以前から東電の記者会見がネットで生中継されているのは知っていたが、
どうせ言えることしか言わない隠蔽会見なんか見る価値無いと思っていた。
しかし、それを注視している人が少なからずいるということは、
全くの時間の無駄というわけでもなさそうなので、
昨夜の WEB岩上 と ニコニコ生放送 を視聴してみた。
結果からいえばやはり不手際を装った隠蔽大会であることに間違いはないのだが、
それでも見るべき箇所はあった。
その1 注水は最大限行われているわけではなく、計算上蒸発していると思われる量を注ぎ足している。
一ヶ月も注水してるのになんで炉心の燃料棒が水没しないのか、やっとわかった。
つまり水没させたいけど、いっぱい入れると水蒸気圧が高まって、
炉心の放射能まみれの湯気を大気に開放しなきゃいけないから、
圧力容器に負担をかけない範囲でしか注水できないってこと。
しかもすでにあちこちから漏れちゃってるので、
通常運転並の圧力はかけられないってこと。
その2 水素は被覆管のジルコニウム合金からだけではなく、放射線が水を分解することによっても増える。
つまり、使用済み燃料保存プールが原因の水素爆発は注水で抑えてるけど、
炉心での水素発生は注水だけじゃ止められないってこと。
なので、1号機の格納容器上部に水素が溜まってるから窒素圧で追い出そうとしたけど、
すでに格納容器の気密性もあやしくて、あんまり圧力が上がらないっていう・・・・
その3 汚染水が海に流れ出すのは止めたが、しかし思ったほど海水中の放射能が減っていない。
これはちゃんと説明があって、
拡散防止用にフェンスやら板やら入れたので、沈んでいたものが攪拌されたかもしれないが、
もしかすると海面下に別の地下水流出ルートがあるのかも、だって。
その4 震災発生後一ヶ月目にして、ようやく外部設置用熱交換器を手配。
「発注じゃありませんよ、手配ですよ」と強調していたので、
いまだに既存施設の完全復旧を目論んでいるふしがあるが、
あれだけの地震と爆発の目にしていながら、あまりに楽観的過ぎないかね?
つか、素人のワタシでも、仮設循環冷却設備の構築を先行、
もしくは復旧と同時進行でやったほうがいいと思うんですがね・・・
とかまあ、TV(特に民放)では多分流れないであろうハナシがチラホラと。
HNKは親方の政府には配慮しなきゃならんけど、
民放みたいに大スポンサー様である電力会社に配慮しなくてもいいだけちょっとマシかなって。
電波メディアはこんな状況だけど、
新聞雑誌等の紙メディアは、時々海外の専門家の意見を載せている。
実際にフクシマを見ていないから、細かい部分は予想と予測の域を出ないし、
IAEA自体がウラン鉱山利権の代弁者みたいなものだし、
即座に鵜呑みにするわけにはいかないのだが、
それでも政府&東電の隠蔽体質と後手後手ぶりがうかがい知れたりするわけで・・・