桐の花
桐の花が見事に咲いている。梢の部分に集中的的に咲くので
間近に見ることは出来ないが、薄紫の花で房状に垂れ下がって
見るからに高貴な雰囲気を漂わせている。
桐の花を見ているうちに、北原白秋の桐の花の歌集を思い出した。
白秋は当時住んでいた隣家の人妻と不倫関係におちいり、女の夫
に姦通罪で告訴されて投獄される。世間からも白い目で見られて自
殺も考えたらしいが、結局、不倫相手とは罪滅ぼしの意味もあって
結婚して三崎の城ヶ島に住む。そのときの体験が「城ヶ島の雨」に
なったらしい」白秋は桐の花の歌集で不始末の謝罪を巻末に書いている