拓庵思考~妻との日々・映画と音楽の毎日

巴座ホーム社長の私的なつづれ織り【妻にだけ弾くギタリスト 猫6人の父になる】

はんなり~素敵な京ことば

2014-01-31 18:15:37 | 日記・エッセイ・コラム

Dsc06608ふたりめの孫が生まれた。

名前は【絆南~はんな】
京ことばの『はんなり』からインスパイアされたそうである。語源は【花なり】とか【花あり】だと認識しているが意味自体は大変に高貴なのもで上品で美しい・たいへん明るい....などである。

『次女の懐妊~祇園の恋』のタイトルで昨年6月にこのブログで紹介したこともあり、【都~みやこ】という仮の名前で呼んでいたが実際に京都にちなんだ名前の命名とあいなった。

写真は昨年の夏8月14日の京都の清水坂の少し下の通りだ。切妻の瓦の屋根と下屋が銀色で杉板の外壁が京都らしい。この日の宿の京都国際ホテルからタクシーでこの写真の建物の前で下車して京都散策がはじまった。暑い日だった。

半日は歩いたろうか....盛夏の京都は日没後も暑い。烏丸御池の新風館で夕食をとっている妻の顔は疲労困憊の色がありありと浮かびあがっていて....暑い中少し歩きすぎたようだ....妻には長生きしてほしいので具合の悪い顔を見るとすごく心配になる.....

孫は目の中に入れても痛くないなどというが、私は孫より妻が一番大事だ。順番をつけるなら妻が一番大切で、次は自分であるといいたいのだが、私も歳をとったのか子供たちがかわいいと思うようになってきた。

大きくなって親にもなった娘たちは立派そのもので面白い人間になったと思う。私は三人の子供に恵まれた。みな素晴らしい大人に成長した。これは彼らの努力である。明るい性格は我が家の家風というより妻の性格に帰依している。

妻こそ【はんなりした】女性である。

さておき昨日誕生した孫の顔を見て京ことばで表現すると【ほっこり】した気分である。

【おいでやす】そして【おおきに】


播磨灘物語と路地裏のポルノ映画館

2014-01-09 18:38:48 | 日記・エッセイ・コラム

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汐留の共同通信社ビルと一つ屋根の下のホテルから銀座4丁目までは遠くはない。

摩天楼の合間をぬうようにして建っている赤の鳥居が眩い日比谷神社で初詣をして排気ガスの少ない新橋を抜けると、もう妻と私の大好きな銀座に到着する。

正月なので通りには日の丸がたなびく。和光デパートの隣の木村屋のビルのあんぱんまでが日の丸に見える日本の歳の始まりだ。妻のお気に入りの小物ブランドは有楽町にある。ごったがえすフロアの暖房が汐留から歩いている私には耐えられなくて向かいの三省堂が入っているビルに避難した.....目につくのは『軍師 官兵衛』の岡田准一くんのかっこよすぎるNHK大河ドラマのポスターと関連書籍である。何冊か目を通したがしっくりこない。結局は美しい夜の銀座4丁目で司馬遼太郎の『播磨灘物語』の一巻を購入した。全4巻からなるが司馬遼太郎の作品群の中では中堅の長さか.....『世に棲む日々』はやはり4巻だったが読むのに時間がかかった。函館ゆかりの高田屋嘉兵衛を描いた傑作『菜の花の沖』の6巻はあっという間に読破した。『播磨灘物語』の司馬遼太郎の黒田官兵衛観が好きな私はNHK大河ドラマの一回目の放送を見て脚本に違和感があった。司法書士のI先生も司馬ファンなので私と同じような意見であった。NHK大河ドラマはその年の脚本家で雲泥の差が出る。期待しているだけに初回放送はちょっとがっかりした.. 

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汐留のホテルで夜更かしをして読書をしていたので翌日はすっかり寝坊してしまった。ブランチを済ませてチェックアウトの前に浜離宮に散歩に出かけた。摩天楼を望む江戸時代の庭はもう春の予感がした。このすぐそばにある築地卸売市場は私の大学時代の冬の思い出がつまっている。叔父の営む乾物屋で大学1年の冬休みから大晦日まで4年間働いた。私はとにかくよく売った。数の子や荒巻き鮭、酢だこ....売って売ってうりまくり京橋の郵便局に毎日地方発送しに行く。歌舞伎座を毎日眺め、築地本願寺の前を毎日走りまわっていた。仕事が終わり地下鉄に乗って川越の霞が関まで帰る間『自分が魚臭くないだろうか...』と気になった....はじめてエリック・クラプトンの武道館コンサートに行った日も魚臭いCPOジャケットが気になり....とてもいやだった。

浜離宮の次は皇居周辺でさらに江戸時代を感じながら神楽坂に向った。黄色いプログレを見かけた2013年末の神楽坂....うれしいことに神楽坂下から新潮社を下るとその黄色いプログレが止まっている家がある。その日、神楽坂には希少な黄色いプログレが二台遭遇した....
お神楽が流れる坂道でお茶をして『甘味処 紀の善』の鳥釜飯とあんみつを食べにいったがかなりの行列なのであきらめた。

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せっかく来たのでお気にいりの路地裏のポルノ映画館の前を通った。私の期待を裏切らないポルノの世界。私は官能小説は読まない。が、少年時代から日活ロマンポルノのポスターを穴があくほど見てきた。大好きというか..大好物である。脳がこんなに刺激されるものはなかなかない。昔風の化粧もいい。私が妻のことを大好きな理由のひとつに日活ロマンポルノの女優のような風情があるからだと思う....私はスッピンな女性は好まない。そして知性を感じない女性も好まない。昔のポルノ女優には日本的な美と清楚感がある。

ポルノ映画を観に行ったのは大学時代に1度だけである。正直アダルトビデオもレンタルでは観たことがない。単純に恥ずかしいのである。文学の部類にジャンルするポルノ小説も多々ある。中学の時であった...エルコレ・パッティイの『しのび逢い』の読書感想文を書いた。先生たちは本編の内容を知らないのだが中身は完全なるポルノであった。私はタイトルで選んで購入したのだが購入先は中学校の図書館だった。官能小説と文学作品も国境とはなんだろう....『しのび逢い』は新潮文庫の海外文学である。司馬遼太郎の作品も『龍馬がゆく』でもさらっと格調高い色事の描写もある。

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文学とは想像の世界が同居している。ポルノ映画のポスターの前で作品を空想していた少年のまま私は歳をとった。『播磨灘物語』の次は何を読むのかまだ考えてはいない。

いずれにしても高校以来訪れていない姫路城と黒田如水ゆかりの九州の町を歩いてみたい。そして今年は昔の日活ロマンポルノ映画を鑑賞したい。私の少年時代の想像がはたしてどんなものだったのかを覗いてみたい。

2014年もきっと素晴らしい一年だろうと思う。