少々足が痛いからといって何もせずに休んでいたら、すべてがリセットされるどころかさらに気力や体力が落ちてゆく。
それも経験上わかっているのだが、華麗なる加齢と切った貼ったの傷だらけの体はそうなると心が酷く萎えてしまい、一度ふさぎ込むとなかなか抜け出せない。
「むっちゃん」と東京マラソンを走ろうと約したその後すぐ、やがては話せる時が来るかもしれないが今はとても人には打ち明けられないキズがぱっくり口を開け呑み込まれた。
鬱々と落ち込むのをなんとかしようとAmazonプライムで映画を観まくり、手持ちの古いフィギュアやプラモを引っ張り出して25、6年ぶりにジオラマを作ってみたりして、
好きなことだけをただただ愚直にやり続けた。
一週間経って、ようやくこれじゃイカンと外へ歩きに出た。
土手から白鬚公園へ出て白鬚橋を渡って汐入公園に入り、
ようやく体が暖まってきて腕まくりをして早足になると、向こうから走ってくる女子に手を振られた。
よくよく見れば「むっちゃん」ではないか^_^
このオヤジと会って東京マラソンを走る約束をしてから、1日おきくらいに走っているのだそうな。
「むっちゃん」と話して励まされ、ゆっくり少しずつやるしかないんだと自覚して自宅に戻った。
翌日、今日こそは少しでも走ろうとウェアに着替え、以前やっていたようにストレッチをして体をほぐし、ランニングアプリを起動してから土手の遊歩道をゆっくり歩を進めた。
1㎞のペース10分20秒とアプリのお姉さんが告げる。
2㎞10分35秒、3㎞10分52秒、走っては歩きを繰り返すだけでちっとも継続して走れない。
歩いていてもながらスマホのお兄ちゃんにラクラク抜かれる、足に違和感を感じて立ち止まる、何が悪いのか考える・・・⁉️発条だ、膝のバネが錆びついたように動かないのだ、推進力がころされて無駄な力が入っているのだ。
完全に初心者の歩み、走り・・・。
ここ数年のブランクが体からきれいさっぱり走る基本能力を消してしまった。
頭ではわかっているのに体が言うことをきかない。
これまでけっこう歩いていたつもりなのに、走るとなったらまるで勝手が違う、頭でっかちが先走って体がついていけないのだ。
それでも騙し騙し走ったり歩いたりを繰り返し、隅田川の遊歩道を
桜橋で折り返して7.2㎞、ちっともペースは上がらないのに息が上がる、心拍数は上がる、それで思った。
たったの7.2㎞なのにこの喘ぎ、足の痛さ、疲れは、フルマラソン30〜35㎞あたりの状態だと。
久しぶりに汗をかき心拍数をあげて、足を引きずりぎみに歩いて8.9㎞、風呂上がりに膝の裏と足の裏に湿布を貼って寝た。
翌朝、両脚が筋肉痛。
歩きと階段の上りはまだしも、階段の下りは手すりにつかまってヒィヒィだ。
しかしこれをのり超えれば筋肉が強くなっていくはず、なんにせよ継続は力なり、これに尽きる。
休息も必要だけど、さ。