令和6年度 第1回石川町歴史民族史旅館企画展、少し前に新聞で記事を見つけ、必見だと思っていた!
石川郡浅川町福貴作(ふきざく)では「福貴作石」と呼ばれるきめが細かく細工しやすいと同時に摩耗しにくいという良質な石が産出される。それに着目したのが、信州高遠藩出身の石工小松利平。利平の高度な技術は、小松寅吉、小林和平へと受け継がれ、三代にわたる天才的な石工によって数多くの作品が残されたという。
小松寅吉布孝(のぶたか)
弘化元年(1844)~大正4年(1915)現石川町山形の高原家の長男として生まれる。小松利平の弟子として丁稚奉公。慶応2年22歳の時、利平の長男彦蔵と養子縁組。
小林和平
明治14年(1881)~昭和41年(1966)現石川町沢井で生まれる。12~3歳で小松寅吉に弟子入りする。27歳で小林ナカと結婚し、独立する。3人の子どもを亡くした悲しみを、子獅子に託して彫ったといわれる。
灯籠頭頂部狛犬(実物)
大正2年頃に寅吉さんが制作したものらしい。底部にサク跡が残っていることから、狛犬は固定されずに灯籠の上部に置かれていたことが分かったという。落ちて当たり前、落ちないのがすごい!
石都々古和気神社御仮屋の狛犬(復元)
(上)は真下から、(下)は離れた場所から狛犬を見た感じ、微妙に印象が違う。(下)の方が真っ直ぐに目線が届いて迫力がある。和平さんは、この角度から見てほしくてこの狛犬を作った。
石川町沢田にある小林家に伝わる工具類
このツチやノミだけで、どうすると四角い石からあの狛犬たちが生まれるんだろう…
小林和平工房内の写真
この写真に写っている神馬は、中島村の羽黒神社の境内にいる、あの足の折れた馬ではないか…? という妹の推理。当たっていると思う。
会場に展示されている狛犬のパネル。これは、八槻都々古別神社の小松利平作(推定)の狛犬。ほかにも見覚えのある狛犬たちがたくさん!
まだ見ていない作品のパネルをチェック。上から、保土原神社(須賀川市)の飛翔獅子~和平、坂本観音(白河市東)の牝馬~寅吉、須賀川牡丹園の天宇受売命(あめのうずめのみこと)~寅吉、長徳寺(浅川町)の棟飾り~寅吉
小松寅吉・小林和平の主な作品。年代順に整理されていて非常に分かりやすい!
まだまだ見ていない作品はたくさん。次回の狛犬めぐりの計画を立てよう!
まだ新しい歴史民俗資料館の記念すべき第1回企画展! 館内には狛犬に関するパンフが置いてあり、狛犬のアクセサリーも販売している。
「石工」という職業が当時はそれほど地位の高いものではなく、周囲からの評価も十分ではなく、だからこそ寅吉さんも和平さんもプライドをかけて自分の技を磨いてきたんだということがよく分かった。
棚倉町の甘盛堂でお土産に買った「狛犬めぐり」の焼き菓子。狛犬の焼き印がかわいらしく、食べるとママドールみたいな味がして美味しい!
2日間の狛犬めぐりは楽しかったなぁと思い出しながら、コーヒータイム。次回の狛犬めぐりは、もう少し暖かくなって、でもヤブ蚊が発生しないうちに実行しよう!