いわゆる「入金真綿」とよばれる真綿です。ハガキは大きさ比較用です。
「入金真綿」というのは福島県で作られる真綿ですが、「入金」の由来は、
もともと江戸時代に「大判・小判」を包むものとして作られたため、
或いは、質が良かったために全て「前金」をつんで買われたから、
という説があります。今では結城紬のほとんどが、この入金真綿。
もともと結城でも養蚕は、やっていたのですが、江戸時代に洪水により、
桑畑が全滅したのだそうで、それ以来「入金」がほとんどになったのだそうです。
さて、我が家にも真綿はあったのですが、なんたって「時代物」でして…。
バサマが先日「尾てい骨」を打って、座るときに痛いと…、
いやもぅガリガリにやせてますからねぇ…。
それでドーナツ座布団はあるので使っているのですが、
真綿はあったかいし、それなら腰から下を包む感じで、
何か作ろうかなーと…思ったのに真綿が古かった…というわけで購入したのです。
ちょうど羽織下のお話しも出ていましたし、ちょっと丈の長いのもいいかな、
とまぁいつも「考えるだけは考える」のですけどね。
いつできるかは、全く予想がつかないんですー。
とりあえず、この真綿ですが一枚ずつは薄いんですよ。
下に入れたはがきが見えますでしょ。
これを何枚も重ねるわけです。真綿と木綿綿の大きな違いは繊維の長さ。
木綿綿は、短い繊維をふわふわさせているわけですが、
真綿は絹繊維ですから、一本が長い、つまりいつも言ってます
「ステープル」と「フィラメント」の違いですね。
木綿はポンとたたくと、短い繊維がもわもわと舞い上がりますが、
絹は長いのでそれがありません。
えーと、あらゆることで「何度もしてるお話し」になっちゃいますが、
江戸時代の「綿帽子」の始まりもこの真綿、これを伸ばして、
前髪からずっとかぶせて埃除けとしたわけです。後年「布」になりましたが。
それができたのも、絹が長繊維で綿ぼこりになって髪にくっつくことが
なかったからです。
真綿は引っ掛かりはします。実は手が荒れていると、ちょっとさわっただけで、
あちこちひっかかって厄介なのです、ほんと。
ではなぜ真綿を作っている人は、さっさとできるのか、
実は絹糸の外側の「セリシン」という成分が、お肌すべすべの元なのですね。
先日もNHKで、近江綿の製作風景をやっていましたが、
真綿を作る人も、その真綿を広げて布団を作る人も、全くひっかからず、
手はみんなすべっすべ…自然のものって体に優しいんですね。
ちょっとひっぱって持ち上げてみたんですが見えますか?
細ーい糸が長く伸びて絡まっているんですね。
というわけで、この真綿、昔はそのまま背中に何枚か広げて乗せて、
暖をとっていました。バサマに見せたらきっと「懐かしなぁ」と言うでしょう。
これを購入したのは「絹と九谷コレクション・ふづき」様という
ネットショップさんです。鎌倉なんですよ、すぐ近く…でもないか。
真綿のページはこちらです。
箱のなかに繭さんがひとつ、一緒に入ってきました。
繭さんアップしてみると、繭の周りにはもやもやと絹糸が…。
それをひっぱってちょっと「撚って」みました。
実際にはこうして糸をひくのではなく、この外側のモロモロはまずお湯の中で、
取り除かれます。繭の一番外側はいわばコートと同じで、周りの汚れやまさつで
コマゴマ切れたり汚れたりしているわけですから。
このモロモロをよけます。繭の中心までつながる一本を「正緒(せいちょ)」、
といいます。この正緒がその繭の「糸口」、話の糸口、の語源です。
生糸はこの正緒を何本かあわせて一本に撚るわけですが、
このまわりのモロモロももちろん絹ですから、捨てません。
こういうものを集めてまた糸をひいたものが「絹紡糸」です。
この繭は振ると「カラカラ」と音がします。これは「乾絹」といって、
繭を集めて「乾燥室」で、乾かしてしまったもの。
中でサナギさんが、干からびているわけです。(合掌)
繭は育つ早さが個々で微妙に違いますから、収穫前後に繭を破られると、
出殻繭、と言ってせっかくの繭の形が崩れ質が落ちます。
蚕はひよこのように繭を割ってでるのではなく、
セリシンを溶かす分泌物を出して、繭の一部を溶かして出てきます。
それだけで糸の成分や質も落ちてしまうわけですね。
昔はこの出殻や汚れなどの屑繭を、お上に納めずに自家用とした、
それが「紬」の始まり、です。
今はまだサナギのうちに乾燥させてしまうわけです。
さて、真綿はまず、この繭をぐつぐつと煮まして(煮絹といいます)、
次に水の中で繭を割り、それを広げて四角い枠に引っ掛ける、
これを何枚か重ねて一枚としたものが、この真綿一枚、なわけです。
たいへんな手間がかかっているわけですねぇ。
ちなみに布団を作るとき、これをどこまでもだーーーっとのばしたものを
何枚も何枚も重ねて作るんですよ。繭6000個とか言ってましたかねぇ。
木綿綿のように綿切れもへたりもしませんから、
真綿布団は打ち直しがいらないといわれています。
さてさて、もうひとつ「繭さん」を。
これもまたずっと前にアップしてますが、繭人形。
十二支なので、ずっと飾っています。ちなみに来年の「うしさん」はこちら。
笑ってるんじゃなくて「鼻輪」ですよー。
繭を見て、ふと思いついてこの繭人形のセロファン袋(普段はほこりよけに
ずーっといれてあります)のシールを見てみました。なんせ古いものなんです。
すでに10年は経ってると思うのですよ。
書いてありました「宮崎県東諸県郡綾町…」「綾の手紬」ですと…。
えっ宮崎?伊勢崎とか丹後じゃなくて?
地図をググって見ましたが、でません。が「西諸県郡」を見つけました。
ここが西ならこっちかな?…ありましたよ、宮崎の山の奥です、
「照葉の大つり橋」というのが有名だそうで、
世界で二番目に高いとか…ゼッタイいかない…。
で、探したらこの繭人形、今でも作っていました。
「綾の手紬染織工房」さん。
わっ高いっ、あっこれ、ジサマが買ってくれたんだった。
急に大事にする気になったワタシです。
この飾りのテッペン、藁を縛ってあるのも絹糸を軽く撚った紐なんですが
なんたってきっちり締まってるんです。さすがですね。
本日もまた「布」のでてこない「絹」のお話しでした。
「入金真綿」というのは福島県で作られる真綿ですが、「入金」の由来は、
もともと江戸時代に「大判・小判」を包むものとして作られたため、
或いは、質が良かったために全て「前金」をつんで買われたから、
という説があります。今では結城紬のほとんどが、この入金真綿。
もともと結城でも養蚕は、やっていたのですが、江戸時代に洪水により、
桑畑が全滅したのだそうで、それ以来「入金」がほとんどになったのだそうです。
さて、我が家にも真綿はあったのですが、なんたって「時代物」でして…。
バサマが先日「尾てい骨」を打って、座るときに痛いと…、
いやもぅガリガリにやせてますからねぇ…。
それでドーナツ座布団はあるので使っているのですが、
真綿はあったかいし、それなら腰から下を包む感じで、
何か作ろうかなーと…思ったのに真綿が古かった…というわけで購入したのです。
ちょうど羽織下のお話しも出ていましたし、ちょっと丈の長いのもいいかな、
とまぁいつも「考えるだけは考える」のですけどね。
いつできるかは、全く予想がつかないんですー。
とりあえず、この真綿ですが一枚ずつは薄いんですよ。
下に入れたはがきが見えますでしょ。
これを何枚も重ねるわけです。真綿と木綿綿の大きな違いは繊維の長さ。
木綿綿は、短い繊維をふわふわさせているわけですが、
真綿は絹繊維ですから、一本が長い、つまりいつも言ってます
「ステープル」と「フィラメント」の違いですね。
木綿はポンとたたくと、短い繊維がもわもわと舞い上がりますが、
絹は長いのでそれがありません。
えーと、あらゆることで「何度もしてるお話し」になっちゃいますが、
江戸時代の「綿帽子」の始まりもこの真綿、これを伸ばして、
前髪からずっとかぶせて埃除けとしたわけです。後年「布」になりましたが。
それができたのも、絹が長繊維で綿ぼこりになって髪にくっつくことが
なかったからです。
真綿は引っ掛かりはします。実は手が荒れていると、ちょっとさわっただけで、
あちこちひっかかって厄介なのです、ほんと。
ではなぜ真綿を作っている人は、さっさとできるのか、
実は絹糸の外側の「セリシン」という成分が、お肌すべすべの元なのですね。
先日もNHKで、近江綿の製作風景をやっていましたが、
真綿を作る人も、その真綿を広げて布団を作る人も、全くひっかからず、
手はみんなすべっすべ…自然のものって体に優しいんですね。
ちょっとひっぱって持ち上げてみたんですが見えますか?
細ーい糸が長く伸びて絡まっているんですね。
というわけで、この真綿、昔はそのまま背中に何枚か広げて乗せて、
暖をとっていました。バサマに見せたらきっと「懐かしなぁ」と言うでしょう。
これを購入したのは「絹と九谷コレクション・ふづき」様という
ネットショップさんです。鎌倉なんですよ、すぐ近く…でもないか。
真綿のページはこちらです。
箱のなかに繭さんがひとつ、一緒に入ってきました。
繭さんアップしてみると、繭の周りにはもやもやと絹糸が…。
それをひっぱってちょっと「撚って」みました。
実際にはこうして糸をひくのではなく、この外側のモロモロはまずお湯の中で、
取り除かれます。繭の一番外側はいわばコートと同じで、周りの汚れやまさつで
コマゴマ切れたり汚れたりしているわけですから。
このモロモロをよけます。繭の中心までつながる一本を「正緒(せいちょ)」、
といいます。この正緒がその繭の「糸口」、話の糸口、の語源です。
生糸はこの正緒を何本かあわせて一本に撚るわけですが、
このまわりのモロモロももちろん絹ですから、捨てません。
こういうものを集めてまた糸をひいたものが「絹紡糸」です。
この繭は振ると「カラカラ」と音がします。これは「乾絹」といって、
繭を集めて「乾燥室」で、乾かしてしまったもの。
中でサナギさんが、干からびているわけです。(合掌)
繭は育つ早さが個々で微妙に違いますから、収穫前後に繭を破られると、
出殻繭、と言ってせっかくの繭の形が崩れ質が落ちます。
蚕はひよこのように繭を割ってでるのではなく、
セリシンを溶かす分泌物を出して、繭の一部を溶かして出てきます。
それだけで糸の成分や質も落ちてしまうわけですね。
昔はこの出殻や汚れなどの屑繭を、お上に納めずに自家用とした、
それが「紬」の始まり、です。
今はまだサナギのうちに乾燥させてしまうわけです。
さて、真綿はまず、この繭をぐつぐつと煮まして(煮絹といいます)、
次に水の中で繭を割り、それを広げて四角い枠に引っ掛ける、
これを何枚か重ねて一枚としたものが、この真綿一枚、なわけです。
たいへんな手間がかかっているわけですねぇ。
ちなみに布団を作るとき、これをどこまでもだーーーっとのばしたものを
何枚も何枚も重ねて作るんですよ。繭6000個とか言ってましたかねぇ。
木綿綿のように綿切れもへたりもしませんから、
真綿布団は打ち直しがいらないといわれています。
さてさて、もうひとつ「繭さん」を。
これもまたずっと前にアップしてますが、繭人形。
十二支なので、ずっと飾っています。ちなみに来年の「うしさん」はこちら。
笑ってるんじゃなくて「鼻輪」ですよー。
繭を見て、ふと思いついてこの繭人形のセロファン袋(普段はほこりよけに
ずーっといれてあります)のシールを見てみました。なんせ古いものなんです。
すでに10年は経ってると思うのですよ。
書いてありました「宮崎県東諸県郡綾町…」「綾の手紬」ですと…。
えっ宮崎?伊勢崎とか丹後じゃなくて?
地図をググって見ましたが、でません。が「西諸県郡」を見つけました。
ここが西ならこっちかな?…ありましたよ、宮崎の山の奥です、
「照葉の大つり橋」というのが有名だそうで、
世界で二番目に高いとか…ゼッタイいかない…。
で、探したらこの繭人形、今でも作っていました。
「綾の手紬染織工房」さん。
わっ高いっ、あっこれ、ジサマが買ってくれたんだった。
急に大事にする気になったワタシです。
この飾りのテッペン、藁を縛ってあるのも絹糸を軽く撚った紐なんですが
なんたってきっちり締まってるんです。さすがですね。
本日もまた「布」のでてこない「絹」のお話しでした。
真綿は見たことはあったのですが、綿帽子のこと、繭のことなど、知らないことばかりでした。
ところで、「絹紡糸」で銘仙などが作られるのですか?
んぐっ!・・・・繭の中にサナギが~??
っぎゃーーーーーーーーー!!
絹は好きですけど、そこは勘弁!!
思っただけで背中がゾワゾワするほど苦手です。
(青虫は結構平気なのに、サナギと成虫(蝶、蛾)は死ぬほど怖い~)
私の主人はコットンと真綿の違いがわかりません。。。全然違うと思うんですけど~???
亡き親父は、太平洋戦争当時に台湾などへ養蚕・製糸技術の指導に度々出張していたと聞きましたが・・・我が家も、養蚕農家でした。
NHKの真綿で作ったお布団の話にも懐かしいものがありまして、私自身はそんなことやることもできることもないのに自慢してしまっていました。大笑いです。
手持ちの古着には真綿が入ったものがいくつもあって、一度「背負って」しまうと手放せなくなってしまいます…。
近所のばあちゃんたちによると、蚕は「お蚕さん」で、その他のいも虫はすべて「ウジ」。お蚕さんは「虫」ではないようです。
確かに不思議な肌をしてますよね~。つやがあるのに、あったかい牛乳に張る膜のような かすかなタルミ…。
「繭人形」の辰、なんだかいい表情ですね
工芸の町で 色々な手作りの方が移住してきています。
其の中に藍染めの「綾の手紬染織工房」があります。
工房の主秋山さんが以前 皇后様がお若いとき絹の藍染のショールを献上されたのですが おととし植樹祭に見えられた時 チャンと其のショールをつけておられて 私は感激しました。
古代の紫 貝紫も 染めておられます。
宮崎の 奥座敷と呼ばれいいところですよ。
鼻も口も手ぬぐいで隠してお布団の綿入れを
していました。真綿は引っ張るから持たされ
ましたが、覚えておけばよかったと今頃
気が付いてもあとの祭りです。
繭人形とっても可愛いですね。
かつては、生糸より下でしたので、
富士絹などに使われました。
銘仙も「庶民のための」ってとこで、
絹紡糸を使いましたが、後に変わりました。
作業という点で、今は生糸より
手間がかかるようです。
お高いものになっているみたいですよ。
今の繭はみんな「カラカラ」ですね。
私もどちらかというと「苦手」部類なので、
養蚕はムリだろな…。
お役に立ててよかったです。
最近は「綿」という形で、ふとんやさんの
店先に出ていたりとか、ありませんからねぇ。
綿の形で見るのは「手芸綿」くらいです。
知らない人もわからない人も、
多いんじゃないでしょうか。
世の中変わったもんです。
その技術が廃れていきます。
寂しいですね、何でも中国だとか、
ベトナムだとか…。
国内をもっと大事にしてほしいと
思っています。
私たちも…なんですが。
真綿のあのもやもや、大好きです。
昔は雛人形のカオなんかも、
くるんでいたと思います。懐かしい…。
「その他は全て…」ってのがすごいなー。
私はうにょうにょ系はダメです。
山ではきっと暮らせない…。
辰ちゃんかわいいでしょ、オットのえとです。
我が家は「竜虎」の夫婦で、息子がネズミ…。
一番上で、息子えばってます。