【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
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創業期の予期せぬ黒字(経費の計上漏れ)

2021-06-26 19:05:00 | 起業(会社設立など)と経営
創業期には無知と無頓着から経費の計上漏れをしていることがあります。経費は個々には少額かもしれませんが、まさに「塵も積もれば山となる」で、経費の計上漏れが思わぬ額となり、それが創業期には辛い法人税の課税へとなっているケースもあります。

◆領収書は必ず入手保存する

領収書さえあればなんでも経費になるわけではありませんが、領収書がなければ経費としての記録を忘れてしまいます。経費を支払った場合には必ず領収書を入手し、タイムリーに帳簿に記録することを習慣としなければなりません。

◆領収書のない支出

領収書がない支出もあります。電車の券売機、飲料の自動販売機などです。このような場合でも、記録さえ残しておけば経費にできますので、帳簿に日付と金額、そして支出の内容を記載しておくことです。

◆代表者個人名義による支払い

支払いの名義が会社ではなく代表者の個人名義であっても、支出の目的が会社のためであれば経費にできます。ただし、税務調査では、個人名義による支払いは「会社とは無関係」という視点で検討されますので明瞭な説明ができるようにしておく必要があります。

なお、原則として名義と実質は一致している必要がありますので、このような支払いは特別な事情がない限りは避けなければなりません。

◆自宅で事業をしている

自宅で事業をしている場合には、代表者が個人で支払っている自宅関連費用の内、会社で使用していると考えられる部分を会社の経費にすることができます。

自宅が持ち家か賃貸であるかにかかわらず、会社は代表者に対して相応の家賃を支払うことができます。水道光熱費についてもそうです。なお、このようにして代表者個人に支払った場合には、代表者個人に不動産所得が生じますので、代表者は個人で確定申告をしなければなりません。

◆代表者名義の車両

代表者名義の車両を会社で使用している場合には、会社は相応の賃料を代表者に支払うことができます。なお、この場合は代表者個人に雑所得が生じますので、代表者は個人で確定申告をしなければなりません。

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★税務調査で経費の計上漏れをアピールしても無駄

事業年度が終了して決算と申告を済ませてから、計上漏れをしていた経費を追加することはできません。「税務調査のときに経費の計上漏れをアピールすれば何とかしてもらえる」と考えている人がいますが、税務調査では経費の過大計上は指摘されますが、その過大計上分と計上漏れとの「相殺」はしてもらえません。

★更正の請求

税務調査では経費の事後的計上を認めてもらえませんが、税務調査とは別に更正の請求という手続をすれば経費の追加計上を認めてもらえる場合があります。ただし、少額な支出のレシートを多数紛失していて、「おそらく〇〇円くらいになる」といった計算では更正の請求をしても認められません。

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