「変な人だな。過去をなつかしむためにきたんじゃない。もっともぼくの方は違うけど。ぼくの方は理恵さんを知りたい、と同時にサスペンスドラマの勉強に」
「待って。わかった。ズレ、ズレなのよ、十年間のズレ。そうね。キッスと同じように実感しなければその味がわからない」
敏彦には理恵の心理が、電車の中にいた時点で理解できていた。それを理恵は知っていたから、飛びとびの話になっているのだ。
(つづく)
「待って。わかった。ズレ、ズレなのよ、十年間のズレ。そうね。キッスと同じように実感しなければその味がわからない」
敏彦には理恵の心理が、電車の中にいた時点で理解できていた。それを理恵は知っていたから、飛びとびの話になっているのだ。
(つづく)