拓庵思考~妻との日々・映画と音楽の毎日

巴座ホーム社長の私的なつづれ織り【妻にだけ弾くギタリスト 猫6人の父になる】

『25』と『君をのせて』と『下町ロケット』

2015-10-27 20:17:51 | 日記・エッセイ・コラム

私のドライブにかかせないADELEの新譜『25』がもうじき聴ける。

新曲『HELLO』のPVから母としても、成功した女性としても磨きがかかった姿を確認できる。『HELLO』~ハロー...ADELEはマイナー・コードの旋律にこざっぱりとしたタイトルをつける。私はこの『HELLO』を聴いてみて『25』に寄せる期待を抑えることにした....なんとなく勘であるのだが....ADELEの2011年の怪物アルバム『21』を超える傑作は簡単には造れないと思う....『21』は傑作すぎる....ユーミンなら『ミスリム』。キャロル・キングなら『つづれおり』.....怪物アルバムは世に放たれるとそのアーティストの未来の作品に影を落とす傾向にあると思う.....

ADELEデビューアルバムにして傑作の『19』。そして007のテーマソング『スカイ・フォール』。我が家のふたつあるウォークマンにはADELEの楽曲が全て入っている。妻の良く乗るプログレと私のアウトバックのウォークマンの曲はなるべく統一するようにしている。妻はJUJUやミスチルが好きで私はロックやフュージョンやジャズが好きなのでシャッフルさせると散らかり放題の部屋のようなので最近思い切ってJポップ中心に整理してみた。山弦の5枚のアルバムは抜粋して入れて洋楽は数名しか残していないがADELEだけは全て入れてある。

定期的にウォークマン内の入れ替えをしているが、フォルダーをつくり、その日の気分で20曲前後選曲して妻の耳にもやさしいセレクトをしてからドライブするようにしている。日によっては全曲シャッフルを楽しんでいるが妻とシャッフルの選曲で「お~ッ!!これ来たぁ~!!」と盛り上がっている。そんな中でたまに懐かしい歌謡曲の名曲を盛り込むと これまた盛り上がる.....

そんな中で私なりに日本の名曲を考えてみた時....沢田研二~ジュリーのソロデビュー曲の『君をのせて』を聴きたいと思った。『君をのせて』はどのサイトからもダウンロードできない。TSUTAYAで2009年発売の『沢田研二A面コレクション』の中にあることを調べで借りた。 妻にこの名曲『君をのせて』を聴かせたのは妻の仕事が終わった夜10時過ぎだった....何回も聴いた.....妻は空腹なのに、この曲があまりに素晴らしいので埼玉県深谷市のやよい軒までの距離を夕飯をがまんして『君をのせて』に聴きほれていた...

この名曲は私のような沢田研二のファンでなくとも好きな方は多いはずだ。昨年のフジテレビの『最高の離婚』で瑛太が劇中のカラオケのシーンで見事なまでの歌唱力で『君をのせて』を披露している。沢田研二はこの『君をのせて』が自身二番目に嫌いな曲と語っていたがここ数年のライブで披露している。60歳をすぎても沢田研二の声は素晴らしい....この曲は傑作だが沢田研二以外のアーティストがカバーすることはやめたほうがいいと思う。それくらい沢田研二の歌声による『君をのせて』は素晴らしい.....

リアルタイムで聴きたいものや観たいものがあるときはワクワクする。TBSの『下町ロケット』は私的には『半沢直樹』よりも面白い。今年の秋のドラマはどれも面白い。『コウノドリ』『無痛』『偽装の夫婦』『さむらい先生』....『相棒』の新シリーズも中々の面白さだ。我が家ではHDDにいれて夜中に妻とゆっくり鑑賞するのだが『下町ロケット』だけはリアルタイムで観たい。

ADELEの『25』....やはり期待しようかな....彼女のロイヤル・アルバート・ホールでのライブ映像を観ていたらワクワクしてきてしまった....1年前このブログでロンドンでロイヤル・アルバート・ホールに訪問したときの事をつづった....あれから1年経ったのか....11月初頭にホンダ ステップワゴンの新型のミント色が納車になる。エルグランドとボクシーはお疲れ様になる・・・・ステップワゴンは孫たちやお客様をのせる車両になるが...ADELE『25』は一番最初にSDに入れることにしよう....

ADELE~アデルの顔がお母さんになったようだ・・・・離婚した長女の顔もたくましい母の顔になった....


ご祝儀袋

2015-10-13 14:28:55 | 日記・エッセイ・コラム

息子のライブを観た。

神田神保町にある吉本興業の小さいホール神保町花月は135人収容できる。私と妻は最後部の真ん中に開演時刻ちょうどに席についた。上演の時刻には、9割方は席が埋まっていた.....と、いきなり音楽が流れだしMCの女性芸人コンビのキスが流暢な幕開けを告げた。テレビでは観たことがない関西弁の女性のコンビのトークMCが子気味良い。面白いので何回も笑った....私は少し緊張していたようで....このMCのコンビのおかげで少しリラックスできた。

息子たちの紹介は単独ではなく、まとめて紹介された。息子たちの持ち時間は2分。7番目の息子のコンビのステージが近づくにつれ私はドキドキしてきた....6番目のコンビが終わり舞台が暗転した。暗転があけるとネイティブ・インディアンに紛した上半身裸の息子と、アメリカ・インディアンをイメージした布を巻いた息子の相方が手製の長槍(やり)を持ち座っていた。二人ともシャーマンのようなメイクをしている。

明るい照明の下で紫外線を浴びたことがない真っ白の息子の肌が、こっけいに映った。太ってもいないのに数年まったく鍛えていないので少し腹が出て、胸筋や腹筋、肩や腕の筋肉がまるでない肉体が笑えた....相方の子は眼光するどく。胸まで届く長い黒髪はウェーブが強く、布から出ている腕も日に焼けてたくましい。....ネタ自体はアフリカのインディアンをテーマにしていいるのだが恰好はアメリカのインディアンで....まぁ、観ている客も気が付いてはいないのだろうが....あっという間の2分が終わり舞台が暗転した....

ネタが終わり再びステージの上に立ちMCの女性コンビとの掛け合いトークの中で息子は『今日は知り合いがたくさんいて緊張して噛みまくりました』と『親が来ていまして』とは言わなかった。あっという間に終演時間になった。息子の友人もたくさん来ていたが、私はしばらく誰とも話しをしたくない心境になり、そそくさと神保町花月を出ると秋空は晴天で明るい太陽が自分以外の人たちを照らしている気持ちになった....私は日陰を探して三省堂書店の中をゆっくりと歩いた....気になる本がたくさんあったが手に取る気もしなかった....三省堂から吉本花月の入り口が良く見える...何回も来ている神田の三省堂だが、こんなに近くに吉本花月があることは知らなかった....劇場前にいる妻は出待ちの観客に交じって息子を待っている。

ゆっくりと妻に近づいていくと息子を想う母の顔になっていた.....妻は色々な表情をする。幼い少女のような顔にもなるし、勉強を教える先生の顔にもなる。妻のバッグにはご祝儀袋が入っていた。息子のために祝儀袋を買ってきて丁寧に筆字で『お祝い』と書いていた。中身の金額はあえて聞いてはいない。息子を想う妻の気持ちは深いはずだ.....息子を出待ちしている息子の友達や知人と御飯でも食べてほしいと思い、息子にお祝い袋を渡すために長い時間待っている妻の行動は実に妻らしい。

『わざわざ遠くからありがとうございます』と息子の友達たちに頭を下げられる妻は自然体である。私は息子の友達に頭を下げる気にはならない。さすがに仲の良い夫婦でもこの辺は考えが違うのである。だから一緒に子供たちの学校関係に行くのはいやだった。妻は明るく腰も低い。そして誰にでも優しい。私も明るいが腰は低くないし嫌いな人間は無視するどころかやっつけたい。妻は子供にでも孫にでも献身的だ...先日も妻は孫たちの保育園の運動会に張り切って観に行った。私は送り迎えまでならするが園内に入ってまで孫たちを観たいとは思わない。

吉本花月から私が出てから大分時間が経った...もう劇場の前には誰もいない....さすがに妻もあきらめた。『吉本って厳しいんだね....先輩芸人がでてくると後輩芸人がすごい大声で挨拶して先輩の前を通らないようにして出ていってるよ』....体育会でなかった妻は上下関係を経験したことがないから珍しいのだろう....私は大学体育会時代は泣く子もだまる少林寺拳法部だったので帝国陸軍のような上下関係は躰にしみついている....『少し歩こうか...』私と妻は神田神保町や御茶ノ水の楽器店やスポーツ店のある界隈をゆっくりと歩いた。『おなか空かないの?』妻から問いかけられたが....朝食から随分時間がたっているのに不思議とおなかが空かないのである...私も妻も緊張とある種の感激でおなかが満たされていたようだ.....

実は前日から東京入りして息子の舞台を観に行っていた。銀座8丁目にあるホテルから神保町花月まで行く車の中でだんだんワクワクしている自分の気持ちが席についてしばらくしてから緊張にかわっていった....そして神保町を後にする車の首都高速の中で感激に近いような波が静かにこみあげてきた....帰路の途中 川越いちのやで妻の好物のひつまぶしを食べによった。いちのやの席に着くや私は息子に長いLINEを書いた.....感激した気持ちや簡単な感想と...それと....

『ママがお前に立派なご祝儀袋を用意して、お前たち二人が出てくるのをいつまでも待っていました。友達が帰っても待っていたい様子だったけど、さすがにあきらめて帰路に着きました。お前には素晴らしい母親と素晴らしい友達がいる。今日は、とても良い日になりました。お疲れ様。』......しばらくすると息子から妻に電話があり待っていてくれたことへの感謝や実は親がくるので緊張してしまいいつもの力が出せなかったことなどを報告しいていた.....息子と話す妻は幸せそうだった....息子にはしばらく会っていなかった....

夜遅く息子から私に長いLINEが届いた。長い内容の中に『緊張して失敗してしまいました。 親には素晴らしいものを見せたかった。』と...実力を発揮できなかった後悔の念がつづられていた....息子も緊張していたのだ....演じる息子も観ている親も緊張していたとはなんともおもはゆいではないか....息子は更なる精進と努力することを誓ったうえで、また観にきてほしいと締めくくっていたが.....また時間がたったら劇場に足を運ぶつもりだ....今度は私もリラックスして楽しみたいものだ.....

芸人の息子の親として観る『キング・オブ・コント2015』は複雑な感情で観た。こんな気持ちになったのは初めてである。

私も妻も芸人の親になったのかな.....

 

 


それでも行きたい...花の都

2015-10-02 19:34:51 | 日記・エッセイ・コラム

サウナより暑いケーブルカーに乗ってモンマルトルの丘の頂上についた。サクレ・クール寺院からパリの街が一望できる。不思議と函館の公会堂あたりから眺める景色と雰囲気は似ていると感じた。夏の暑さで体臭がきつい外国人が多い...といって私も相当な汗まみれで...デオドラントやフェイス・シートはまめに使っていた....

多くの芸術家に愛された高台の街は観光客でごったがえしている。白い石畳のコルト道りの中腹には音楽家のエリック・サティの旧家があり、さらに下っていくと絵画の巨匠たちに縁のある店が並ぶ。坂道の角度なども函館の西部地区や元町界隈の雰囲気に近い。妻も同様に感じたようで『なんか...函館みたいね』と疲れきった顔で話す。妻は坂道が苦手だ....モンマルトル地区のアップダウンは心臓が弱い人にはきつい。だがこの街はいい。今度は丸一日散策したい。最高の芸術の街でもある。

パリの北に位置するこの地区は細い路地の隅々まで散策したくなる。先日テレビ番組で俳優の向井理くんが『パリの撮影の自由時間にモンマルトルに朝から夜まで居ました』と話していた。映画『アメリ』に出てくるレ・ドゥ・ムーランというカフェがある街でもある。地下鉄に乗ってホテルに帰るときは疲れきっていてさすがに座席にへたりこんでしまった....二時間ほど休憩してシャワーを浴びて、ちょっとだけオシャレをして夜のレストランに行くのだが...これがなんとも楽しい....美味しい食事とホテルに帰る時の夜のパリの景色が...たまらなく美しかった...

帰国する飛行機に乗る直前までパリ散策を楽しんだ。マレ地区のカフェでサンドウィッチを食べてルーブル美術館方面からセーヌ川を渡りサン・ジェルマン・デ・プレ地区まで歩き、『アメリ』の映画にも出てくるが、フランスではカフェの定番なクリーム・ブリュレをいただいた。山手線でいったら相当な駅の数を歩き回った後なので甘さもなんの...けっこう食べれた。フランスのお菓子はどれもこれも美味しい。日本にいるとそんなにデザートは食べないのだがフランスのお菓子は、たまらない....次回はさらに研究してパリのお菓子の食べ歩きを企画したい。

ミシュラン・ガイドの星付きレストランのラ・グラン・カスケイドのミルフィーユとマカロンも絶品だった。写真のエクレアはFAUCHON(フォション)の二階のレストランで出たものだが抜群だった。ジャムや紅茶で有名なFAUCHONのレストランの料理も相当に美味しい。私にはミシュラン・ガイドの星付きレストランよりも肩肘がはっていなくて楽しめる。

パリもフランス郊外もよく歩き、よく食べた。かなりランクの上のレストランばかりで食事したので毎回ほっぺたが落ちた....来年は南フランスの田舎や海辺を旅したいと思う...パリやイギリスには毎年行きたいと思う。住みたいとは思わないが、ちょこちょこ行きたい....

私は美しい海辺でお酒を呑みボ~ッとするというバカンスより、ひたすら足で歩き街並みや建物を堪能するのが好きだ...現地での食事も楽しい。日本人の口に合わないものがあっても、まあ...いいかと思う。イギリスの食事はあまり美味しくないが、嫌いでもない。私も妻も根性がないのか必ず帰国前に中華を食べる....でもソウルにいても結局は日本食が恋しくなる。

パリからの帰り、羽田空港を出て、まずしたことはセブン・カフェでアイス・コーヒーとサントリーのウーロン茶を買った....やはり私も妻も日本の普通の庶民なのだと実感する....

花の都の写真や動画を編集してみたが6時間弱になったのでブルー・レイで5枚にわけて再生している。4Kで再生する写真や動画は圧巻で旅の感動がよみがえる.....それにしても女性はトイレの便座が無いとか....汚いとか....その点は慣れたくはないだろう....私はホテル以外では大便はしないように自己暗示をかけた....

美しい街並みや風景とひきかえに....きついトイレ事情.....

が...しかし.....それでも生きたい花の都