ウェネトさまの館

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「伝説の洋画家たち 二科100年展」(東京都美術館)

2015年08月12日 21時36分11秒 | 展覧会・美術関連

東京都美術館「伝説の洋画家たち 二科100年展」の特別鑑賞会『二科100年展ナイト』に参加したのでございます。


http://www.nika100th.com/→公式サイト
http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_nika100.html→都美術館サイト

日本三大公募展のひとつである二科展は、1914年結成の二科会によって同年開催され、戦時中の一時期を除いて毎年継続し、今年で100回を迎えるのでございます。

本展の副題は「二科100年展」なれど、お題は「伝説の洋画家たち」
ゆえに実際に展示されておるのは、既に星となり伝説となった作家達で、第53回展の吉井淳二まででございます。

「草創期」「揺籃期」「発展そして解散」「再興期」の4期に分け、約100名の作家の約120点が展示。
洋画家たちだけでなく、彫刻家たちの作品も。

全て二科展に出品された作品というのが驚きですのぅ。
なお会期中展示替えあり、昨日から後期の展示。

以下、わたくしのお気に入り作品や気になった作品をご紹介いたしまする。
(会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものでございます)

〔第1章〕草創期 1914-1919年 第1-6回展

空いている会場で観られるのが嬉しゅうございます。

★岸田劉生《初夏の小路》 第4回展(1917年 下関市立美術館)

この道をどこまでも歩いてゆきたくなりまする。


★関根正二《姉弟》 第5回展(1918年 福島県立美術館)

この章で、ぱっと観た途端に何故か一番心に響いた作品。
関根正二は16歳からほぼ独学で絵を描き始め、19歳でこの作品を描き、翌年20歳で病気でこの世を去ったという…

気になった作品としては、

★有島生馬《鬼》 第1回展(1914年 東京都現代美術館)

この鬼、アサリ売りのおじさんをモデルにしたのだとか。
第1回展出品作の重要な作品ですが、あたくしの好みではなかったのですわ。
(ごめんよ生馬~)

前期展示の村山槐多《庭園の少女》も観とうございました。


〔第2章〕揺籃期 1920-1933年 第7-20回

この章はお気に入り多数でございます。

★国枝金三《栴檀の木の家》 第8回展(1924年 大阪市立美術館)

本展でひとつだけお持ち帰りできるなら、お部屋に飾って和めるこちらにしますかのぅ。


★藤川勇造《マドモアゼル・スザンヌ》 第9回展(1909年 東京国立博物館)


★佐伯祐三《リュ・ブランシオン》 第13回展(1925年 個人蔵)


★東郷青児《ピエロ》 第15回展(1926年 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)

そこはかとなく哀愁漂うクマ。


★古賀春江《素朴な月夜》 第16回展(1929年 石橋財団石橋美術館)

本展でひとつだけお持ち帰りできるなら、こちらを頂きとうござります。
ああしかし、国枝金三の《栴檀の木の家》もお持ち帰りするのじゃった。
むむむ~


★鈴木信太郎《象と見物人》 第17回展(1930年 一般財団法人そごう美術館)


気になった作品。

★小出楢重《帽子をかぶった自画像》 第11回展(1924年 石橋財団ブリヂストン美術館)

等身大の鏡を見ながら自分の姿を描き始めるもうまくおさまらなかったらしく、下に5㎝ほどカンヴァスを継ぎ足した跡が。


★中原實《モジリアニの美しき寡婦》 第10回展(1923年 個人蔵)

モモモ…モジリアニ??


★野間仁根《ぜ ふうるむうん》 第16回展(1929年 愛媛県美術館)

シャシャシャ…シャガール??


〔第3章〕発展、そして解散 1934-1944年 第21-30回展

藤田嗣治の《メキシコに於けるマドレーヌ 》と《町芸人》は、残念ながら撮影不可なのでございます。

★硲伊之助《室より(南仏のバルコン》 第21回展(1935年 硲伊之助美術館)

何たる事!これもお持ち帰りしたいですぞ。
では3つとも…おほほ


★桂ゆき《土》 第26回展(1939年 広島県立美術館)

おお!わたくしのお仲間、ビスうさめいたものが潜んでおる。(ちがいます)
こちらもお持ち帰りじゃ。

気になった作品。

★アンリ・マティス《青い胴着の女》 第23回展(1935年 石橋財団ブリヂストン美術館)

あのマティスも出品しておった事に驚愕。


〔第4章〕再興期 1945-2015年 第31-100回展

気になった作品。
太郎はやはり存在感アリアリですのぅ。

★岡本太郎《重工業》 第34回展(1949年 川崎市岡本太郎美術館)


★岡本太郎《裂けた顔》 第45回展(1960年 川崎市岡本太郎美術館)

 

淀井敏夫《聖マントヒヒ》 第51回展(1966年 東京藝術大学)


観応えある展覧会でありました。
学芸担当課長・山村仁志氏によるミニレクチャーもありまして、今まで殆ど知らなかった二科展の歴史なども知る事が出来、興味深うございました。

観終わって外に出ると真っ暗。
夜のトビカンは初めてですが、ライトアップ綺麗ですのぅ。

会期は9月6日まででございます。