
今年の研修の課題はいくつかあります。その一つが、昨年まで培ってきた財産が霧散しないように、記録としてまとめ、だれもが使えるものにするということです。
私は、その中の器械運動を受け持つことになりました。そこで、まず「大きな前回り」から取り組むことにしました。これは、器械運動の「展開の核」となる演技で、全てに通用する大事な基礎がたくさん含まれているからです。
光明版《大きな前回り》 ゆっくり丁寧。常に手足の指先まで神経を行き渡らせる。
~ Aの姿勢「首を立て体を止める」
Bの姿勢「重心が前に掛かり回転する」を活用して~
①大きく息を吸い、今から行う演技のイメージを作る。その後、ゆっくりした動作で丁 寧にマットに手のひらを置いていく。
※このときまずAの「首を立て体を止める」姿勢をとり、体を止め、正しい体の位置を整える。
②頭を中に入れ、おへそを見てBの「重心が前に掛かり回転する」姿勢になると、前転が始まる。
※このとき、全体重が手のひらに載るので、六本の指でマットをつかむ。
※体を卵の形にするように、かかとを精一杯高く上げるように支援する。
③なるべくゆっくりこらえながら回転。肩と頭の間から音がしないように着地する。←着地の瞬間まで床をけらない。
足の指はずっとここまで、床に付いたままになっている。
前回りは跳ねない。
(前転は「跳ねる」動作が入る。)
④背骨を一つ一つ床につけていくイメージで、ゆっくり、ゆっくり丁寧に回る。
※このとき、写真のように、足は指先まで神経を集中してきれいな姿勢を保つ。
⑤一度V字バランスで止まっても、頭を中に入れ、足を縮めるとBの「重心が前に掛かり回転する」姿勢になり立つことができる。