拓庵思考~妻との日々・映画と音楽の毎日

巴座ホーム社長の私的なつづれ織り【妻にだけ弾くギタリスト 猫6人の父になる】

妻の誕生日

2012-08-30 16:16:29 | 日記・エッセイ・コラム

043妻が50歳になった。

はじめて妻を見たのは大学のキャンパスだった。

背筋をまっすぐにして綺麗に歩く姿は今もかわらない。30年間妻を見ているが一日もファッションに手抜きをしたところをみたことがない。

性格も明るく前向きな妻は人から好かれる。妻は学研の先生だが生徒にも生徒の親にも好かれている。妻のgooブログの『学研和田町教室ブログ』は面白い。私も楽しみにして読んでいる。

【おたんじょうび おめでとう ママ】と書かれたプレートは長女夫婦の贈り物のケーキの上に飾られていた。ろうそくに火を灯すと妻がいつものように微笑んでいた。私はプレゼントを用意してはいなかった。いつも『来年のママの誕生日は豪華にしよう...』と思う...いつもということはずっと妻に豪華な誕生日をしてあげられていないということだが....

005妻の誕生日の翌日の朝。私は妻にいろいろ感謝の言葉をつたえたくなった。「出かけない?」「どこに?」私たちの車は那須に向かっていた。いつも通り慣れている道の景色が違って見えた....
高原のイタリアンがおいしいレストランに向かう車窓からは大谷石の蔵がぽつぽつと見えた。

昨年の夏にも訪れたこの那須塩原のイタリアンレストランはジョイア・ミーアという。夏しか来たことがないのだが四季を通してすてきなレストランであることは約束できる。

パスタやサラダはとてもおいしくピザも人気なようだ...「今度は、みんなで来ようか?」「そうだね」

妻と生きた30年間。あっという間だった...妻は素晴らしい妻であり、素晴らしい母親であり私の母や姉からもたいへん可愛がられている。私と結婚してから妻の母と父が次々と病気で亡くなっている...何不自由なく育った妻はある日ひとりになってしまった...妻は一人っ子なので血をわけた子供たちだけが家族でもあるのだが、良い行いをしている妻にはたくさんの友人や仲間がいる。妻は誰からも好かれる人間だ...将来、私が先立つことがあってもさびしい老後ではないと思う...

帰りにふたりで『アベンジャーズ』を観た。「ご夫婦で、どちらかが50歳越えていればお二人で2000円です」妻がついに50歳になったことを実感した瞬間でもあった。映画館でふたりで映画を観たのは10年振りだった。私はどうしても観たい封切り映画は一人で観にいっていた。私は『アベンジャヤーズ』の本編よりも妻と映画館にいるという事実が嬉しくて映画はどうでもよかった...ちなみに『アベンジャーズ2』は2015年5月にアメリカ公開が決まっている。2015年か...また妻と2000円で観ることにしよう...

そういえば妻への感謝の言葉は伝えなかった.....来年の妻の誕生日が楽しみだ


不思議な夢

2012-08-23 23:33:17 | 日記・エッセイ・コラム

へびの夢を見た。

窓からばさっと入ってくる夢だった。色は白っぽくて目は黒く...はっきり私を見ている。夢の中の私は怖くて部屋の外に逃げ出すのだが...夢の中のへびはすごい力でドアを押してくる...というところで夢は終わった。

あくる日、なぜか北東の方角に行きたくて車を走らせた。お盆休みの後半の日本ロマンチック街道は少しだけ混んでいた。白沢村(現在は沼田市白沢町)の野菜直売所の『焼とうもろこし』の看板を見つけてUターンをした。「とうもろこしを2本下さい」「お茶でもどうぞ」......トマトのほかにプラムを購入して冷たいキュウリをいただきながらトウモロコシが焼きあがるのを待っていた....驚いた...昨日の夢に出てきたへびにそっくりな大きさの【蛇の抜け殻】が額に飾られているではないか....「うわッ...昨日みた蛇だ!」と私。「あら。だんなさん。お金がたくさんはいってくる前兆だっていうわよ。抜け殻もこんな大きいの珍しいし、お金が入ってくるっていうから飾っているんだわ」と店のおばさんたち....店の中では店のお孫さんが冷たいプラムをおいしそうに頬張っている。

亡くなった父は蛇の掛け軸を竜神様といって祀っていた。今は私が管理?している。私が生まれる前から祀られていて黒い大蛇が二体と白い蛇。ひとふで書きの掛け軸だ。その掛け軸にまつわる話もある。嫁いだ娘たちが幼いころの実話なのだが...娘たちはその掛け軸の存在を気味悪がっていた。そんなある日近くのお寺の前を散歩で通りかかったとき「あっ!!竜神様だ!」娘が叫んだ...なんと私たちの目の前に掛け軸と同じ大きさの白い蛇がゆっくりとベロを出しながら移動していた。私が合掌すると娘たちも必死に小さい手を合わせていた。

それから数日後、実家の函館に帰省して姉にその話しをした。「北海道に、蛇なんていないよね見たことないもの」...と、その二日後にまたしても驚くことになる。函館空港の近くの戸井町の浜辺で磯遊びをしていた帰りに私と姉と姪と妻の前に大きな黒い蛇が現れて大きなベロを出しゆっくりと消えていった。姪がやはり必死に手を合わせていた....

我が家の掛け軸の竜神様という名の掛け軸の蛇はどれもベロを出している....申し訳ないが今では私も持て余していてお供えもしてはいないし、手も合わせてはいない。

ちなみにあれから数日たったが...大金も入っていない....


しあわせの色

2012-08-21 14:41:33 | 日記・エッセイ・コラム

039この入り江を『秘密のプライベートビーチ』と名付けたのは二年前の夏だった。

監視員もいない小さな砂浜で水着で潜水気分をひたるに充分なビーチである。古い壊滅的なトイレがあるが使う気にもなれないし使ったこともない...正式名称は西海水浴場と呼ぶらしい。鯨波と笠島の間くらいに位置している。こどもたちが小さいころは必ず海水浴には行った。

034嫁いだ長女がお盆休みで来るという...嫁いだばかりの次女夫婦でも誘って海辺の水族館にでも行こうか...結局、妻と長女と六日町IC 十日町経由で柏崎に来た。秘密のビーチには入れ墨のはいったヤクザ家族も団体で来ていた。やはり人目をはばかるとこのビーチは穴場だったのか...

水着は着ないで約1時間の磯遊びを楽しんだ。楽しかった。私は蟹やフナムシを簡単にとる特技があるので長女と盛り上がった....夏の陽射しはまばゆく妻と長女の白い肌が眩しかった。

海辺は美しく輝いていた。長女も妻も嬉しそうだった。こどもたちが小さい頃ワンボックスの車に乗っていた。それはそれは毎回乗車のたびに子供たちは大はしゃぎだったけな....と、昔を思い出してみた.....『よし。買おう』私は決意した。ちょうど21万キロものった我が家のミニバンも寿命だし...『ワンボックスを買うぞ!!』妻にはすぐには話さないつもりだ....『はやく二人乗りのかっこいい車に乗りたい』と豪語していたからだ....『子離れしている父です』なんていつも人前で言ってしまっているし....だが、まわりからは『孫ができたらマイクロバスでも買いそう』と言われている。私は相当に子煩悩に見えるようだ...【愛妻家で子煩悩】...結局、私はふつうの男性なのである...

074帰りに寄った、じょんのび村のつり橋の前で写真を撮る長女の姿が小学生時代の長女に見えた...よく長女と次女とワンボックスカーで探検をしに出かけた...ふたりはいつも幸せそうだった。しあわせの色でそまっていたワンボックスの車内に娘たちの声が響く...顔が光っている。本当にいつも嬉しそうだった...

娘たちの旦那様たちは海水浴未経験なんだそうで...ワンボックスを購入したら海辺ツアーにさそうつもりだ。

しあわせの色をもう一度見れそうだ....


熱く 暑く 厚く

2012-08-10 22:38:42 | 日記・エッセイ・コラム

010【高山温泉いぶきの湯】は,知る人ぞ知る名湯である。

経営者がまた変わったらしいが300円で入湯できる。夏場でもエアコンらしいものは脱衣所にも、大広間にも見当たらない....というか、いらないのである。とにかく熱い!熱い!湯なので足は真っ赤になる。最初にチャレンジ(!?)したときの妻との会話は...「全身入れられた?」「うん。15秒くらい」「私は頑張って1分入ったよ」017..夏が近い日だったが入浴後にエアコンがなくては大騒ぎする私なのだが....まったく広間にいても暑いと感じなかった。
 私たちは疲労がたまっている時や身体がシャキッとしないときは必ずこの『いぶきの湯』を堪能しに来る。最近はだいぶ全身を湯船につかれるようになった。最初はひざまで....なれたらへそまで...さらに全身を入れるときは心の中で『せ~のッ』っという感じで号令をかけて入る。はじめて来た人が、ひざまで入れてあきらめて出ていく姿を何回も目撃した。色々な名湯を経験した方、草津の湯畑の前のただ湯をすっと入れる方....ぜひこの温泉を堪能していただきたい。小さいお子様連れはおすすめしない。身体はウソのようにすきっとリセットされる...というか疲れや筋肉痛が治る!!と大声で叫びたくなる良薬だ。

「ねえ...いぶきの湯いかない?」妻のほうから提案することが多い。私にはよくわからない婦人特有の倦怠感によく効くらしい...高崎から40キロくらいあるが不思議と遠く感じない。渋川インターを下り草津・中之条方面に進み高山村の群馬天文台が近くなったら素晴らしい絶景が広がる。私は長年この高山村の風景を見続けているが、夏がとくに素晴らしい景色だと思う。

いいお湯に入ると胃腸も良好になる。関越自動車道下り線の赤城高原サービスエリアは、高山温泉いぶきの湯からさほど離れてはいない。沼田・片品エリアにも私たちのお気に入りがたくさん点在する。014沼田インターの手前の赤城高原SAの【ブー次郎らあめん】もそのひとつだ。注意しなければいけないのは上り線にはない。この下り線はメロンパンも有名だが、私たち夫婦は【ブー次郎らあめん】の厚い赤城豚のとろ旨チャーシューとなんでもないシナそばのマッチングにはまっている。...いやァ~...うまい。厚い。とろけそうなチャーシューは全部たいらげるとどんぶりの木枯らし紋次郎ばりのセリフがお目見えする。

008『あっしには かかわりのないことで ござんす...』と書かれたどんぶりは販売もしている。

妻と盛り上がり「買っちゃう?」と..どんぶりの値段見てびっくりした。どんぶりひとつが3000円近い値段だった。ロットが少ないのとどんぶりの器自体もなかなかの焼き物なのだ...

011_4熱い【いぶきの湯】

暑い【群馬の盛夏】

厚い【ブー次郎豚肉】

赤城高原SAは高原らしく高崎や館林が35度くらいの猛暑日でも気持ち涼しい。熱い いぶきの湯で身体がすっきりした暑い夏の午後....とろっととろけるブー次郎のぶ厚いチャーシューを食す...関越自動車道で新潟などに行く方はぜひとも寄っていただきたい。

ただ...日焼けした身体で熱い高山温泉いぶきの湯は、まちがっても入ってはいけない。

群馬県の夏は暑い....そして美しい


圧巻な色々...と『アベンジャーズ』公開カウントダウン

2012-08-08 23:41:23 | 日記・エッセイ・コラム

043_2
この湖は空の近くにある。

草津に向かう国道から27キロほど山道をドライブすると忽然と天空の湖が現れる。『野反湖展望駐車場』と看板がある茶屋の前から望む景色は圧巻だった。この写真の中央に鳥が写っているのが見えるだろうか....

圧巻とは実によい響きの言葉だ。多くの評論家がこの『圧巻』という言葉を使う。7月のブログにも書いたが『ダークナイトライジング』(邦題)は圧巻だった。息子が先に観にいって「いや~..凄いはァ~...早く観にいったほうがいいよ」 息子曰く『バットマンビギンズ』『ダークナイト』の前2作を遥かにしのいでいるとのことでDVDも購入するとまでの気に入り様だ。予告篇で『アベンジャーズ』を観たことを語る息子の姿は映画好きな私好みの言動で血は争えないなと...ちょっと嬉しい気持ちになった。

Photo『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『マイティー・ソー』『キャプテン・アメリカ』という順番で観るように息子に指示すると彼はいっきにクリアした。最近、私は息子の筋肉トレーニングのコーチに就任した。私は妻のように勉強を教えることができない。妻は小学生と幼児の英・国・算の塾の先生だが塾の先生になる前から息子の勉強は真剣に取り組んでいた。息子はサッカーも真面目に取り組んでいた。サッカー未経験な私は息子の姿を眩しく見つめていた。映画や音楽に幼い頃から興味を示した息子に自分の知識を披露するときは幸せだった...さてアベンジャーズのヒーロー達もバットマン/ブルース・ウェインも胸が厚く、腕が太くたくましい。息子と私の筋肉トレーニングの日々はちょっとした私の生きがいになっている。温泉付きのトレーニングスタジオなので、練習後大きなお風呂で息子から話題の映画、ファッション、トレンド、格闘技、筋肉などの質問が飛んでくる。なるべく控えめに答えるようにしているが彼も最近はインターネットで調べているらしく会話はことのほか盛り上がる。流れ出る汗が気持ちがいい。楽しいと心から思う....私は子供が中学生になるとほっといておくことにしているが、少し大人になった子供たちとの会話は実に楽しいものだと感慨深く感じている。

そんなある日Photo_2の息子との会話に「おれも観たよ」と『ダークナイトライジング』の話題になった。原題は『THE DARK KNIGHT RISES』だがこのRISESの意味について語り合った...もっとも私は『ダークナイトライジング』を観た帰り道に前作『ダークナイト』を所有したくてウズウズしていた。Contents02「買うの?おれも観て~ッ」と息子。私たちの入浴している温泉の色は『バットマン・ビギンズ』のジャケットと同じ色をしている.....後日、HMVで3枚3000円で売っているクリストファー・ノーラン版バットマンのジャケットの前で20分買うか買わぬか悩んでいた....『レンタルで借りたら100円か....』結局買わぬまま日が過ぎた...

 圧巻の景観の野反湖の写真の中央に鳥が写っている。この鳥は遠くを見つめている。それは何か物思いにふけっているかにも見える...そう...私はある物思いにふけってこの鳥を見つめていた...それは野反湖に向かう途中セブンイレブンで1000円限定発売の『ダークナイト』の故ヒース・レジャーの迫力たっぷりの白黒ジョーカーのDVDジャケットを見たからで...圧巻の演技のヒース・レジャーが私に「買わないのかい?3枚買わなくても1000円だよ....」と笑いかけている。それからも毎日セブンイレブンに行くたびにに『ダークナイト』を買おうか悩むことになる。

今、私のかたわらに『ダークナイト』DVD1000円がある。そして胸の筋トレでついに100キロを上げることができた息子にご褒美でMARVEL社ヒーローのTシャツをプレゼントした。良い生地の霜降りのピンク色でアイアンマン、ハルク、ソー、キャプテン・アメリカのオリジナルコミックの絵がプリントしてある。「パパが着ればいいじゃん」と妻...正直、着たいと思ったが私はUTの『ダークナイトライジング』のお目当ての黒をゲットしていたし(900円で!)『ダークナイト』DVDも手に入った。息子のやっとふくらんできた胸の筋肉が目立つようにSサイズのアベンジャーズTシャツを贈った。

035_3「学校で腕が太くなったって言われた!」「胸の筋肉ついたって言われた!」

息子が満足そうに語る...そんなことを妻に話しながら野反湖のドライブは帰り道にむかう。妻には娘たちから頻繁にメールが来ている。家庭をもった娘たちも妻から色々なことをおそわっているのだろう...

ちなみに野反湖が中之条町だということを最近知った。秋に向かおうとしている野反湖と山々の景色。私と妻の視線を集めた鳥の先にはトンボも空を舞っていた。妻は『ダークナイトライジング』を観ていない。上映時間が長すぎているのがNGだ。妻はアイアンマンシリーズのファンだ。『アベンジャーズ』はできれば息子と三人で行ってみたいが....無理かな....Photo_3

そういえば『アベンジャーズ』でスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウはくびれがかっこいい。妻もくびれがすごいかっこいい。Photo_4でっちり(出ッ尻)で太い太ももは圧巻!

圧巻!私もよく使う言葉だった..

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トム・ダウドとマンハッタン計画

2012-08-02 15:19:13 | 日記・エッセイ・コラム

Photoトム・ダウドは私のお気に入りの音楽プロデューサーだ。クラプトンの1970年代のプロデューサーやJAZZの名作アルバムのエンジニアとして音楽通の間では有名な人だが日本では高名ではない...

トム・ダウドはすでに他界している。2006年単館上映で『トム・ダウド いとしのレイラをミックスした男』という日本タイトルで公開された。(いったい日本の何館で上映されたのだろう..

フジテレビの朝番『特ダネ』で小倉さんが紹介していたのを観た妻から興奮気味で電話が入った。「パパがいつも話しているエリック・クラプトンのプロデューサーの映画が渋谷でやっているんだって!!」...妻に心から感謝した。とにかく私に伝えようと必死だった。とても嬉しかった。

フジテレビに電話をして特ダネの関係者につないでいただき「妻が小倉さんの映画紹介のところで私の大好きなトム・ダウドの映画の紹介をしていたということですが、渋谷のなんという映画館で上映しているか教えていただけますか?」と話したら「はい。わかりました。必ず調べて連絡します」といって10分後に電話をくれた。「とても小さいところですよ。良かったですね」 「はい。妻とフジテレビさんに感謝です」...その週末私は小さな渋谷の映画館のソファでこの映画を観ていた。客席は40席あるかないかの空間に私を含めて20人弱の観客がいた......映画を観終わった私の目は涙であふれていた...映画というよりトム・ダウドの半生のドキュメントだが感動した....私の世代のギター少年だった音楽ファンには是非お勧めする。DVDはアマゾンなどで2000円位で購入できる。

Photo_2『いとしのレイラ』はクラプトンの最高傑作と言われているロック史上名盤中の名盤の誉高い作品だ。当時LPレコード二枚組で発売された。デレク・アンド・ドミノスというエリック・クラプトンのアメリカソロ活動時代初期の幻のバンドにオールマン・ブラザース・バンドの天才スライドギタリストのデュアン・オールマンが参加していることがこのアルバムを名作にした理由のひとつだが、MVPはプロデューサーでミキサーのトム・ダウドだというのは真のクラプトンファンなら知っている。当時ビートルズの『ヘイ・ジュード』も長い時間のシングルレコードだったが、このアルバムのタイトル曲『いとしのレイラ』も7分近い曲だ。有名なピアノに替わるアレンジのアイディアもトム・ダウドの発案だったということをこの映画を観て初めて知った....

映画の中でこのアルバムの録音の思い出やクラプトンとデュアン・オールマンを会わせたた下りなどが本人の口やクラプトンの口から聞ける。でも衝撃的だったのはトム・ダウドが原爆を造った研究チームに入っていたことだった...マサチューセッツ工科大学出身の彼は『マンハッタン計画』と呼ばれる研究チームが原子爆弾を作っていることを後に知ったと映画で話していたが真実は定かではない。確かなのはアレサ・フランクリン、レーナード・スキナード、ロッド・スチュワート、オールマン・ブラザース・バンドなどのプロデュースやジョン・コルトレーンのアルバムのエンジニアの完成度の高さだ。

小学生から中学生になるころ『いとしのレイラ』のアルバムは毎日すりきれるほど聴いた。中学時代はトム・ダウドがプロデュースしたことがはっきりわかる『46461ec_21オーシャンブルーバード』も死ぬほど聴いた...私の中学時代から高校時代のエリック・クラプトンのアルバムはすべてトム・ダウドが手がけている。彼のセンスは抜群でミキシングまでこなしているため、だらだら弾いているかに聞こえてしまうクラプトンのギターをうまくカットして音楽として編集している。

トム・ダウドから離れたあとのクラプトンは商業的にはいつも成功している。クラプトンの最新作ももちろん持っている。12歳の頃からもう40年もの間エリック・クラプトンの音楽を買い続け日本公演も数回足を運んだ。私と同世代でストラトキャスターを買った理由がジェフ・ベックやリッチー・ブラックモア、ジミ・ヘンドリックスではなくて、ひたすらエリック・クラプトンが好きだったギター少年は、トム・ダウドがプロデュースした時代のクラプトンが好きだったのではないだろうか....

8月。原爆の日が近くなるとこの映画のことを思いだす。