ラ・ロック・ガジャックからほんの10分、ドルドーニュ川沿いに美しい小さな村べナック・エ・カズナックはあります。紀元前200年からの歴史を持つ村で中世にはやはり要塞でした。百年戦争の時代には英国王リチャード1世に征服されたと言う。どの道も上り坂で人影もまばら。
川の水温は暖かく13℃ぐらいで水はきれいなので鱒やたくさんの川魚が棲息しています。シーズンには釣り人で賑わうそうですが生態系を守るため最近は魚釣りを限定していると言う事です。岡の上の館は15世紀のスタイルで19世紀に建てられた退官した大使の館です。此処には10世紀~15世紀には1500人もの貴族がいたそうです。現在でも10人程度いるそうですから驚きます。
中世の姿を復元した運搬船ガバールに乗って川下りをしました。静かな流れと両岸に繰り広げられる美しい風景は心に沁みます。しかし1986年9月11日川が増水し家の一階には住めないほどの被害があり、2001年7月には10時間で5mも水位が上がったそうです。此処にも地球温暖化の兆しが現れているのでしょうか。
中世には最も重要視された要塞都市です。崖に張り付いたようにルネッサン期に次々と建てられた屋敷が見られます。19世紀には村を流れるドルドーニュ川を往来する運搬船”ガバール”で賑わったそうです。ドルドーニュ川に沿って樫や楢に覆われた森林の上の岩面にそそり立つ小さな村は絵のような自然の風景を広げています。