平倉山荘 -- BLOG --

 蔵王を歩く・滑る。日々を記す。空想上の山小屋~たいらぐらさんそう~

父さんは山に柴刈に

2015-05-04 | 山・やま・Mt.
昔ばなしは「おじいさんは山に柴刈に、おばあさんは川に洗濯に」の一節から始まる。

雪解け後のこの時期、中丸山コースを歩くと道の上に小枝が散らばっている。冬の間に頭上の木々から折れ落ちたものだ。その小枝や柴を拾い上げ、取り除ぞきながら歩くのがこの時期の恒例となっている。

今回は、先日蔵王ラインから登った時に確認出来なかった目印のブナを見るために登って来た。中丸山コースからこのブナを見つけるのは容易い。



目印のブナ「メデューサ」はいつものように立派に立っていた。巨木ではないが上部の枝ぶりが特徴的なので目印にしている。普段は見上げるだけのこのブナを今日は両腕を回し幹周りの太さを体感してみた。抱きついてみると親しみが増す、と同時に「ブナの大木って、意外と乾いた感じの木なんだなぁ」という印象をうけた。

周辺の残雪は想像以上に少なくなっていた。前回登ってきた時はたっぷりあった残雪が、この二週間の気温でハイスピードで雪解けしたのだろう。



中丸山山頂まで登ってくると熊野岳上空を「もがみ」が旋回していた。立ち入り規制区域を見回っているのだろう。そんな中、残雪がまだたくさん残る鞍部を下ってゆく。今日は規制区域の間近まで行って引き返してこよう思っていたが、なんだか自分が悪い事をしているような気分になりいつの間にかトド松の木陰を選ぶように歩いていた。

こんな気分で登ってもつまらない、まだ規制区域までは距離はあるが適当な所で引き返すことにしよう。トドマツ帯の中段に蔵王沢源頭とワシ岩を望める場所がある、今日はここを折り返し点とする。下り始めるて気づいたがいつの間にか「もがみ」のその音は消えていた。



中丸山山頂に戻ってザックを下ろす。菓子パンとコーヒーを食べながらひと気のない寂しい稜線を眺めた。

コメント
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