50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

首をひねって見かえる春子に、見なれたテレビに・・・

2016-02-21 11:21:47 | 小説
首をひねって見かえる春子に、見なれたテレビに向かっていた興奮がない。ないのはいいのだが、中山理恵が出演していた他局のテレビを見逃したと思うと、幸男はちょっぴりうらめしい。幼い脇を抱えあげ、股の外に春子を放ち、自身は立ちあがり、再び春子をその場に据えつけている。そうして自身はごろり寝転がっているのだが、鬱うつとしながら、
「勝手な女」
と幸男は呟いた。

(「おしのび」つづく)


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