
前回、漢字の「宿題指導」について、
↓のように例を示しました。
http://blog.goo.ne.jp/totoro822/e/a373f1cde854c23c0a751f5ebacb0d5c
私は、意図的でない、計画性のない宿題は、ただ単に机の前に座る習慣を付ける程度の効果しかないと考えています。宿題を使って実力を付けたいと考えるのなら、当然授業や教科との連携を考えたり、「自ら学ぶ力の育成」を考えたりして意図的に出さなければならないと思っています。
また、ただやりっ放しではだめです。必ずチェックし評価してやらねば、いい加減な取り組みで終わります。しかし、30~40人の学びを一人の教師で全てきちんと見ることは限りがあります。そこで、この評価についても計画的に行う必要があります。
私は、漢字についてはノートの見届けもしますが、さらに下記のような方法で見届けをします。
私のクラスでは、宿題の漢字と、授業中の漢字のテストと連動させていました。
①学期の当初、ドリルを配る際、↓のように練習の平仮名のページに、10問ずつ区切って番号をふらせます。全部で25~30級ぐらいになります。
②「明日から、授業の最初の5分でこれと同じ問題で小テストをします。一級が合格すると次の日は二級です。全部で25級です。夏(冬・ 春)休みまでに合格しなければ、冬休みに登校して合格するまで試験します。
「出る問題は、全て分かっているのですから、明日取り組むテストの漢字を勉強してきなさい。」
「『明日の宿題の漢字は何ページです。』とか、その分量は指示しません。自分で取り組む内容を考えて勉強しなさい。」
と話します。
テストは、下記の見本のように全てひらがなで出します。漢字だけでなく送り仮名も覚えなければ合格しないようになっています。
③毎日試験できるわけではありません。朝自習の時間を使っても、週3日です。すると学期に50~60回しかできません。二回に一回のペースで合格しないと、期日内に終わりません。
④テストは予め作って棚等に入れておきます。
授業の始まる前にそれぞれが自分の級を持ってきておきます。時間は5分。その後、ここ↓を見ながら、隣と交換して友達同士で厳しく見合います。
「止め・はね・はらいまでしっかり見ます。それが互いの漢字の力を高めます。」と 話します。
1学期にこれを行うと7~8人の子が学期中に終わらずに夏休みに登校し、暑い教室で残ったテストを終えるまで補習に参加することになります。
2学期には、3~4人の子が学期中に終わらずに冬休みに登校し、寒い教室で残ったテストに取り組みます。
しかし、3学期になると彼等の目の色が変わります。自分の進度とカレンダーをにらめっこして
「この分なら、春休みは来なくていいぞ。」
「やばい、もっと練習してこなくちゃ。」
と自分で家庭学習の質と量を考えるようになります。
3学期は短いです。それでも彼等は計画的に学習し、春休みに来ることはありません。学習の仕方を学んだのです。
ちなみにつけたすと、1月にある県の学力調査においてわたしのクラスは漢字についてはほぼ8~9割の子がよくできています。
初任者の参考になります。