
先日、新聞の全面広告で発表されたニューヤクルト!
スーパーで見かけたので買ってしまいました (^○^)
シロタ株が200億個!
50億個も増えたそうです!
効果に違いはあるかな (^_-)-☆
今日は3月3日、ひなまつり
ということで、「3」にまつわる弁護技術です。
「みなさん、被告人は無罪です。理由は14個あります。」
そう言って、弁護人が弁論を始めたらどうでしょう?
「え~、14個も話を聞かないといけないの・・・」
はじめからうんざりされてしまうかもしれません。
「やっと8個目か、まだ半分だなぁ」
裁判員は指折りながら、あなたの話が早く終わらないかとイライラしてしまいます。
そして14個の話が終わったとき、せいぜいはじめのひとつか、最後の一つしか覚えてくれていないでしょう。
では、
「みなさん、被告人は無罪です。理由は2つあります。」
そう言ったとしたら?
根拠は薄弱で、迫力がないように感じられてしまいます。
そうです。
理由は必ず 「3つ」 でなくてはなりません。
2つでも、4つでも、5つでもなく、絶対に3つです。
どうして 「3」 なのか?
一番バランスの良い数字、たくさんあること意味しながら、なおかつ、コンパクトさ、まとまりを感じさせる数字だからなのです。
ことわざでも、
三人寄れば文殊の知恵、石の上にも三年、三度目の正直、
早起きは三文の得、三顧の礼、三つ子の魂百まで
と「3」の付くことわざがたくさんあります。
三国志、世界三大夜景、日本三名城、三国一の花嫁、三匹の子豚、
合議体の裁判官も、キャンディーズもアリスも、少年隊、シブガキ隊も3人。
オリンピックのメダルも金、銀、銅の3つ。
桃太郎の家来も犬、猿、キジの3匹ですね。
最近では、安倍総理の成長戦略「3本の矢」
金融政策、機動的な財政出動、民間投資の3つですね。
でも、どうしても、理由が14個ある時はどうしたらいいか?
3つの種類に分類して、その種類のラベルをつければ理由は3つになります。
理由が2つしかないときはどうしたらいいか?
もう一つ理由を一生懸命に考えてみて、どうしても思いつかなければ、理由の中身を書き出してみて、2つの種類に分ければ、3つになります。
ここは型が大事です。必ず3つです。
そして、さらに応用です。
3つの理由を構造化するのです。
3つの理由は並列的なのか、
①確かに②しかし③したがってという論理構造になるのか、
①過去②現在③未来という時系列になるのか、①私②あなた③第3者になるのか、
構造化することによって、聞き手は3つの理由をしっかりと理解し、記憶に残してくれます。
ぜひ、みなさんも、話をするときには「3つ」にまとめて話してください。
聞き手は、あなたの話をぐっと集中して聞いてくれて、記憶にも残ります。
なによりも、あなたも話しやすくなります。
原稿がなくても、3つなら覚えられますよね。
でも、一つだけデメリットが!
最近は、宴会で私が挨拶をしようとすると 「3つ!」とかけ声がかかってしまいます
アメリカ大統領に再選したオバマ大統領
演説の上手さは有名です。(むしろ演説だけで当選したような・・・)
さて、オバマ大統領は、演説するときに決して手元に原稿を持っていたりしません。
自信にあふれた力強い演説はペーパーレスだからこそ生まれてきます。
弁護士が法廷に立つときも同じ。 ペーパーレスで弁論をします。
紙を見ながら読み上げていたなら、弁護人も原稿を見ないと言えないんようなことなんだと思われ、裁判員の信頼を獲得することは出来ません。
でも、原稿なしで話をするのってどうしたらいいのだろう?
多くの人は何日も前から、練り上げた原稿を一生懸命丸暗記して、繰り返し練習しようとします。
ところがこれが失敗の元!
読み上げ原稿(フルテキスト)を作って、覚えようとすると必ずうまくいきません。
① ちゃんと覚えたとおりに出来るか不安なので、本番でムチャクチャ緊張します。
② 話ながら上を向いたり、言葉がとぎれたり、細かな言い回しを言い直したり・・・
覚えたことを思い出して話そうとしていることが伝わり、聞いている人まで
不安になってしまいます。
③ そして、頭が真っ白になって飛んでしまうと、もうすべて終わってしまいます。
せっかく一生懸命に暗記したのに・・・・・
では、どうすればいいのか?
アウトラインだけを準備する(フルテキスト原稿は作らない)のです。
アウトラインを作るときは、出来るだけシンプルなものにする必要があります。
項目や見出し、キーワードだけを書きます。話すための文章は決して書きません。
構成はシンプルで、論理的なものにします。
話し手が本番で忘れてしまうような構成では、聞き手も理解できません。
A4一枚で完結させること。
それ以上の複雑なものは話すことは出来ないし、聞き手も消化しきれません。
このブログ記事の内容をプレゼンするためのアウトラインなら、こんな感じです。
導入 : オバマ大統領の演説のようにペーパーレスで話すにはどうすればいいか。
力強さ、自信
結論 : アウトラインで話すこと
理由 : ① フルテキスト原稿は緊張、自信のなさを伝える
② アウトラインは覚えやすい
③ 聞き手も理解しやすい
結論 : アウトラインで話すと、ペーパーレスで、力強く、自信に満ちた話ができる。
この程度のアウトラインなら、覚えることはさほど大変ではありません。
アウトラインに従って、本番同様に、何度も何度も声を出して練習をしてみてください。
言い回しなどは、練習のたびに変わってもかまいません。
出来る限り、シンプルな言葉で話すようにしてください。
アウトラインだけしかないので、プレゼンしながら時間調整をすることも出来ます。
時間がなければ1分で話すことも出来ますし、具体例やたとえ話を織り交ぜれば20分でも30分でも話すことができます。
人前でスピーチをする機会があれば、ぜひ、アウトラインを作って、ペーパーレスで話すことに挑戦をしてみてください。
自信に満ちたあなたのスピーチに拍手喝采!! 間違いなし。
きっと出来ます。
「Yes,We Can ! 」
映画では、フィルムの中にストーリーが作られていきます。
裁判も同じです。
検察官と弁護人、被告人、証人によって、法廷でストーリーが構築されていきます。
特に大切なのが、被告人や証人の証言です。
被告人や証人は、自分が過去に体験した出来事、法廷で構築されるストーリーの全部、または、一部分を法廷で語ります。
ところが、芥川龍之介の「藪の中」のように、証人によってまったく違うストーリーが出てくることがあります。
弁護人と検察官は、それぞれの主張に沿ったストーリーこそが真実であると、裁判官・裁判員に受け入れてもらおうと努力します。
では、どうすれば、真実であると思ってもらえるストーリーを証人に語らせることが出来るか?
弁護士は映画監督になり、映画撮影のように証言させます。
まずは、① 登場人物の紹介
連続ドラマの1回目は必ず、登場人物の紹介が続きますよね。
次に、② テーマの設定
登場人物が、映画の中でどういう位置付けの人物なのかを観客に伝えます。
そして、③ 舞台設定
セットを作って、舞台を整えなければなりません。
そして、いよいよ、
④ 「よーい、アクション!!」 登場人物が動き始めるのです!
これを法廷でやると、
(登場人物の紹介)
弁護人: あなたのご職業を教えてください。
証 人: **病院で看護師をしています。
弁護人: ご家族は?
証 人: 夫と、二人の子どもがいます。
弁護人: お住まいはどちらですか?
証 人: 東山区のマンションに住んでいます。
(テーマの設定)
弁護人: あなたは、この事件があった日、何をしていましたか?
証 人: この日は夜勤だったので、昼間は家にいました。
弁護人: 出勤前に、どこにでかけましたしか?
証 人: 子どもと一緒に、近所のスーパーに行って、その帰りに公園に行きました。
弁護人: その公園は、今回の事件が起こった○○公園ですね。
(舞台設定)
弁護人: その公園は、どれくらいの広さですか。
証 人: 普通の児童公園なので、50メートル四方くらいでしょうか。
弁護人: どんな遊具がありましたか。
証 人: 鉄棒と滑り台、ジャングルジムと砂場もありました。あっ、タコも。
弁護人: 遊具以外には何がありましたか?
証 人: ベンチとテーブルがありました。日影になるように屋根が付いています。
弁護人: どんなお天気でしたか?
証 人: 良く晴れていて、11月でしたが、とても暖かかったです。
(アクション)
弁護人: その公園には誰がいましたか?
証 人: 50代くらいの男性と女性がいました。
弁護人: 二人は何をしていましたか?
証 人: タコに昇ったり、滑り台を滑ったりしていました。
どうですか?
あなたの頭の中には、タコが鎮座する児童公園で無邪気に遊ぶ、不思議な壮年男女の映像ができあがっていませんか?
映画撮影のように証人尋問を進めていくと、証言を聞いている裁判官・裁判員の頭の中には、ストーリーが映像として作られていきます。
強い印象を与えることができ、そのストーリーが真実に違いないと感じてもらえるのです。
日常会話でも、自分の経験した出来事を人に伝える場面は良くあります。
いきなり、アクションから話をしていませんか?
聞いている人に、自分の体験をリアルに伝え、共感してもらおうと思えば、
登場人物の紹介 → テーマ設定 → 舞台設定 → アクション
という手順を踏んでみましょう!
久しぶりの「弁護技術を生活に。」です。
今回取り上げるのは ループクエスチョン
具体的には、こんな感じです。
弁護人 「そこで、Aさんは、どのような行動をとりましたか?」
証 人 「いきなり、包丁を取り出したんです。」
弁護人 「Aさんは、いきなり包丁を取り出した後、どうしましたか。」
弁護人は、証人が答えた内容(「いきなり包丁を取り出した」)を、次の質問の中に取り入れていますね。
弁護人が質問して、証人が答えて、その答えが次の弁護人の質問につながるという循環が生じていることから、ループクエスチョンと呼ばれます。
この質問方法の効果は、強調したい点を、裁判官・裁判員に二回聞かせることでより印象づけることができます。
上の例であれば「Aさんがいきなり包丁を出した」ということを強調し、印象づけることができるのです。
このループクエスチョンを日常会話の中で使ってみるとどうでしょう?
相手の会話の中で出て来た言葉を使って、あなたが次の質問をしてみたら・・・
相手の会話の中で、自分が大事だと思った点を、相手に伝えることができます。
相手の話をちゃんと聞いていること、興味を持っていることも伝えることができるでしょう。
相手は、あなたのことをとっても話しやすい、いい人と思ってくれるかも。
このループクエスチョン、使うときに一つ注意することがあります。
それは、多用しないこと!
法廷でも癖になっていて何度も使う弁護士がいます。
たとえば、先の例に続いてこんな風に質問したらどうなるでしょう。
弁護人 「そこで、Aさんは、どのような行動をとりましたか?」
証 人 「いきなり、包丁を取り出したんです。」
弁護人 「Aさんは、いきなり包丁を取り出した後、どうしましたか。」
証 人 「包丁を被告人の方に向けました。」
弁護人 「包丁を被告人の方に向けてから、Aさんはどうしましたか?」
証 人 「包丁を顔の前に突き出しました。」
弁護人 「包丁を顔の前に突き出されて、被告人はどうしましたか?」
証 人 「後ずさりしました。」
弁護人 「被告人は後ずさりするときに、何か言っていましたか?」
どうでしょう?
多用してしまうと、強調する効果がなくなりだけでなく、とてもくどい会話になってしまいます。
ループクエスチョンは、もっとも強調したい、ここぞ!というところで使ってください。