遠野なんだりかんだりⅡ

遠野の伝承芸能・民俗・歴史を書きたい時に思いついたままに

2024 大出早池峯神社宵宮 其の参

2024-07-23 08:14:04 | 郷土芸能

時々、物凄い雨音がするほどの宵宮、軒下で神楽に集中していながらも、

衣服が濡れないようになるべく、壁・柱の側に寄ります。

 

小雨になったのを見計らいながら、拝殿廻りを歩いてみます。

気分転換を兼ねて顔見知りがいないか確認です。

数年来ると、だいたいは見に来なくなります。そんな中、ここでは初めてお会いする

ご夫婦が居ました。三年は見に来て欲しいものです。笑

 

十一番 岩戸開き

 

翁舞とは兜のしころ板の文字と、後ろに下げる布が白から赤に変わっているようです。

 

白い面の手力男命が、幕表に出てきて両手を上げながら舞うシーンは、

先日見た小国の末角神楽さんと同じような感じです。

 

私は神楽を演じないのでわかりませんが、舞手は、音が無くても手足の動かし方で

似ているかどうか判断できるのでしょう。

 

今年の大出では笛吹が三人入れ替わりで吹いていました。

 

同じ神楽の場合、音程?調子?が、ほぼ同じものだと心地よく聞こえます。

 

十三番 天降り舞(あまくだり)

 

猿田彦命の大胆なネリで始まります。

 

岩戸開きが終わる頃には、もう既に終盤だとわかるのですが、

今年はここからが、また長く感じました。

 

時間にすれば、まだ10時少し前

 

鱒沢神楽さんの出演が無かったので、幕の入れ替えや準備の時間もスムーズ過ぎて、

休憩無し。

 

腰もヒザもそろそろ限界です。汗

 

大出の人達曰く、私たちは昨日もリハーサルまでしていて、とっくに限界です?

こりゃまた失礼しました!

 

翌日、出演されるとお聞きしていた大迫の方々も、

夜の遠野を元気づけようと見に来ていた方々も、

いつの間にか見えなくなっていました。

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2024 大出早池峯神社宵宮 其の弐

2024-07-22 08:33:36 | 郷土芸能

今年は雨の宵宮でした。予報でもそうだったので最初から傘持参。

宵宮の前半は気持ちよくファインダーを覗いていたものの中盤辺りから集中力が・・・。

折りたたみのイスも雨に濡れ、立ちっぱなしで数時間は「きつかった!」

こちらではこんな状況を「あ~あ、ゆるぐね~!」と云います。

きついとストレートに云わず、きついの反対の意味でゆるいを使って、「ゆるくない」

さて、宵宮夜神楽も六番目から。

 

六番目は平倉神楽さんで苧環(おだまき)

前半の赤い帯を持つシーンや大蛇との絡みは?

申し訳ありません!

そればかりか、次の七番 平倉神楽さんの悪神退治

そして、八番目の大出早池峰神楽さんの山の神舞の面を付けた前半部分のデータが

ありません。

この日、宵宮夜神楽が終わってから事務所へ戻り、データをPCに取り入れ帰宅。

データは一つのフォルダーが一万回になった後、次のフォルダーへ移動となるのですが、

2回目のフォルダーが終了したので、最初のフォルダーは当然読み込み完了済だと

思っていたところ、未終了もしくは残りデータの不具合のまま終了済になっていたようで、

その部分のデータがありません。大号泣!

 

八番 山の神舞

残っていたのは後半部分からです。

 

カメラにしがみついている時は、山の神は納得できる写真が無いので

 

今回こそはと云う気持ちでいたのですが・・・

 

千葉さん、来年もまた山の神をお願いしてもいいでしょうか?

 

人生70歳までは現役で働いて!と、尻を叩かれるのに、

頑張っているつもりでも、こんな感じではバリバリの現役世代に申し訳ない・・・。

 

九番 小倉神楽さんで鶏舞

 

小倉さんの囃子方はいつものメンバーと全く異なっていて、

事情を知っていそうなお客さんからは、今回のほうが上手だと声がかかっていました。笑

 

十番 大出早池峰神楽さんに戻って、八幡舞

 

姉妹の安定した八幡舞です。

 

ところで、大出早池峯神社は、江戸時代には妙泉寺

早池峰大権現を祀り、大出では社家として始閣備前守、始閣豊後守が仕え、

その一族の縁者が神楽を演じていました。

 

同じ頃の大迫妙泉寺では社家として、釜津田三右衛門、柳田大和、小国若狭守、鈴鹿出雲守

他に和泉守弟子の佐々木権四郎、小国河内守が居たことが御領分社堂に記されています。

これは江戸時代の宝暦10年(1760)頃の事です。

この時代には嶽も(大償も)大出も山伏神楽ではなく、社家の神楽だったということです。

 

神楽と云うと、何となく、山伏が集まって演じるものというイメージがありますが、

 

少なくても、260年前には既に、どちらも社家の神楽になっています。

遠野では神道(神人)神楽と云われる所以です。

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2024 大出早池峯神社宵宮 其の壱

2024-07-21 11:34:16 | 郷土芸能

4月27日から休酒をし、今月19日は検診でした。

γGTは基準値以下になりましたが、AST(GOT)とALT(GPT)は、もう一息。

他にマーカーの数値も少し気になりますが、これは以前吸っていたタバコのせいかと。

全体的には、よくできました!と云うことで、帰宅後、久々にビールをプシュっと・・・・。

あれほど美味いと思っていたのに、最近飲んでいる強炭酸水の方が美味しく感じました。

徐々に焼酎や日本酒も試そうかと思いますが、美味しく感じなかったらどうしよう・・・・。

と云うことで、

今年も17日は大出早池峯神社宵宮へ。

 

午後5時少し前、まずは参拝。

 

神楽が行われる割り拝殿の準備も良さそうです。

 

地域の皆さんで運営している出店もスタンバイ

 

5時、本殿で神事となり、終わりの打ち鳴らしが聞こえると、

拝殿では夜神楽の始まりです。

最初は子供達のシンガクで、練習では拝殿前の外で舞う予定だったそうですが、

雨が降り始めて来たので、拝殿内になりました。

場所が変わっても子供達は楽しそうでした!

 

6時頃、予定通りに鶏舞。

 

昨年の同じ時間より、かなり外は暗くなっています。

 

それもそのはず、神楽と同じでまだ序の口なのに、その後、天気は・・・。

 

三番 翁舞

 

翁舞が終わると、舞のテンポと同じように落ち着いた雰囲気に。

 

今年の宵宮、お客さんの多くは市外の方だったでしょうか?

まあ、遠野人は、神楽をじっくり観ることが少ないので・・・。

 

四番目に三番叟

 

この三番叟、大うけでした!

 

子供が練習途中で演じることが多いのですが、この二人は本格派です!

大出では現在、狂言風の演目は見られませんが、お二人のようなタイプが揃えば、

新たな演目が見られるようになるかもしれません。

 

五番 鞍馬

 

この牛若丸さん、とても落ち着いていました!

検診結果の数値に一喜一憂しているおじさんとは違います。笑

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第5回小国分館神楽共演会 後編

2024-07-06 16:06:57 | 郷土芸能

ここ最近のお祭りでは、市内の芸能団体で使っている笛の寸法確認をさせて頂いており、

その笛一本から色々な情報が得られます。笑

某町では、しし踊りと神楽の音程が類似(全く同じということではありません)しており、

6穴の指孔と唄口の距離を比べ、普段使用しない2穴を塞いでさらに比べると、

塞いだ穴の位置は異なるのに、使用する穴の位置は、ほぼ同じでした。

おそらく、普段使う4穴の指孔だけの笛であれば、どちらにも使い回しができるかも。汗

さて、小国の神楽共演会の続きです。

 

今回のゲストは遠野の大出早池峰神楽さん

ちなみに、昨年は同じく塚沢早池峰神楽さんでした。

 

山の神舞です。

 

前半に末角神楽さんの山の神舞がありました。

 

同じ日に同じ演目があると、比較して観れるので助かります。笑

 

今回の感想も、やはり大出と小国は近い

 

慣れている会場とは違うので、ちょっと緊張しているなんて云ってましたが・・・。

 

約40分間の熱演でした!

 

今月17日は大出早池峯神社の宵宮です。

昨年は5時半頃から11時頃まで夜神楽がありました。

 

昨年がそうだったからと云って、今年もそうだとは限らないのが面白いところです。

 

さて、ゲストの後は、江繋早池峰神楽さんです。

 

勢剣舞(ぜいつるぎまい)

遠野あたりでは(せつるぎまい)と呼ぶ舞です。

 

昨年は4人で舞う庭雀という演目で、やはり、くぐりっこでした。

 

この勢剣舞も、くぐりっこで、3人です。

 

くぐりっこは江繋さんの得意演目なんだと思います。ナイス!

 

主要演目の最後は、末角神楽さんで岩戸開き。

 

この感じも大出に似ています。

 

大仁田神楽のあった地域と末角神楽の地域は隣同士

舞に何かしらの影響があったのかどうか気になります。

 

無事、岩戸が開いたところで終わり。

 

共演会最後は末角神楽さんの権現舞、お客さんの頭をカミカミして本当の御開き。

今月17日(水)が大出早池峯神社の宵宮で夜神楽があると先に記しましたが、

翌18日(木)は例大祭です。昨年は10時に神事が始りました。

コロナ禍前は、地元附馬牛町のしし踊りと大出の神楽が神輿洗い行事に参加しており、

今年は、平日なので、さて、どうなるんでしょう?

せめて、雨だけは降らないでほしいと願うばかりです。笑

雨と云えば、

 

この時期の花はアジサイでしょうか?

日帰り入浴でよく行く、花巻の渡り温泉でもアジサイが見ごろになっていました。

ところで、明日7日の遠野では、小友町で山谷観音のお祭り

お昼時間頃、地元の山谷獅子踊りの奉納があるようです。

また、遠野の駅前と市役所前では11時から16時過ぎまで

TONO JAZZ FESTIVALが開かれます。料金の告知はないので無料だと思います。

残念ながら天気予報では終日、雨。その予報がはずれることに期待です。

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第5回小国分館神楽共演会 前編

2024-07-05 10:24:34 | 郷土芸能

6月最終日は、昨年に引き続き、行ってきました!隣町、旧川井村の小国。

遠野から立丸峠のトンネルを抜けて小国まで、2,30分ぐらいでしょうか?

随分と近くなりました。その間には道又、荒田、永田など、遠野に居る方々の苗字と

同名の地域があります。

 

お昼少し前、会場となる北上山地民俗資料館小国分館(旧小国中学校)に到着。

開会時間少し前に、末角(まっかく)神楽さんの舞い込みです。

 

そして、神楽共演会の開会

司会者さんの人柄がよく出ている進行で、和んだ雰囲気でスタート。

 

末角神楽さんの打ち鳴らしから

 

初っ端から山の神舞です。

 

構成は大出早池峰神楽さんと似ています。

どの郷土芸能でもそうで、笛の音程が違うと別な舞に見えます。

 

江繋(えつなぎ)も末角も大出のに似ていると感じているのですが、

何がどう似ているのかと云われると、今も上手く表現できません。笑

 

この刀を肩に架ける所作は、末角独特かと。

 

この地域に、かつて、伝承されていた大仁田神楽は大出のに、

似ていたと云われているようで、

その大仁田地域は荒川高原を通じて上柳へも大出へもつながっています。

 

続けて末角神楽さんで、普勝舞(ふしょうまい)

 

面も舞の雰囲気も大迫系とは全く違います。

 

両手に鈴木のような物を持つ所も独特です。

 

面をはずしてクズシ

 

交代して江繋神楽さん

同じ小国でも、笛の調子が全く異なります。

 

鶏舞

 

散米用のお米が添えられています。

 

鶏舞の中で散米する所作は珍しいです。

 

この江繋はタイマグラから閉伊川近くまでの広い地域で、神楽だけでなく、

しし踊り、剣舞、さんさなど様々な芸能が伝えられている地域でもあります。

 

江繋の二演目目は寅走り

この演目こそ、独特です!

 

一人で舞う荒舞ですが、他の神楽の何と云う演目に該当するのかわかりません。

 

近所に住む工務店の社長は江繋の出身ですが、今まで、芸能の話をしたことはありません。

今度、聞いてみようかなあ?笑

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