「労働保険料の申告・納付」
「算定基礎届の提出」
税理士、税務署が所得税の確定申告の時期は忙しくしているように、これらの手続に関連している人たちにも忙しい時期があります。
社会・労働保険に関する手続(計算、申請、申告など)が会計事務所(税理士)の業務であると思い込んでいる人が少なからずいます。しかし、これらは会計事務所の業務ではありません。「社会保険労務士」が唯一の公的資格です。社会保険労務士という資格は公正な国家試験に合格した者にしか付与されません。
確かに、法律的にはグレーな部分はあります。しかし、まともな会計事務所であれば社会・労働保険に関する手続は行っていないと思います。「社会保険労務士法27条(スペース)税理士」、ネットを検索してください。しかし、中には事務所のサイトやブログなどで、社会・労働保険に関する業務を行っているとしている会計事務所もあります。
「まずは、顧客と共に考え、悩み・・・、最終的には丁重な態度で最適な役所や専門家へ誘導する」
ほとんどの会計事務所はこのようにしています。「専門外」のことをたずねられたからといって無下に断るのはもってのほかです。かといって、自身の能力を超えた仕事を引き受けて、結果的に顧客に損害を与えてしまうことも避けなければなりません。
◆「にせ税理士」の依頼者には「ろくな人」がいない?
にせ税理士に依頼する人は、飲食店などで見当違いなサービスを要求し、それを拒否されて激怒している客と同じだと思います。「してはいけないことを平然と要求する」客です。要求を受け入れる店も店です。社会・労働保険に関する手続を会計事務所に要求するのもこれに似ていると思います。
◆給与計算を会計事務所に頼んでいる
誤解を生む原因のひとつが給与計算を会計事務所が行っているということです。給与計算は所得税や住民税の徴収が伴うという典型的な税務です。そして、給与計算に「付随して」、給与から徴収する社会・労働保険料の計算をするのは会計事務所でも行えます(というよりも、給与計算ソフトが自動的に計算します)。
◆「税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書」
平成14年6月6日、日本税理士会連合会と全国社会保険労務士会連合会の間で交わされています。これを読む限り、税理士は「提出代行」と「事務代理」はできないようです。「税理士さんに提出してもらっている・・・」、違反なのではないでしょうかね?
◆社会・労働保険に関する提出書類には税理士の署名押印欄はありません!
これも非常に重要なことです。税務申告書のように、税理士に役所との対応を任せることはできないということです。税理士に依頼している場合は、必ずこの件について「その税理士の見解」を確認しておく必要があります。「昔から慣習として認められている」「こんな程度のことは専門知識がなくてもできる」「・・・だって税理士の業務を侵害しているではないか!」では論理が破綻しています。理路整然とした説明ができ、最終的に「責任をもって・・・」といえるかどうかが大切です。
◆依頼している会計事務所の報酬に社会・労働保険手続に関する報酬が含まれている場合
当然、会計事務所に依頼はせずに自身で行えば報酬を減額してもらえます。あからさまに社会・労働保険に関する報酬として請求されている場合は当然として、その他の報酬に含まれている(紛れている)場合も同じです。「これは無料です・・・」はウソです。本当に無料であるならば、税務を一切依頼していない者に対して「社会・労働保険手続だけ」を無料でするはずです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★公的資格を付与するための要件=公正なる国家試験の実施
わが国には、弁護士、弁理士、公認会計士、司法書士など、様々な公的資格がありますが、資格を得るにはそれぞれの職域に関する専門科目を中心とした国家試験に合格することが大原則となっています。社会保険労務士や税理士も当然そうです。税理士試験の科目は会計と税務です。税理士試験には社会・労働保険に関する科目はありません。
以上のような疑義や誤解が生じ、最終的に依頼者に損害が生じないようにするためには、制度そのものを改める必要があります。既成事実からして(税理士業務が社会・労働保険と密接な関係がある)、「税理士には社会・労働保険に関する業務は一切行わせない」は行き過ぎです。ですから、税理士に社会保険労務士試験の一部科目を受験させるとか、厳正な(所定の役所の管理下での)研修の受講を義務付けることが必要だと思います。今後の社会保険労務士法の改正時には必ず俎上に載せなければならない論点です。また、税理士業界としても真摯に検討しなければなりません。
「算定基礎届の提出」
税理士、税務署が所得税の確定申告の時期は忙しくしているように、これらの手続に関連している人たちにも忙しい時期があります。
社会・労働保険に関する手続(計算、申請、申告など)が会計事務所(税理士)の業務であると思い込んでいる人が少なからずいます。しかし、これらは会計事務所の業務ではありません。「社会保険労務士」が唯一の公的資格です。社会保険労務士という資格は公正な国家試験に合格した者にしか付与されません。
確かに、法律的にはグレーな部分はあります。しかし、まともな会計事務所であれば社会・労働保険に関する手続は行っていないと思います。「社会保険労務士法27条(スペース)税理士」、ネットを検索してください。しかし、中には事務所のサイトやブログなどで、社会・労働保険に関する業務を行っているとしている会計事務所もあります。
「まずは、顧客と共に考え、悩み・・・、最終的には丁重な態度で最適な役所や専門家へ誘導する」
ほとんどの会計事務所はこのようにしています。「専門外」のことをたずねられたからといって無下に断るのはもってのほかです。かといって、自身の能力を超えた仕事を引き受けて、結果的に顧客に損害を与えてしまうことも避けなければなりません。
◆「にせ税理士」の依頼者には「ろくな人」がいない?
にせ税理士に依頼する人は、飲食店などで見当違いなサービスを要求し、それを拒否されて激怒している客と同じだと思います。「してはいけないことを平然と要求する」客です。要求を受け入れる店も店です。社会・労働保険に関する手続を会計事務所に要求するのもこれに似ていると思います。
◆給与計算を会計事務所に頼んでいる
誤解を生む原因のひとつが給与計算を会計事務所が行っているということです。給与計算は所得税や住民税の徴収が伴うという典型的な税務です。そして、給与計算に「付随して」、給与から徴収する社会・労働保険料の計算をするのは会計事務所でも行えます(というよりも、給与計算ソフトが自動的に計算します)。
◆「税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書」
平成14年6月6日、日本税理士会連合会と全国社会保険労務士会連合会の間で交わされています。これを読む限り、税理士は「提出代行」と「事務代理」はできないようです。「税理士さんに提出してもらっている・・・」、違反なのではないでしょうかね?
◆社会・労働保険に関する提出書類には税理士の署名押印欄はありません!
これも非常に重要なことです。税務申告書のように、税理士に役所との対応を任せることはできないということです。税理士に依頼している場合は、必ずこの件について「その税理士の見解」を確認しておく必要があります。「昔から慣習として認められている」「こんな程度のことは専門知識がなくてもできる」「・・・だって税理士の業務を侵害しているではないか!」では論理が破綻しています。理路整然とした説明ができ、最終的に「責任をもって・・・」といえるかどうかが大切です。
◆依頼している会計事務所の報酬に社会・労働保険手続に関する報酬が含まれている場合
当然、会計事務所に依頼はせずに自身で行えば報酬を減額してもらえます。あからさまに社会・労働保険に関する報酬として請求されている場合は当然として、その他の報酬に含まれている(紛れている)場合も同じです。「これは無料です・・・」はウソです。本当に無料であるならば、税務を一切依頼していない者に対して「社会・労働保険手続だけ」を無料でするはずです。
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★公的資格を付与するための要件=公正なる国家試験の実施
わが国には、弁護士、弁理士、公認会計士、司法書士など、様々な公的資格がありますが、資格を得るにはそれぞれの職域に関する専門科目を中心とした国家試験に合格することが大原則となっています。社会保険労務士や税理士も当然そうです。税理士試験の科目は会計と税務です。税理士試験には社会・労働保険に関する科目はありません。
以上のような疑義や誤解が生じ、最終的に依頼者に損害が生じないようにするためには、制度そのものを改める必要があります。既成事実からして(税理士業務が社会・労働保険と密接な関係がある)、「税理士には社会・労働保険に関する業務は一切行わせない」は行き過ぎです。ですから、税理士に社会保険労務士試験の一部科目を受験させるとか、厳正な(所定の役所の管理下での)研修の受講を義務付けることが必要だと思います。今後の社会保険労務士法の改正時には必ず俎上に載せなければならない論点です。また、税理士業界としても真摯に検討しなければなりません。