50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

脇道の角から二店目の・・・

2015-02-18 20:16:28 | 小説
脇道の角から二店目の音楽の店へと折れ、クモは商店街の混雑に一歩していた。しばらくは右耳に曲の嵐。ジャズが後方に逃げ去る時、声の波がぐちゃぐちゃと左耳に凝る。「あらあっ」その波からよくとおる声が一個飛びだしてきたのだ。変声期前の少女の風に、
「おじさまあ」
ショウウインドウの前でたちふさがれたクモ、女は外人の女と見違えるくらいな女と見えるが、デパートの冷気に煽られて、胸で二つの大きな塊はいつもの暑苦しさがない。つまりクモにとって嫌味ではない女の胸なのだ、今日は姪は。

(つづく)


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