去年の終わりごろ、知り合いから娘さんのための「留袖」を購入したいというお話があったのですが、
その娘さんご本人が「ちょっと話がややこしくなって」…と。
簡単に言うと、その人は、結婚する新郎の義理の姉という立場なので、本来なら黒留袖でいいわけですが、
ご親戚の一団…地元ではなく遠方にお暮しの「まとまった親戚」ですね。
そのご一同様の女性陣が、近い身内、つまり三親等までは原則黒留袖だけど、
そうするとみんな真っ黒けでおもしろくない、今回は女性全員色留袖にしよう…と言われたのだとか。
こういう勝手なルール変更は困りますねぇ。
細かく言うなら、色留袖は、紋の数を変えることができますから、五つ、三つ、一つ、無紋…と、
使用目的によって変えればいいわけですが、そうそう何枚も持てないのが実情。
最近は、少しずつゆるくなる傾向で、五つ紋より三つ紋一つ紋が多いようですが、
いずれにしても留袖のお仲間であることにかわりはなく、柄付けとしても腰から下だけです。
だから、豪華で荘厳な感じの古典柄であっても、肩まで柄のある訪問着よりも
見た目は控えめになります。
そんなこんなですから、もしかしたら「紋入りの訪問着でいけるんじゃない?」と思ったのですが、
訪問着もまた紋を入れると、ちと着ていく場所が限られたりする…めんどくさいところですねぇ。
とりあえずは、お姑さんやお母さんと、もう一度相談してくる…ということになりました。
聞くところによると、その親戚ご一同軍団は、着物をたくさん持っていて、
どちらかというと「あの色留が着たいから」みたいな感じらしいです。
それなのに結構紋なども言ったりするらしく、できれば実家の紋にしたいところだけれど…
今の家の紋は「柏なんですー」…おんなじじゃん「ウチも柏よぉ、柏餅の」で大笑い。
紋にしても、着物の格にしても、時代とともに少しずつ変化していきます。
「これはいいことになった」「これはどこまでいってもダメ」と、はっきりした変化にはなりづらく、
「最近はこういう方も増えています」なんて、売るほうも歯切れが悪かったりします。
また結婚式や披露宴も、いろんなスタイルがでてきましたからねぇ。
留袖一枚持ってれば、とか、訪問着あるから…と、言い切れなくなってきました。
私の黒留は、かなり派手なので、なんなら貸してもいいよ、と言ってあります。
色留袖も、たとえば比翼にしないで仕立ててれば、着用も広がります…。
たしかに、形で言えばそうでしょうけれど、留袖ってどんなもの?と言われたら、
黒地に裾模様で、白の比翼仕立て、帯は金銀の袋帯、小物は白または白地に金銀。
だったら色留袖は、地色が黒以外、というところだけで、やはり比翼がついていればこその「留袖」だと
私なんかは思いますねぇ。比翼も紋もつけないなら、訪問着のほうが便利です。
礼装は、社会の変化によって、だんだんややこしくなっていく気がします。
シンプルにすばっと決めちゃったほうが、めんどくさくないと思うんですけどねぇ。
困りますよね。
色留袖の紋の数、作った時は本当に悩みました。
結局結婚式に着るぐらいなので五つ紋にしました
けど、難しいものですね。
時々、結婚式や披露宴の衣装について聞かれますが、
最近は「まずどんな結婚式?」からです。
仲人さんの奥さんが、留袖ではなく、
ピンクのドレスだったという話も聞きました。
私は色留袖がなくて、母のものをと思っているのですが、
はて三つ紋だったかどうだったか。
身内がたくさんいて、着る予定があれば、
一枚はほしいですが、式ごとに気を使うのでは、
大変ですよね。
弔事の黒白はありますけど、黒って決して地味な色ではありませんのに・・・
結婚式にご親族の黒留姿が並ぶのって、とっても荘厳な感じがして素敵ですのにねぇ。
なんだか感性がアメリカ人並の雑駁さになっていくようで、悲しくなります。
あ、この場合は「色留めを着たい!」が先だったのですね。
たくさん持っている方がこういう方向に進んでしまうというのが、何とも残念に思えました。
今は「式」より「披露宴」がメインなのでしょうね。
イベントに参加する衣装って感じでしょうか。
黒留がずらりと並ぶ、荘厳で、
ちょっと引き締まった感じになりますよね。
ただ華やかなお正月だののパーティーではなく、
あぁ結婚式だなぁって。
たくさん持っているというのはケッコーな話ですが、
どこまでいったって「主役はアンタたちじゃないんだよ」と
つい毒づいておりました。
とんぼさんの昔の記事を読んで、友人としての装いを考えておりました。家にあった金と銀が中央から分かれている帯締めを祖母にもらいまして、キレイ!これにしよう!なんて思っていた所で、とんぼさんの記事で「水引」という黒留袖用の小物だと知って、訪問着に合わせてもいいのか困ってしまいました。もう~、誰に聞いても違う答えが返ってきます!
色留袖、紋の数で私もものすごく困ってます。誰かに決めてほしいです。
礼装はほんとに悩ましいことがいっぱいですね。
ご友人の結婚式に訪問着、でしたら、
おっしゃるところの水引でも、かまわないと思いますよ。
たとえば訪問着を身内の挙式に着るなら、
問題なく、水引でOKです。
つまり訪問着は、留袖よりは自由なものなので、
その時の状況で変えてもいいよわけです。
訪問着を披露宴に着るなら、留袖に準じて、
礼装用の帯締めでも、当然間違いではありません。
ただ、見た目に慣れない、というのがあって、
こちらはまちがってないのに、言う人もいますよね。
あれって留袖用でしょ、なんて。
金銀で完全に半分に分かれているタイプは、
今はほとんどありません。
なんとなくどっちにも使えるように、白地に金銀の柄が、
主流です。
なので余計に目立つと思いますね。
あとは古いものだと、幅が狭かったりします。
晴れ着の帯締めは細いと貧弱に見えます。
丸組だと平組よりは目立ちませんし、
かえって派手さを細さで抑える…なんて効果もあるかもですね。
訪問着は、重宝だけど、その分考えないと…のところが
たくさんありますね。
ブログ拝見しましたが、末広はOKですよ。
これも「訪問着の場合はあってもなくてもよし」が、今いわれているところです。
昔は「結婚式・披露宴」は、きっちりと荘厳なもので、
まちがいなんぞあっちゃいかん…でしたが、
今はパーティー感覚ですからねぇ。
「自由な部分」は、うまく使って、お祝いの気持ちをいっぱいあらわす、
そんな衣装であればいいと思います。