一般には創業期、会社を設立して2・3年までの間は利益を出すことが難しいです。初期投資がかさみ、得意先も少なく十分な売上を確保できないからです。しかし、創業期であっても見通しを誤ったがために予期せぬ利益が生じてしまい、法人税の納税が必要となりその税額に愕然とすることがあります。
その見通しの誤りのひとつに「役員報酬額の設定」があります。
◆役員報酬が少なすぎた
大手の会社では役員報酬は厳格な規程を基に決められますが、中小零細企業の場合には代表者が自身の都合によって決めることができます。そんなことから、役員報酬が会社の実情よりも極端に低く設定され、予期せぬ利益が生じてしまうことがあります。
◆当面の生活費は確保してある
役員報酬を抑える理由は様々ですが、そのひとつが「当面の生活費は確保してある」ということです。役員報酬というのは、会社から引き出した後には私生活で自由に使うことができます。まずは生活費ですが、起業時にあらかじめ相応の生活費を確保している場合には役員報酬が低くても生活はできます。
◆会社に資金を残したい
会社に資金を残したいという理由から役員報酬を抑えることがあります。中小零細企業では、会社の資金が不足した場合には、代表者個人の資金を会社に貸し付ける(会社からしたら借りている)ことが通常です。ですから、役員報酬を抑えて会社に資金を残すという方法にこだわる必要はないのです。
◆役員報酬の税金や保険料を抑えたい(平成・令和の経営者の気質)
これが役員報酬を抑えようとする理由で一番多いかもしれません。特に「厚生年金保険料」です。「将来、年金がもらえるかどうかもわからないのに・・・」と考えるのです。毎月預金口座から引き落とされている社会保険料の金額に居た堪れなくなって、役員報酬の引き下げをする経営者が後を絶ちません。
「昭和の」中小零細企業経営者は、役員報酬を高めに設定して決して引き下げようとはしませんでした。将来の公的年金が減るのを恐れたからです。この公的年金を取り巻く環境の変化が、役員報酬の設定を大変困難なものにしています。
========
★適度に赤字で適度に社長借入金があるほうが税金対策はしやすい
役員報酬というのは「やや高め」に設定しておいて、とりあえずは会社から資金を引き出し、会社に資金が不足すれば代表者個人から会社に貸す(会社からしたら借りている)ほうが税金対策はしやすいです。役員報酬を減額するのは、現状の役員報酬額が「取れそうにない」ことが明らかになってからでいいです。
「役員報酬が取れない月が年に一度はある」
「役員報酬の未払分を数年に一度『おおむね』精算できる」
これが中小零細企業の決算書としては、「無理のない」「正常な」状態です。
「利益がゼロになるように役員報酬を設定する!」というのは不可能で、この考えに固執するとほとんどの場合は見通しがはずれて予期せぬ利益が出てしまいます。そして、つい「不正な利益調整」をしてしまい、税務調査でそれを指摘されていることが非常に多いです。
★役員報酬については鷹揚(おうよう)さが必要
「とりあえず多めに役員報酬を取っておこう。」
「会社の資金が不足したら自分が会社に貸せばいい。」
「いつまでもこれが続くようなら見直せばいい。」
「一生でとれるトータルの役員報酬(納める厚生年金保険料合計)は同じなんだ(笑)。」
といった具合がちょうどいいのです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
その見通しの誤りのひとつに「役員報酬額の設定」があります。
◆役員報酬が少なすぎた
大手の会社では役員報酬は厳格な規程を基に決められますが、中小零細企業の場合には代表者が自身の都合によって決めることができます。そんなことから、役員報酬が会社の実情よりも極端に低く設定され、予期せぬ利益が生じてしまうことがあります。
◆当面の生活費は確保してある
役員報酬を抑える理由は様々ですが、そのひとつが「当面の生活費は確保してある」ということです。役員報酬というのは、会社から引き出した後には私生活で自由に使うことができます。まずは生活費ですが、起業時にあらかじめ相応の生活費を確保している場合には役員報酬が低くても生活はできます。
◆会社に資金を残したい
会社に資金を残したいという理由から役員報酬を抑えることがあります。中小零細企業では、会社の資金が不足した場合には、代表者個人の資金を会社に貸し付ける(会社からしたら借りている)ことが通常です。ですから、役員報酬を抑えて会社に資金を残すという方法にこだわる必要はないのです。
◆役員報酬の税金や保険料を抑えたい(平成・令和の経営者の気質)
これが役員報酬を抑えようとする理由で一番多いかもしれません。特に「厚生年金保険料」です。「将来、年金がもらえるかどうかもわからないのに・・・」と考えるのです。毎月預金口座から引き落とされている社会保険料の金額に居た堪れなくなって、役員報酬の引き下げをする経営者が後を絶ちません。
「昭和の」中小零細企業経営者は、役員報酬を高めに設定して決して引き下げようとはしませんでした。将来の公的年金が減るのを恐れたからです。この公的年金を取り巻く環境の変化が、役員報酬の設定を大変困難なものにしています。
========
★適度に赤字で適度に社長借入金があるほうが税金対策はしやすい
役員報酬というのは「やや高め」に設定しておいて、とりあえずは会社から資金を引き出し、会社に資金が不足すれば代表者個人から会社に貸す(会社からしたら借りている)ほうが税金対策はしやすいです。役員報酬を減額するのは、現状の役員報酬額が「取れそうにない」ことが明らかになってからでいいです。
「役員報酬が取れない月が年に一度はある」
「役員報酬の未払分を数年に一度『おおむね』精算できる」
これが中小零細企業の決算書としては、「無理のない」「正常な」状態です。
「利益がゼロになるように役員報酬を設定する!」というのは不可能で、この考えに固執するとほとんどの場合は見通しがはずれて予期せぬ利益が出てしまいます。そして、つい「不正な利益調整」をしてしまい、税務調査でそれを指摘されていることが非常に多いです。
★役員報酬については鷹揚(おうよう)さが必要
「とりあえず多めに役員報酬を取っておこう。」
「会社の資金が不足したら自分が会社に貸せばいい。」
「いつまでもこれが続くようなら見直せばいい。」
「一生でとれるトータルの役員報酬(納める厚生年金保険料合計)は同じなんだ(笑)。」
といった具合がちょうどいいのです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。