「袖なしで前打ち合わせ」だとこんな感じってことで…。
丈を長くして、軽いコート代わりにしたらいいなぁと思っています。
こちらはイラストですが、袖なし羽織、本来は襠のあるのが本式ですが、
たとえば茶羽織のように着るなら、襠も袖もないものでもいいと思います。
羽織に作っても着ないかも…なんていうような色柄は、
こんなふうに普段用のものにしてもいいわけですね。
それにしてもこのイラスト、なんか「竜雷太」に似てません?
とりあえず「実はいろいろ考えられる」ということなんです。
そうそう、もんぺってのもありますよね。
では、まず着物でも羽織でも、とりあえず布の状態と、
それをどうするかの目的で、解くかどうか…そこから考えます。
たとえば、私の場合はほとんどが加工用ですから、
何かの手芸材料として使える部分があれば、なんでも解いてしまいます。
細かく使うのではなく、もう一度何かにして着るために解くとしたら、
まず「再生に耐えられるかどうか」それを見なければなりません。
シミや汚れのチェックはもちろんですが、布力がなければ使えません。
着物の場合は、面倒でもちょっと裾とか袖の裏側などを解いて、
縦横にひっぱってみてください。水をちょっとつけてひっぱると、なおいいです。
古いものは、どうしても最初に比べれば弱くなっていますから、
思い切り強くひっぱればたいがいは切れてしまいますから、
そのあたりの力は加減してください。
また切れ目があるところなら、新しい布でも裂けますので(アタリマエですが)
布端から少しはいったところをひっぱってください。
この間の「紙のような銘仙」は極端ですが、少し力を入れただけでピリッといくようなら、
着物に作り直しても長く着られませんから、ほかに使い道を考えます。
また素人目で、これは大丈夫…と思っても、プロの目から見るとダメ、
というものもありますから、それは覚悟しておいてください。
それは一つは弱り、もうひとつは染めの種類や色柄による色落ち、です。
古着の場合で気をつけるのは、全体にきれいでまだ着られるように見えても、
「特に弱りがきているところ」…。おしりのあたりとひざ、袖口は要チェックです。
特にお尻は、そこだけ糸が弱って、布力はあっても縫い目部分が弱っていて、
縫い目から切れることがあります。
そういう場合は、次に仕立てる時に身頃を後ろ前逆にします。
羽織は前を落としますが、着物はどこも裁ち落としませんからそれができます。
つまり下の絵のようになるわけですが…(かなり粗い絵ですみません)
解いた後ろ身頃のお尻辺りが薄くなっていたり、縫い目が弱ってヒケになっていた場合、
次に仕立てる時に、前後を変えます。そうすると「元の前身頃」が
今度は後ろに行って「背縫い」になり、傷んで薄くなった「元の後ろ身頃」が
お組がついて中にはいってしまう…というわけです。
とまぁこんな具合に、着物というのはあれこれとやりくりができるものなわけです。
ですから弱りとかちょっとしたシミで、ここは次に仕立てるときには
きをつけなきゃイケない、というところには、解いたら調べて糸印をつけておきます。
もちろん解く前でもいいですよ。
さて、目的も予定も決まっていよいよ解くことにしたら…。
まず天気のいい日、乾燥した日がいいです。これは、古いものほど糸がきしむからです。
晴れていてもきしむものもありますけれどね。保管していてだしてきたばかりとかで
ちょっと湿っている感じがしたら、風に当てて湿気やにおいを飛ばしてください。
長くなりましたので、解くところからの続きはまたということで…。
今日はやーっと暖かくなりましたが、ウチのチューリップは、
つぼみの先がちょっとのぞいたころから、お天気がへんてこりんになりまして、
伸びていいものやらわるいものやら…で、みじか~く遠慮がちに咲きました。
花びらのふちがちりちりとレースみたいになってる種類です。
それにしても迷うよねぇ、この春は…。
こちらこそ、はじめまして。
ようこそおいでくださいました。
私は怠け者なので、最初に「できるだけ毎日」と、
自分できめたもので…。
お客様のおかげで続けられています。
最近は平均身長も伸びてますから、
私でさえ、母が年取ってからのものは、
ちと小さいです。
伸子張り、やると楽しいですー。
今は天気がねぇ…です。
はれりゃ風強いし…春、どこまできてるの?です。
そうなんですよ。二枚頼む分で、
古着買えたりしちゃいますしねぇ。
できるだけ自分のものも解いてますが、
解きにくいものだと「お金とられても
しかたない作業だなぁ」と思います。
糸が切れにくいと、ほんっとに疲れますよね。
チューリップ、次のがまだつぼみのまま
どーしようかなーと待っている感じです。
この天気ですからねぇ。
チューリップ春ですね!
よく更新されていてすごいですね。
私ももうちょっと更新しないとなぁ・・・
よかったら私のブログも見にきてください!
オーダーメイド通信教育のオダテン:http://www.odaten.com
ちょこっとだけ成績アップブログ:http://blog.goo.ne.jp/taketyansensei
母の着物を解きました。
というのも、私は身長が高いので、
そのままとはいかず、
先日、一枚は羽織にしました。
そう、そう、伸子針セットが届きました。
情報、ありがとうございました。
とんぼさんのページを参考に、
がんばってみます。
でも、糸を引っ張って解ける状態ならいいけど、プチプチに切れる糸では解きも大変ですよね。きしむ、切れるを経験してから解きは
どうも苦手です。
チューリップ、やさしい色でとっても綺麗!
次々咲くのが楽しみですね。