学校の歴史で習いましたが、日本には「縄文時代」と「弥生時代」があります。
何万年もの年月をひとくくりにするのも乱暴な話ですが、大雑把に言うと、
「縄文は、狩猟によって得た毛皮などを利用していたであろう」
「弥生は布も使われた」というのが大まかな言い方。
でも、縄文時代は長さがありますから、その最初と終わりでは文化も違ったことと思います。
稲作が始まり、定住し、部族、集落という生活体型が生まれた弥生時代に
「織る」ということが始まった、というのは原始的ないざり機であったことが推測される「遺物」が出ています。
布はそのころ生まれた、ということになります。
<<最初に、こちらでのお話しでは「縦糸」を「経」、「横糸」を「緯」と表記します。>>
まず、全ての織り方の基本として「三原組織」と呼ばれる織り方があります。
* 平織り
* 綾(斜紋)織り
* 繻子織り
この三つです。日本語でいうとあまりなじみがないように思うのですが、
例えば「綾織り」は「ツイル」、繻子織りは「サテン」というと「あぁ~」と思われるでしょう。
この「三原組織」をリボンでやってみました。いずれも「経が青、緯がピンク」です。
<平織り>
<綾(斜紋)織り> 3枚斜紋
<繻子織り> 5枚繻子
「綾織」と「朱子織」には3枚とか5枚とかついてますね。
これは何かと言いますと、どうやって経と緯を組み合わせているか、の糸の数の説明です。
「枚」ではなく「(糸の)本数」と考えると分かりやすいかと思います。
例えば上の真ん中「綾織」の経と緯の組み合わせですと、下の写真の黄色の四角で囲ったところが「一組」、
つまり「経1・緯2」二段目「緯2・経1」三段目「緯1・経1・緯1」その右隣も同じ組み合わせで囲えますね。
これを横にも縦にも繰り返していくと、赤い線で書いたように斜めの緯の並びができていきます。
だから「斜紋」といいます。これはリボンですから幅広いですが、実は一本ずつの糸なわけです。
そのままでは分かりにくいので、どのように組み合わせるかを、このリボンのように幅広に書いて、
市松模様にあらわしたものが右側の「組織図」です。黄色い枠1組分の図です。
つまり経3本と緯3本で、一個の組織図になりますから3枚(本)斜紋…です。
この「一組分」を「完全組織」といいます。つまり織り物は、この「完全組織」がたくさん並んでいるもの…です。
写真が離れていて見づらいかと思いますので、小さい写真でもう一度全部並べてみます。
平織り 綾(斜紋)織 繻子織
それぞれの「完全組織」の範囲」
それぞれの「完全組織」
単純な平織りの場合でも、経と緯を同じ本数(2本ずつとか)引き揃え平織りにしたものは「ななこ織」と呼ばれます。
綾織や繻子織りは、緯の通し方によって、「○○斜紋」「○枚繻子」といった呼び方であらわされますが、
ここから先はプロの世界で、特に斜紋と繻子は、多種類あります。
たとえば「杉綾(ヘリンボーン)」は、上の図「斜紋」の階段状にのぼっていくあの赤い線のラインが
途中から下がるように、規定のところでまた上がるように、ジグザグに緯を調整した柄です。
それぞれ布に向く「枚(本)」数とか用途別とか、色艶の出具合とか、特徴が違います。
紋錦紗とか紋綸子といわれる「地模様」があるもの、は、
この三つの織り方を様々に組み合わせることで、柄になっているわけです。
基本的には「繻子織りの中で、いろいろ変化させる」ものが主ですが、「綾織」での変化織りなどもあります。
長くなりますので、本日はここまで…。
トップ写真は「縞木綿」の織り目です。「平織り」になります。
今回は、過去に資料から抜粋した、自身のメモを参考にしました。
もっと細かく、織り目のことについて読んでみたい方は、こちらのHPをどうぞ。
以前ワークショップで習ったんですが、こんな
風に綺麗にはとても出来ませんでした。
何でも器用にされますね。
こんな風に見せて頂くと、織りの糸の動きが
よく分かります。
セロテープのご厄介になりながら…
せっせとやってました。
すぐゆるんじゃって…。
こういうことをやっているのは、スキですー!
私も初心者の方に教えることがありますので、参考にさせていただきます。
こういうことは、着物を着るのに必須な知識では
ないんですけれど、知っていて損はないかなと
そんなキモチです。
ご参考になれば幸いです。