ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

一足さきに夏のしつらいを

2010-06-26 20:37:44 | つれづれ
今年は、あれこれあって、五月の節句の飾りがなかなか全部しまいきれず、
中途半端なままになっていました。
母のことも一段落したりで、お天気は悪かったのですが、やっと全部片付けました。
いつもはこれで七夕がどーのこーの…と、夏は思いつきでガラスの器など飾るのですが、
今年は「飾ろう」と思ってまだ春先から楽しみにしていたものを出しました。

右側の「水風船」、これは実は「土鈴」です。振ると独特のやわんとした音がします。
これを見つけたときは「夏はこれじゃ!」と即決定。
アップはこちら、柄もらしいでしょ。


         

 
ヨーヨーと言う呼び名は、本来のヨーヨーと同じように
「手元にもどってくる」ことから呼ぶようになったのだと思いますが、
ちょっと古い人だと「水風船」と言います。こちらの方が風情がありますね。
元々の二枚の円盤の間に紐がついたもの、実はヨーロッパでは紀元前からあったとか。
古いんですねぇ。今はハイパーヨーヨーだとかなんだとか、すごいのもあって…
といってもドコがすごいのか、わかんないんですが…
いろんな技もあって、大会なども開かれていますね。
私はどっちのヨーヨーもほんとにヘタです。

子供のころ、町の夏祭りには夜店がたくさん出ました。
もちろんヨーヨー釣りも特に楽しみのひとつでしたが、まず「釣れない」…。
一緒に行った父だったり母だったり、時には近所のおねえさんが、
「ほら、とってあげるから」と、泣きべその私に釣ってくれました。
やっと手に入れたそのひとつをポンポンとやってみるのだけれど、
これがまた毎度うまく続けられない…気の短い母が、毎年のように
「手ぇは動かさへんねん、たたいたらそこでそのまま待ってたら、
あがってきよる、それをまたたたくねん!」と、イライラして、
毎度最後は「かしてみ!」と取り上げる…。
いっつも「ぶきっちょな子ぉやわ、ホンマ」といわれてましたっけ。
ちゃんと続けてできるようになったのは、いつごろからでしたかねぇ。
お祭りも終わって、母に夏休みの宿題をせよと叱られて、
いやいや机に向かうと、窓から簾が見え、その簾越しにホウセンカやサルビアが見えて、
あちこちから「みぃ~~んみぃ~~ん」と、暑苦しいせみの声が聞こる。
隣のおばさんが、母に「ねぇトコロテン買って来たのよ、一緒にどぉ」なんて声かけてる。
ダラダラと夏休みのドリルを広げながらふと見ると、
机の片隅にすでにしぼんでシワシワになったヨーヨーが転がっていて…。
祭りの後のわびしさ、ですかねぇ、子供心にも「あぁいつまでも夏休みじゃないんだ」なんて
そんなことを思ったものです。クーラーも扇風機もない暮らしでしたが、
「夏の景色」のひとつとして、こんなことを思い出せるのもシアワセなのだと思います。


左の金魚はもう何年になりますか、香立てとしてみつけたもの。
おメメの真ん中の穴に、線香を立てますが…線香に金魚が釣られてるみたいに見えます。


          

       
お皿もついていましたが、これを金魚として飾るには小さいので、
お皿は息子が養護学校の実習で、ペタペタとたたいたらしいお皿にしました。
ほとんど先生の作だとは思いますが…。

最初はそのままおいたのですが、ちょっと「水」の感じがほしいなぁと…。
タダの水では見えないし、かといって折り紙の水色を切ったものでは平面的。
絵の具を溶かそうかと思いましたが、アレは水分蒸発するとこびりつきますしねぇ。
いろいろ考えて何を入れたか…ちょっとにごりは気になりますが、実は「柔軟剤」です。
たまたま今使っているものが青かったので、水を入れて薄めてみました。
思わぬ効果は「香り」です。いいにおいがします。ははは。
下の手ぬぐいは、サービスでいただいたもの、ちょうど金魚柄です。

金魚のお話しは過去に書いた気がします。(思い出さんかい!)
はいはい、ざっとした歴史は、中国では1500年とかそんな昔から飼われていました。
当時のものはフナの突然変異。養殖や品種改良が行われるようになったのもずっとあと。
日本に入ったのは室町ころと言われていますが、当然「お金持ちの道楽」。
しかも、日本でもちゃんとした飼育とか養殖とか品種改良などは行われませんでしたから、
結局そのまま一時期は廃れました。だって戦国時代ですしねぇ。
ゆったりと金魚を愛でるようになったのは江戸時代に入ってからですが、
それももちろん最初は裕福なものたちから…。

庶民が金魚を飼えるようになっても、ガラスの器で楽しむのは、
もう明治まであとちょっと…くらいのころからです。
ガラスの器はゼータクな逸品、庶民たちはみんな陶器の鉢や桶でしたから、
金魚って上から見るものだったんですね。着物の柄なども上からみた絵が多いし、
そのほうがかっこいいですね。横から見た目でかかれるのは、
大きな池や川にいる鯉や、流れを泳ぐ鮎、釣り上げられてお皿にのる鯛など…。
めだかなんかは、やはり上から見た動きのおもしろさの絵のほうが多いですね。
魚の柄も、そんなつもりで見てみるとおもしろいものです。

ガラスが庶民にも手軽なものになって「金魚玉」というものが作られました。
これは江戸風鈴の職人が考え出したもので、要するに風鈴のさかさま、
でもって「穴」はナシ。細い縄で吊るすものを編んだりして、
それに入れて運びました。大きさにも当然限度がありますから、
だいたい大きな風鈴といいますか、せいぜい一匹二匹でいっぱいいっぱい。
それを軒先につるしたりするわけですから、これがほんとの「きんぎょめーわく」…?!

それにしても…動物にしても植物にしても「品種改良」って、
長い時間と手間がかかるものです。遺伝の法則だの、優勢遺伝だのと、
今は学校で習いますし、バイオですか、遺伝子操作とかそんなことも行われますが、
何もわからない昔は、ひたすら「数を育てた経験」で、作り出すわけですよね。
よくまぁ熱心にやったものだと思います。

今朝の朝顔にも、真っ白さんが混じってました。
今は毎日5~6個ずつ咲いていますが、100個咲いたらそのうち白は何個でしょ。
半分紫は何個でしょ…これもちゃんと遺伝の法則にのっとっているのでしょうね。
自然を操作することは、いいことばかりではありませんが、
朝顔はとりあえず、楽しませていただくことに致します。

まだ梅雨の真っ盛りではありますが、なんだかいろいろありましたから、
ちょっと季節先取りの切り替えで、きっぱり元気を取り戻します!




コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 委任状を書く | トップ | 雨ゲタ »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2010-06-26 21:52:50
水風船、なんとも風情のある言い方ですね。
小さい頃からヨーヨーとしか言って
いませんでしたけど、水風船は和の感じが
伝わっていいですね。

季節のお飾りをする気になられて何よりです。
季節ごとのこんなしつらえを見ていると
ホッとします。
返信する
Unknown (りのりの)
2010-06-27 12:06:43
また暑い夏がやてきますね。
あ~あ・・・ですけど、ちょっとした飾りで
涼しげな雰囲気をかもしだしますね。

季節ごとのお飾り、心の余裕ですね。
私はこの時期、お気に入りの風鈴を飾ります。
チロチロと優しげな音がかわいくて。
夜、雨戸を閉めると当たってコンコンするので
毎晩しまって毎朝またつるくす、のが日課です。忘れることもありますけど・・・
返信する
手帳のシール (えみこ)
2010-06-27 14:13:16
来月から水風船です。毎日ひとつづつ貼っています。
今月はカエルさんでした。
再来月まで購入してあります。
のぞき込まれた方は「ぷ」とか、微笑んでくれるのが
ひそかな楽しみです。
おだいじに。
返信する
Unknown (くう)
2010-06-27 14:53:44
こんにちは~。「夏はこれじゃ!」と思い3つ大人買いですか?「土鈴」は大阪ではあまり見かけません。でも音が聞こえてきそうですよ。独特の音色ですもんね。柔らかいって感じでしょうか。いいなぁ 百貨店に行かない限り買えないし。寄り道して買いに行こうかな~~
それと金魚がいいじゃないですか!しかも考え抜いて柔軟剤!流石ですね。香りもいいし?笑
季節の材料を意識するのって心と時間に余裕が持てます。とっても良いことです。癒されます。私の金魚の思い出を書きますと、私には2歳違いの姉がいます。二人で「ままごと」をする事になり年功序列で姉が、お母さん役。私が子供役。私は草や土を田んぼまで取りに行き、姉はプラスチックの台所用品で食事を作ってくれます。田んぼから戻り土でおにぎりを作っていたら姉が何か部屋に取りに行き戻って来たら金魚を握り締めています。台所で母の手伝いをいつもしていた姉は魚のサバキ方を見よう見まねてするんです。それ以来、私は金魚すくいが出来なくて今も魚が触れません。そして時々、姉と逢うのですが今では大笑いしています。あくまでも私は被害者意識を捨てれません。笑
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-27 21:20:31
陽花様

祖母なども水風船…でしたね。
なんとも涼しげな呼び方ですよね。

やっと残っていた五月人形をしまって、
なんかキリがついた感じです。
まだまだ不安材料はいろいろありますが、
殺伐としないように、心のお休みも
大切にしたいと思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-27 21:23:20
りのりの様

風鈴も出しましたよ。
いつのころからか「風鈴」が公害のひとつ
なんていわれるようになって、
寂しい国になりましたね。

今ガラスのなので、南部鉄器のがほしいです。
澄んだ音色は、よほど風の強い日でもなければ、
うるさいとは思いませんけどねぇ。
難しい世の中です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-27 21:24:37
えみこ様

あら、かわいいですねぇ。
ほんの小さなことだけど、風鈴とかヨーヨーとか
金魚、蚊取り線香…夏の風物詩って
絵にしてもかわいいものばっかりですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-27 21:37:22
くう様

これ、みっつで一組なんです。
大きさを書きませんでしたねぇ、すみません。
一個のヨーヨーが、直径2センチくらいです。
これネットで買いました。
今見ましたが、すでに売れたみたいで…。
こんなの、ありましたよ。

http://www.netyokocho.jp/wazakka-kazeya/goods/natu44/

金魚…すんごい思い出ですねぇ。
そりゃトラウマになりますわ。
オットは金魚と熱帯魚が大好きなんですが、
若いころ、食事の最中に夫婦喧嘩になって、
おかずがちょうど白身魚のお刺身だったので、
「はい、貴方のかわいい金魚のさしみ」って
出したら、まったく食べられませんでした。
全部私が戴きましたっけ。わっはっは。
返信する
Unknown (くう)
2010-06-28 09:16:20
おはようございます。
早速、風屋さんを覗きました。
まぁ、いろんな土鈴があり、かえる・金魚共に触れない私にぴったり!!!

で、金魚の思いでは子供なりにカルチャーショックだったんです。今となったら母と台所に立っていた姉は、お利口さんやなぁって思えています。私は友達との遊びが大切で、大人になってから母から、わざわざ料理を教えてもらいました。しっかし三つ子の魂100までとは。。。。
ご主人は、とんぼさんの一言がトラウマにならずに大丈夫なのでしょうか?笑
さぁコーヒーも飲んだし仕事仕事!
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-28 18:43:40
くう様

かわいかったでしょ。
たらいに浮いてるのはいいけど、水部分が白くて、
なんか牛乳の中に浮いてるみたいだなーと。
内輪なんかもいいかなとか、
また欲出してみています。安いしね!
返信する

コメントを投稿

つれづれ」カテゴリの最新記事