本日入手の羽裏です。
どーしてこんないい柄があるんでしょ。日本人ってステキ!
女物の羽織、表は薄いブルーグレーに紺の絞りですが、
羽裏よりは新しい感じです。女物の羽織にこういう羽裏は珍しいので、
たぶん別の男物の羽織についていたものをリサイクルしたと思われます。
実物は、地色がもう少しベージュで、柄行ももう少しハッキリしています。
実は、これくらいの絵になると、大概作者の落款がはいっているものなのですが、
それがありません。髪の毛などもただ黒く塗りつぶしてあるわけではなく、
線を入れてあったり、それぞれの女性の着物柄も、実に細かく描いています。
下の方を見ると「爪皮」にゲタの歯まで・・。
これだけの絵なのにどうして・と思ってくまなく調べてみましたところ、
右側の女性の「手」、帯の垂れのあたりに添えられていますが、
これがちょっとだけおかしい・・指の部分が、二重にみえます。
下の写真です。
最初は下描きかと思いましたが、こういうものには下描きはしないだろうと思い
ルーペを取り出してよくよく見てみると、色の塗ってある指は、
親指をあわせて3本、それも、これだけ細かく描いてあるというのに、
この指のところだけは「ザツ」なんです。結局黒い線は本来の絵の線、
それを塗るときに間違えて指2本と親指の「先」の部分を塗ってしまった・・
ということらしいのです。ボケっとしていたのか、手元が狂って
塗るつもりのないところに色がついてしまったか・・どうもそんな感じ・・。
職人さんというのは、けっこうプライドが高いですから、
これに自分の名前を残すのは恥だ・・と思ったのかもしれません。
もう一枚、こちらは右は紋錦紗のたぶん羽織、左は紋綸子の羽裏、
どちらも「童子柄」です。
上の「美人図」とは正反対?で、ひょいひょいと描いたようなマンガっぽい絵、
さて何種類の人形があるのか、ちょっと数えるのは面倒でやめました。
この「御所人形」を模した柄は、子供の着物などよく使われる柄なのですが、
これの説明は、プロのかたでもちゃんと書いていない場合が多いです。
一番多いのが「唐子柄」という表記。「唐子」というのは、字の通り
「唐の国の子供」です。唐子柄の子供はまず「中国服」着用、
そしてアタマにはてっぺんと耳の両脇に髪があります。
お茶碗などではこの「唐子」柄が多いのですが、着物の場合は
御所人形や、その他の人形柄の方が多いのです。「童子」柄、
或いは「人形柄」なのですが、なぜかみんなまとめて「唐子柄」・・。
ふっくらしていて腹掛けだけか、ちゃんちゃんこで、あとは裸、
アタマには烏帽子とか兜とかそういうものを被っていたり、
手に持っているものが郷土玩具とか、めでたいもの「打出の小槌」とか・・
そういうのは「唐の子」ではなく「日本のコ」・・だと、
私はこだわっているんですが、ハギレやさんや古着屋さんで、
あまりにも堂々と「唐子柄」と書かれると、そういうことになっているのかなー
と、ちょっと自信がなくなってしまうとんぼです。
こういう細かくて可愛い柄、小さいもの、おさいふ等に使うのもいいのですが、
バッグの内側などに使うと、シャレてますね。表は渋めの色柄で・・。
だからね、とんぼっち、「はよ作らんかい!」・・。
先年、羽織に刺繍をしてもらったのですが、呉服屋さんは唐子、一方、私はずっと御所人形と言い続けていました~~ きゃ、は、は。
本当に素敵な柄ですね。
ほれぼれします。これが元は男物の羽裏だなんて・・・昔の人は見えない所でおしゃれを楽しんで
いたんですね。
話は変わりますがオークションデビュー致しました。
手続きは、ややこしくて娘が来た時して貰いましたが
一応入札に参加してみました。
結果は落札出来ませんでしたが・・・
又挑戦してみます。
いろいろ教えて頂きありがとうございました。
どう見ても「唐の子供」ではないっ・・と、声を大にして言いたいんですが、なんか業界ではどっちもOKなのかなーと、素人の悲しさです。今度ちゃんと聞いてみます。
陽花様
おーく・でびぅ、おめでとうございます!
アツくなりすぎないように、楽しんでくださいね。