沖縄県教職員組合から以下のような抗議文が仲井真弘多知事に送付されました。
沖縄県 知事 仲井真弘多様
沖縄県那覇市久茂地3丁目9番23号
沖縄県教職員組合
中央執行委員長 山本隆司
第32軍壕の説明板の記述から
「慰安婦、住民虐殺」の文言が削除されたことについての抗議
貴職におかれましては、常日頃より県民の先頭に立ちご奮闘なさっていることに敬意を表します。しかしながら、今回の 件につきましては県民の意志に反しているといわざるをえません。
第 32軍壕の説明板より、慰安婦ならびに住民虐殺の文言が削除が決定されたことは、これまでたびたび繰り返されてきた県民運動からしても理 解に苦しむところであり、強く抗議します。説明板設置検討委員会が提出した記述に戻していただくよう要請いたします。
ご記 憶でしょうが、1982年の教科書検定時、沖縄における日本軍の住民虐殺の記述を巡って、文部省検定により修正が加えられていることが明 らかになるや「沖縄戦の実相」を否定・歪曲するものとして戦争体験者をはじめとして沖縄県全体から大きな怒りと反発がわき起こりました。 その運動によって文部省(当時)が記述を復活させております。
国・ 文科省を相手にそうやって、教科書に住民虐殺の記述を復活させた沖縄県がなぜ今になって自ら再び記述を削除するのでしょうか。まったく理 解に苦しみます。それは、これまで繰り返し訴えてきた県民の総意を無視する行為であります。
今年 度は、再び新しい高等学校教科書の検定があります。沖縄県自身が「虐殺」を削除するようであれば、史実を正しく表記することなどとうてい できないでしょう。1982年に行われた文科省による歴史の隠蔽・歪曲が、今度は沖縄県公認で行われることになる恐れがあります。
主に 外部からの不当な圧力があることはよく承知しております。政治的意図を持って歴史を歪曲しようとするそのような勢力による動きを許せば、 我が国はまた再び同じ過ちを繰り返すでしょう。それに対して歯止めをかけることが尊い犠牲を払った私たち沖縄県民のつとめだと考えます。 歴史の真実・沖縄戦の実相を訴え続けることが沖縄県の使命であります。是非、第32軍壕の説明文の内容をあるべき記述に戻すよう重ねて要請いたします。