海月美紗のしょうかっこう

小確幸とは 小さいけれども確かな幸せ という意味
何気ない毎日のなかで 小さな幸せを見つけたい

11月25日(月)寶蔵寺の紅葉と十月桜

2024年11月25日 | 神社仏閣

ライトアップした紅葉と桜がきれいだったから、昼間の寶蔵寺も見てみたいなと思って

平出山摩尼院寶蔵寺(ひらいでさん まにいん ほうぞうじ)

801年、征夷大将軍 坂上田村麻呂が東夷征討の戦勝を祈願するために創設

真言宗豊山派、奈良県の長谷寺が総本山、宗祖は弘法大師(空海)

本堂

1948年に新築、旧客殿は1647年に十八代相馬当主義胤公により建立、御本尊は不動明王(真言宗(密教)の根本本尊である大日如来の化身)

仁王門と「不許葷酒入門内」石碑

弁財天堂と楓、推定樹齢は約400年

鐘楼堂

1445年鋳造、1580年郷胤公・盛胤公により改鋳、だから屋根に九曜紋

虚空蔵堂

1184年創建、1692年昌胤公により再建、1863年焼失、1865年再建

御本尊は能満虚空蔵菩薩、丑寅の方角を守るところから該当干支の護り本尊

御本尊が摩尼宝珠を手にすることから別名「摩尼院」とも号する

向かって左側に手毬をもつ阿形の獅子、向かって右側に子獅子をあやす吽形の獅子

手毬は透かし彫りで中に入っている玉が動く、たてがみや尾が流れるよう、なかなか堂々とした立派な狛犬で子獅子の表情もいい! 石工は原町の石川慶夫

弘法大師像

赤、橙、黄、黄緑、緑… 暖かい陽ざしにキラキラと輝いて美しい!

十月桜が青空に映える

ライトアップされた夜桜とちがって艶やかさはないが、かえって可憐で秋の桜らしい

きれいに手入れされた境内は散歩していて心地よい…


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11月11日(月)浪江・双葉の被災した狛犬たち

2024年11月11日 | 神社仏閣

予報通り今日は晴天。2週続けて県南の狛犬巡りをしたので、相馬の近くにも狛犬がいないかと思って出かけてみることに…

 

初發神社(浪江町北幾世橋)

御祭神:天之御中主神

相馬中村藩第二十一代藩主昌胤に由縁のある神社。神社の復興資金をクラウドファンディングで募り、2018年12月に改修工事完了。相馬藩の家紋・九曜紋が社殿の屋根や狛犬の新しくなった台座に付いていた。

昭和時代に奉納された狛犬

大正時代に奉納された狛犬

クサ野神社(浪江町請戸)

東日本大震災の津波で流出した社殿が、今年2月に再建された。社号標はもとの境内にあったもの。もとの4体の狛犬のうち2体が見つかり境内の一角に奉納された。

大小2体のうち、大きい方の狛犬は野田平業が彫った狛犬。台座に「彫刻師 野田平業作」と刻まれている。昭和17年(1942)2月28日建立。被災した狛犬は津波で流されて、発見後しばらくの間は墓地に仮置きされていたという。

小さい方の狛犬も無事に奉納された。石工は大和田吉治、昭和3年2月28日建立。2体ともそのまま廃棄されても仕方がないくらいのダメージを受けている。

真新しい社殿の前には真新しい狛犬が奉納されていた。被災した神社の歴史を何百年も先の後生に伝えるために、今までの狛犬とこれからの狛犬が一緒にここにいる。

 

標葉神社(浪江町苅宿)

第13代成務天皇の頃(縄文時代の頃?)染羽国造(しめはのくにのみやつこ)に任じられた足彦命(たらしひこのみこと)が白幡天王を祀ったのが始まり。「染羽」は8世紀頃に「標葉」に変更された。御祭神は須佐之男命。境内には御神酒殿があり、春の祭りで奉納される「どぶろく」が仕込まれている。

震災で社殿に大きな被害はなかったものの、本殿周囲の玉垣や鳥居、石の階段などが倒壊。改修工事が完了した2019年4月、震災と原発事故後初めてとなる祭りが開かれた。震災前は11月に開かれていたが、復興への願いを込めて建立された祈願碑の除幕式も同時に行い「復興祭」として開かれた。

渦巻く波のようなたてがみと尾、そして眉毛。勇ましい表情の阿形の狛犬。吽形の狛犬の前後では2頭の子獅子たちが今にもけんかを始めそう、母獅子が前足で子獅子を押さえている。

 

相馬中村宮初發神社(双葉町)

妙見信仰に篤かった相馬藩によって建立された神社で、寛政3年(1791年)創建。

震災後は避難区域となり、神社の御神体は約10年間、宮司と一緒に避難していた。神社の所在地は放射線量が高くて許可証なしでは立ち入ることができなかった。できることから始めようと、2015年に氏子たちがしめ縄の掛け替えを再開。2019年11月に社殿の修復が完了。2020年3月に立ち入り規制が緩和され、2020年11月に御神体を神社に戻す儀式が行われた。

厳しい表情の狛犬たち、人々が誰もいなくなり神様でさえ遠くに避難していた間、ずっと社殿を守り地域の復興を信じて待っていたのだろうか…

 

八幡神社(双葉町中野)

大津波で全壊し原発事故で立ち入りが制限されていたが、国営の追悼記念施設「復興祈念公園」の敷地内に再建が許可された唯一の神社。

双葉地区には未だ帰還困難区域の指定が解除されず、本来の鎮座地で祭りを行うことが困難な神社が数多くある。そうした神社を遠く離れた場所から遙拝するための合祭殿が新しく併設された。

前に来たときは壊れた石材がガラガラと散らばっている状態だったが、今は境内がきれいに整備されている。白い車でやって来た老夫妻が社殿のまわりを掃除していた。「今日は11日だから。毎月11日にはここに来る」「ここは海岸から500m、前は集落があったが今はもう住めない、氏子たちはここに戻って来たくてももう戻れない」

神社のすぐ隣の家が撤去されずに残っている。屋根瓦が崩れて窓が開いたまま、破れたカーテンが風になびいて…

神社の「八幡」と刻まれた石柱は、あえて震災当時のままに残してあるのだろう。

 

 

 

 

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11月9日(土)棚倉・八槻都々古別神社

2024年11月09日 | 神社仏閣

棚倉町には都々古別神社が二社鎮座している

八槻都々古別神社は、江戸時代頃に「近津三社」(馬場都都古別神社・八槻都々古別神社・下宮近津神社)と総称された三社の“中宮"にあたる

天保11年(1840)建立の狛犬。最近出てきた神社の古文書から、高遠から来た旅石工の留蔵と力蔵が彫ったことが判明。

石垣の上に台石が二段、その上に猫足に支えられた台座と狛犬がのっている

寄り添って立つ2本の杉には、縁結びと長寿の神が宿るとか

八槻都々古別神社は延喜式神名帳に記載され、「奥州一宮」として崇敬されてきた古社

随身門の中の狛犬、怖そうだけど何となく愛嬌のある阿形・吽形の狛犬たち

御祭神は農業の神·味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)と日本武尊(やまとたけるのみこと)

拝殿と本殿は朱塗りの塀で囲まれ、厳粛な雰囲気…

社宝として銅鉢、木面十一面観音立像など数多くの貴重な文化財が遺されているということ

本殿は正徳元年(1711)に焼失した後に享保年間(1716〜36)に再建

三間社流造(さんげんしゃながれづくり)を基調としながら奥行きが通例より長く独創的、彫刻などの細部装飾もとても華やか

福島県内でも江戸時代中期を代表する本殿建築のひとつ

木立の中から聞こえてくる水音をたどると「都々古の森の池」の立て札、なんて素敵なネーミング!

池の水を循環させているんだろう、きれいに澄んでいて清々しい…

境内には大きな木がたくさん、鳥居を入ったとたんに空気が変わる、凛として厳かな雰囲気

縁結びの杉の木の根元に小さな祠、正面に可愛らしく ♡ が彫ってあるのが印象的だった 猪目?

2024.11.9 参拝

 

 

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11月9日(土)ふくしま県南·狛犬めぐり Ⅱ

2024年11月09日 | 神社仏閣
今回は常磐道を南下、富岡から川内を抜けて、滝根〜平田西まであぶくま高原道路。 約2時間半で棚倉町に到着。といっても鐘鋳神社は浅川駅のすぐ近く
 


一色鐘鋳神社(棚倉町)
石工:小林和平
建立年:昭和9年(1934年)
棚倉町一色は和平さんの妻ナカさんの生まれ故郷。石川町の石都々古和気神社(昭和5年)、古殿町の古殿八幡神社(昭和7年)に続く飛翔獅子で「和平の三大狛犬」。
阿形の狛犬は筋骨隆々で威厳のある顔、尾はくるくると渦巻き、大輪の花も。吽形の狛犬には2頭の子獅子が寄り添っている。
杉木立の中にある神社はひっそりとしていて、鳥居も灯篭も狛犬もみんな苔むしている。今日は日ざしがあって暖かいはずなのに、ここは空気がひんやり… 顔に日が当たって、まぶしいよ!とでも言っているような可愛らしい子獅子だった。
 

八槻都々古別神社(棚倉町)
御祭神:日本武尊、味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)
石工:留蔵、力蔵
建立年:天保11年(1840年)
厳かな雰囲気の奥州一宮 八槻都々古別神社。境内には、高遠から来た旅石工の留蔵と力蔵が彫った狛犬が奉納されている。
石段の上に台石が二段、その上に猫脚に支えられた台座と狛犬がのっている。阿形の狛犬の表情は凜々しい。吽形の狛犬の表情は優しく、じゃれついて母獅子を見上げている子獅子が可愛らしい。
 

熊野神社(鮫川村)
石工:小松寅吉
建立年:明治31年(1898年)
熊野神社は田んぼに面した静かな山の中にある。案内板がなかったらたどり着けないような…
川田神社に続き、寅吉2作目の飛翔獅子。この後、村社鹿島神社で飛翔スタイルが完成される。小松寅吉の三大飛翔獅子の一つ。
阿形の狛犬の目力の強さ、今時のモデルさんみたいに顔は少し小さめ。吽形の狛犬には乳房がついている。2頭の子獅子は親獅子に寄り添いながらじゃれあって楽しそうな笑顔。
あたりは樹齢何百年というような大きな杉木立で囲まれ、苔むした灯篭と狛犬たちも静かに時間を刻んでいるよう…
 

八幡神社(鮫川村)
御祭神:誉田別命(ほんだわけのみこと)
石工:野田平業
建立年:年代不明
道路から見上げるように鳥居が建てられ、その手前に一対のどっしりとした狛犬。野田平業の最高傑作。
阿形の狛犬は口を大きく開けて勇ましい表情、足元まで尾が流れている。やんちゃそうな顔をしている子獅子だから父獅子と一緒にいるの? 吽形の狛犬の足元には見事な透かし彫りの毬。中はくり抜かれ、その中に玉が入っている。玉をつつくとコロコロと動いてビックリ!
鳥居から山の上の方に伸びている急な長い石段を上ると、建て替えたばかりなのか総ガラス張りのきれいな社殿が鎮座していた。
 
古殿八幡神社(古殿町)
御祭神:誉田別命
石工:小林和平
建立年:昭和7年(1932年)
源頼義が東蝦夷追討の際に祈誓したことに由来して1064年に建立された。
阿形の狛犬は後ろ足を蹴り上げ雲の上に乗っている飛翔獅子、尾は渦巻き状で背中まで伸びている。大輪の牡丹が華やか。
吽形の狛犬は優しい表情、母獅子の胸元に一頭と顔の脇にもう一頭の子獅子が寄り添っている。子獅子も雲に乗り花をくわえて何やら得意げな表情。
随身門には随身像と狛犬が安置されている。見上げるくらい大きな灯篭の間を通って階段を上ると灯りのともった立派な社殿があり、壁面に流鏑馬の弓が奉納されていた。


石都々古和気神社(石川町)
石工:小林和平、大竹俊吉
建立年:昭和14年(1939年)
石都々古和気神社の南側を流れる北須川の橋を渡ったところに御仮屋があり、一対の狛犬が奉納されている。
阿形の狛犬は筋骨隆々、吽形の狛犬の足下には玉遊びをする子獅子。
 
石工:小林和平
建立年:昭和5年(1930年)
阿形の狛犬は躍動感あふれる力強い飛翔獅子、後ろ足を蹴り上げ雲に乗っている。吽形の狛犬は母獅子と三頭の子獅子たち。母獅子の足元にじゃれあう二頭の子獅子、顔の横に笑顔の子獅子。母獅子が三頭の子獅子を優しく見守っている。
 
小松利平:棚倉の八槻都々古別神社
小松寅吉:中島の川田神社、鮫川の熊野神社、そして白河の村社鹿島神社
小林和平:石川の石都々古和気神社、棚倉の棚倉八幡神社、そして一色鐘鋳神社
昭和に入って野田平業:白河の湖南神社、鮫川の八幡神社
 
石工の方々それぞれの人生があって、個性豊かな素晴らしい狛犬たちが生まれて…
県南がもう少し近かったら、私はもっとたくさんの神社の狛犬たちに会いたくて巡り歩くんだろうなと思う…
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11月4日(月)普門院·信夫文知摺の紅葉

2024年11月04日 | 神社仏閣
文知摺観音は小倉百人一首の歌枕の地、松尾芭蕉や正岡子規などの文人墨客が多数訪れた。現在は、曹洞宗寺院·普門院。

文知摺石
平安前期の歌人・源融(みなもとのとおる)は源氏物語の主人公・光源氏のモデルの一人。按察史(あぜち)として福島市山口を訪れたとき、長者の娘・虎女(とらじょ)と心を通わせたが、再会を約束しながら1ヵ月後には都に戻っていった。恋心を募らせた虎女は再会を願って「文知摺観音」で百日参りをする。しかし、満願の日を迎えても都からの便りはない。悲しみに暮れる虎女が、ふと観音堂近くにある「文知摺石」に目を向けると、源融の面影が浮かんで消えたという。やがて病に倒れた虎女のもとに歌が届く。「陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに」

河原左大臣の歌碑
小倉百人一首の十四番歌
「しのぶもぢずり」は歌枕の地として広く知られるようになった。

虎女と河原左大臣源融のお墓


松尾芭蕉像
「早苗とる 手もとや昔 しのぶ摺」

正岡子規の句碑
「涼しさの 昔をかたれ 忍ぶずり」

鐘楼堂

手水鉢

文知摺観音堂
信達三十三観音第二番札所

東北最北端といわれる多宝塔

多宝塔の根樫

水月庵
歴代庵主と阿弥陀如来を祀る堂宇


床もみじ
窓の外の紅葉が床板に映り込む


すぐわきの道を何度も通っているのに、境内を散策したのは今回が初めて。こんなにきれいに整備されているって知らなかった。
紅葉が色づき始め、風がさわやか。水月庵の床もみじは見事で、午後の逆光でも十分にきれい。11月20日頃になると真っ赤に色づいた紅葉が息を呑むほど美しいという。

新緑の頃、梅雨の雨上がり、紅葉の季節、雪景色の頃… ここには四季おりおりの美しさを見せてくれる木々や草花がたくさん。
この次に訪れるとき、絵葉書にあるようなきれいな風景が撮れるだろうか…












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