シュタイヤーの近郊に「幼子イエス」という意味の村があります。18世紀に建てられた幼子イエスのための巡礼教会があります。今から300年前、病気がちの一人の作曲家が老いた親を看取るまで生かして欲しいと自ら彫った木彫りのキリスト像に、朝な夕な祈っていた。すると奇跡が起こり親を看取った後、彼は82歳まで生きる事が出来た。今でも巡礼の人々が絶えないと言うことです。心に沁みる静謐な世界、雪に埋もれた巡礼教会。
小さな広場に5、6軒のお店。シュタイヤーは鋳物の街でもあり、鋼鉄をたたいてペンダント・トップやブローチを作って売っているお店があった。眼の前で”トカトントン”と赤い鋼鉄をたたいています。覗いてみたのですが、デザインがいまいちで手が出なかった。現在は自動車産業も盛んだそうです。
旧市街の入り口です。右の古い門を入ると17世紀に建てられたランベルグ城への道に続きます。現在は市役所と図書館になっているそうです。左は旧市街への道、200メートルも進むと街の中心シュタット広場。クリスマス・イルミネーションが見えます。
ザルツブルグとウィーンの中間に位置するシュタイヤーは1884年ヨーロッパで最初に電気の街灯がついた街だそうです。旧市街は中世の面影を残した美しい街です。エンス河の川岸に集まる白鳥や鴨の群れが冬景色を一層引き立てています。
昼食にグラーシュが出ました。牛肉のトマトソース煮込みです。ハンガリーからドイツ、オーストリアへ伝わった。そう、ハンガリーで食べた事がある。パプリカの香りがよく牛肉は柔らかく美味しいシチュウです。コロッところがっているのはダンプリング。挽肉の入った蒸しだんご。これをくずしながらいただきます。旅行中でこれが一番美味しかったかしら?もう少し格好よくお皿に盛ればいいのにね。
モーツアルト・クーゲルンを買いに行って、シュトーレンを見つけました。大小のシュトーレンがウインドウに並んでいます。シュトーレンが欲しいと言ったら「何グラムの?」と聞かれた。目方なんですね。面倒なので「Small One」と応えたが、6.9ユーロ。ケーキ屋さんのシュトーレンはやはりケーキ屋さんの味です。真っ白に粉砂糖を被り銀のリボン,エレガントですが、パン屋さんのシュトーレンの方が素朴で民族的な香りがして良いと思った。
モーツアルトの肖像のついた丸いチョコレート、モーツアルト・ク-ゲルンは1890年このカフェ・フュルストで作られたそうです。オリジナルは銀色です。1個1ユーロ、少々お高いので自分用に3個だけ買ってみました。手作りらしく中のマーブル層が規則正しくない。甘すぎて…ね。何処にでも売られている金色のクーゲルンの方が甘さよりスパイスが効いて、好き。
アルター・マルクト広場に面して、創業1705年、オーストリアで最も古いカフェがあります。カフェ・トマセッリ。カラヤンは勿論、モーツアルトも訪れたそうです。短い自由時間、 マーケット廻りに費やしてしまったが、コーヒーを飲んできたという賢い人もいました。