BIG RED (ビッグ・レッド)は田舎の町アナハイムにある。
30代にLAに行ったときはアナハイム・エンゼルスと呼んでいたが、現在はLA・エンゼルスと呼ぶ。そう。『ビッグフライ!オオタニ サーン!』が所属するチームのことだ。
何故私はアナハイムに行ったのか…..それは私も妻も大好きな映画【ゴッドファーザー】が深くかかわってくるのである….
2018年の8月。妻の学研和田町教室の夏期講習の予定にあわせて私も休みを取る。飛行機のチケットからホテルまで全て私が予約するので毎年1月か2月には夏の休暇日を決める。この前年はドイツ見聞旅だったし、その前の3年間はヨーロッパで【世界街歩き】の取材の見聞旅をしていたので2017年の冬休みからはアメリカ見聞の旅になった。ニューヨーク、LA、ラスベガス。すべてショービズの中心地でもある。音楽・映画・メディアは偉大なるアメリカの巨大産業であるし、私も大いに楽しませてもらっている。
この2018年の夏のLAの旅は映画スタジオ巡りとマッスルビーチとベニスのゴールドジムに行くことがテーマであった。アナハイムスタジオはナイターだったのでリトルトーキョーのホテルにお迎えが来たのは17時をまわっていた。でだ…私はこの少し前まで疲労してベッドで死んでいた…「パパ パパ もう起きなよ…」ベッドで目を開けると妻がすこしシラケた顔で座っていた。「あ。大谷くん観にいく時間だ。ゴメン ゴメン」と冷蔵庫に冷やしていたアメリカ製のエネジードリンクを飲みながら今日の日を振り返っていた….
この日は朝からパラマウントスタジオに行くので私はルンルンしていた。地図をガン見して妻にいいところを見せようとLAの電車や地下鉄や映画スタジオの地図を頭にたたきこんだ。LAに来て二日目に悟ったことはLAはタクシーがまったく拾えないということだった。前回LAに来たのは20年位前だったで様変わりしているダウンタウンの様子も新鮮だった。リトルトーキョーのアムトラックの駅からユニオン駅までは遠くない。ターミナル駅なのでアムトラック、メトロリンク、メトロレールが乗り入れている。ユニオン駅で撮影した有名な映画は【レインマン】である。
パラマウントスタジオの最寄りの駅で下車する前に妻が下痢らしく小さな駅で降りた。メトロは地上に上がるまで時間がかかる。妻の顔は真っ青だ。スコーンの店に入ると妻の形相を見てそれを悟った黒人の若い女性店員が「トイレ?OK!」とトイレの番号のメモをくれた。親切な人は地球上たくさんいるものだ。妻の長いトイレタイムの間、店員さんに御礼を述べアイスティーをオーダーし呑んでいると、トイレだけ借りにきた人にその店員さんは「NO!」と言い店から追い出した。トイレから出てきた妻に「大丈夫?次の駅おりたらパラマントスタジオだからね」「駅から近いの?」「うん。地図では近いみたい」。私の頭の中には昨夜たたきこんだ駅からパラマウントスタジオのイメージが何回も浮かんでいた。
自信満々おりたった最寄りの駅から歩いていく前に地元のお兄さんに「すみません。パラマウントはこっちの方向ですよね?」と聞くと「え?そうですが、すごく遠く歩いていくのは厳しいですよ」と心配されてしまった….結局タクシーで行くことになるのだが全くタクシーが走っていないのである。予定が狂った私は焦りとジリジリ照るLAの太陽で汗が吹き出しすぎて軽い脱水症状になっていった….この段階で個人タクシー配車サービスのUber(ウーバー)やLyft(リフト)の存在を知らなかったのだった….やっとの思いでタクシーに乗り中国系のおじさんの運転手がパラマウントスタジオもにおろしてくれるのに10分はかかった。私の脱水症状はかなり進んでいて体力も気力も無くなっていた……運転手さんが遠い場所に停めたので、またもや、たくさん歩き受付に行くと、夕方まで満員で入場できないと言われ…予約制だったこともその時知ったのだった….
夫である私の精神と脱水の疲労を察した本来リーダーシップのある妻はスタジオの管理人室に行き翻訳アプリを駆使してタクシーを手配した。この翌年の5月パリでも妻はグーグルマップを駆使して道に迷っている私にピカソ美術館を見事に案内してくれた。パリのホテルでも翻訳アプリを駆使して会話で盛り上がっていた….私はいまだにSNSをやっていない。興味もない。だから映画や音楽は詳しくてもLAのUberも知らなかった。ホテルでいつも地図をガン見して覚えるのは備えとしては善いが得策ではないと今は理解している。妻は毎月のように行く銀座や都内の道もいまだに覚えない。私はソウルやイギリスや、パリ、ニューヨークで地図を見ないで歩ける。でも妻はハイテクを駆使して結果を出す。性格が良いので私をバカにしない。そんな私と妻の珍道中見聞の旅はいつも凄く楽しいのである。
明日Amazonがこの映画を届けてくれる。タイトルは【ゴッドファーザー マイケル・コルレオーネの最期】
CODAとは最終章の意味である。コッポラ監督が自ら再編集して7分長くなり、オープニングも全く【ゴッドファーザー パート3】と異なるそうだ。主演のアル・パチーノ曰く『やっと バチっとはまった』だそうな。これはヤバい。失敗作と酷評されたパート3が新作として観れるのである。私はこの作品は嫌いではない。アメリカの政治と宗教界の裏が見えて面白いし、役者陣は素晴らしい。少なくとも同じコッポラ作品の【地獄の黙示録】の上映版よりは数倍評価している。
そしてついにパラマウントスタジオの最高傑作絵巻【ゴッドファーザー】の制作裏話が映画化される。コッポラ監督役をオスカー・アイザック(駄作【スター・ウォーズ エピソード7・8・9】の主要メンバー)が演じる。監督は【レインマン】のバリー・レヴィンソン。これは期待できる。フランシスフォード・コッポラ監督が公認しているそうだ。当時不遇でヒットの無いパラマウント映画に天文学的なヒットと世界中の映画賞をもたらした【ゴッドファーザー】と【ゴッドファーザー パート2】の今では信じられない裏話が描かれるらしい。当時のパラマウントはマーロン・ブランドやアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロの出演を反対していたらしい。しかもあの血だらけの馬の首はシーンは本物の馬だったとか…..
結局この2018年8月にパラマウント・スタジオには入場できなかったが二日後に車とチケットを手配してワーナー・スタジオに行った。なんと帰りのお迎えはリンカーン・コンチネンタルのロングでリムジンのようだった….クリストファー・ノーラン監督の【ダークナイト】のバッド・モービルに乗りカーチェイスのCG合成撮影もこなした。この話はまた後日書かせていただく。ビッグ・レッドでメジャーリーグを体験した妻はミーハー黒帯有段者ぶりを発揮してファンでもないのにその夜だけはエンゼルスファンで大谷ファンになっていた。次の日サンタモニカに着き買い物を始めるとエンゼルスのことはすっかり忘れ、エンゼルス・ショップでたくさん買った大谷さんグッズは全て娘にプレゼントしていた。私は記念にとってあるが….着てはいない。
私は娘たちとLAドジャース・スタジアムで野茂英雄の完封試合を観たことがある。今から25年くらい前の話しだ。その時、娘たちを【ダイブ】というシュワちゃん、スタローン、スプルバーグ監督の共同出費のレストランに連れて行った。行く途中タクシーの運転手さんとずっと会話して【ホテル・カリフォルニア】の前も通過してもらった。【ダイブ】は、サメの水槽があるレストランだったがとっくに閉店していた。ショービズの世界は流れが速い。コロナが明けたら行きたい場所が世界中にある。LAも時間があるなら毎年行きたいし、住んでもいい。パリもロンドンもニューヨークも住んでみたい。
昨夜、還暦になってから久々にベンチプレス100キロにトライした。肘を壊してからは高重量を持つのを控えていた。この2018年の8月ベニスビーチのマッスル・ビーチで頭を下げて行うベンチプレス(デクラインプレス)で100キロ持ち上げようとすると、ギャラリーがたくさん見ているので無理をして10レップ持ち上げてからずっと肘痛だったのだ。昨夜は100キロを4回挙げた。片手で持つインクライン・ダンベル・プレスも32キロを10レップ出来た。私はベンチプレス150キロを目標にしている。次にLAに行くならマッスル・ビーチで130キロ以上を持ち上げたい。もうじき61歳になる。日本の60歳代のパワーをアメリカに刻みたいものだ。
明日の夜【ゴッドファーザー マイケル・コルレオーネの最期】を妻と観るのが楽しみである。明日は弊社 巴座ホームアンドピクチャー株式会社【ともえ座のいえ】のブランド【カリフォルニアリフォーム】の平屋の傑作【サンライズ】を新規のアメリカ大好きな若いお客様を連れてご案内する。完成前のハワイの平屋【Ayumi Aloha】も見学する。【サンライズ】はLAのビーチの家をイメージして設計・デザインした。ジャクソン・ブラウンの曲でイーグルスの代表曲の【テイク・イット・イージー】が似合う家だ『気楽にいこうぜ』まさにそんな家で、住んでいるAさんもとても太陽のように明るい人だ。LAは笑顔と太陽が似合うロックな町で映画の街だ。
私はこれからも世界を旅して、この日本にその見聞で学んだ映画のような家をたくさん作っていきたいと考えている。
皆さま どうかよろしくお願いいたします。
LA アイル・ビー・バック!!
【ゴッドファーザー】を撮った街で 完
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