こういってはなんですが、ひっさびさの恩田陸のちゃんとした作品。面白かった。
ここのところ、薄い作品が続きましたからね。←10年くらい。
そしてさらに久々に、タイトルが内容をほんのすこーし表している作品。
わたしの意見では、恩田陸の作品はほとんどまったくタイトルが内容を
表してませんからね。まあ今回も無理くり考えれば、程度だけれども。
恩田陸は現実から話を作るね。あまりにもわかりやすすぎて、若干微妙ではある。
が、ここまであからさまだと文句をいう気にならん。
この人はほんとにサスペンスの雰囲気作りが上手い。
息をするようにサスペンス。途中、ミステリ風になる一瞬があるんだけど、
基本的にはサスペンス。そこはほんとに尊敬する。
で、そのサスペンスのまま、けっこうページが進むんだよね。
小説の全体を起承転結とするなら、この人の話は起起承承承承テケッ!って感じ。
とにかく承が長い。ここを書くのが好きなんだろうね。起が好きな作家もいるけど。
結論がかなりヨワイ。尻すぼみ。結論部が起承部分くらい鮮やかだったら
ものすごく名作だらけだと思うよ。
まあそれでも面白いと思うので、読み続けているわけですけども。
東日本大震災から思いついた作品――だと思ったが、
実は東海村の臨界事故に原点があるそうだ。茨城県の高校に通った作者からすれば、
身近に感じる事件だったろう。その後に東日本大震災。
宮城県を一応のふるさととする作者にとっては、これもまた一種のしるし。
だがその世界線の深刻さを、今回恩田陸は小ネタではぐらかしているね。
「いい日旅立ち」をBGMに使うなど。太陽にほえろネタも。
……こういうの、面白いけど、世代もののネタってどうなんだろうなあ。
商品名を作品に入れると、後から読んだ時に古びますよね。
でも30年読まれ続ける作品も少なかろうから、世代ネタはいいのか。別に。
設定はありがちだが面白く、そして主人公(なのか?)のボスはロボットなのだが、
微妙にロボットっぽくない反応が面白い。
ここらへん、詳細に検討していくと、ロボットじゃない反応も混ざってる気もする。
主役はちょっととっちらかっている財護徳子。
この人、とても面白かったんだけど――やっぱり結が弱いんだよな。
わたしは、恩田陸の書き方だと、もっと最後に大どんでん返しを期待してしまうから、
けっこう普通なことにがっかりする。
生き生きして、広げまくった中盤をそのサイズに合わせて回収できるのなら
大作家なんだけどなー。恩田陸。
まああの話の広げ方だけでお手柄ですけれども。
恩田陸は終結部をもう少し頑張ってほしい。
ここのところ、薄い作品が続きましたからね。←10年くらい。
そしてさらに久々に、タイトルが内容をほんのすこーし表している作品。
わたしの意見では、恩田陸の作品はほとんどまったくタイトルが内容を
表してませんからね。まあ今回も無理くり考えれば、程度だけれども。
恩田陸は現実から話を作るね。あまりにもわかりやすすぎて、若干微妙ではある。
が、ここまであからさまだと文句をいう気にならん。
この人はほんとにサスペンスの雰囲気作りが上手い。
息をするようにサスペンス。途中、ミステリ風になる一瞬があるんだけど、
基本的にはサスペンス。そこはほんとに尊敬する。
で、そのサスペンスのまま、けっこうページが進むんだよね。
小説の全体を起承転結とするなら、この人の話は起起承承承承テケッ!って感じ。
とにかく承が長い。ここを書くのが好きなんだろうね。起が好きな作家もいるけど。
結論がかなりヨワイ。尻すぼみ。結論部が起承部分くらい鮮やかだったら
ものすごく名作だらけだと思うよ。
まあそれでも面白いと思うので、読み続けているわけですけども。
東日本大震災から思いついた作品――だと思ったが、
実は東海村の臨界事故に原点があるそうだ。茨城県の高校に通った作者からすれば、
身近に感じる事件だったろう。その後に東日本大震災。
宮城県を一応のふるさととする作者にとっては、これもまた一種のしるし。
だがその世界線の深刻さを、今回恩田陸は小ネタではぐらかしているね。
「いい日旅立ち」をBGMに使うなど。太陽にほえろネタも。
……こういうの、面白いけど、世代もののネタってどうなんだろうなあ。
商品名を作品に入れると、後から読んだ時に古びますよね。
でも30年読まれ続ける作品も少なかろうから、世代ネタはいいのか。別に。
設定はありがちだが面白く、そして主人公(なのか?)のボスはロボットなのだが、
微妙にロボットっぽくない反応が面白い。
ここらへん、詳細に検討していくと、ロボットじゃない反応も混ざってる気もする。
主役はちょっととっちらかっている財護徳子。
この人、とても面白かったんだけど――やっぱり結が弱いんだよな。
わたしは、恩田陸の書き方だと、もっと最後に大どんでん返しを期待してしまうから、
けっこう普通なことにがっかりする。
生き生きして、広げまくった中盤をそのサイズに合わせて回収できるのなら
大作家なんだけどなー。恩田陸。
まああの話の広げ方だけでお手柄ですけれども。
恩田陸は終結部をもう少し頑張ってほしい。
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