プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< ユリシーズ >

2021年03月19日 | テレビで見た映画。
日本で「ユリシーズ」だったらジョイスじゃないだろうか……。

てっきり「ユリシーズ」が映画になったもんだと思って、
あの平坦な話をどういう風に映画にしたんだろうと思って録画し見てみたところ、
いきなり「オデュッセイア」で、え!?とびっくりした。
まあオデュッセイアの方が好きだからいいけれども。
オデュッセイアならオデュッセイアというタイトルにしないとさー。



イタリア語ではウリッセ?ヴリッセ?らしい。
三ヶ国の言語が関わると固有名詞は難しいですね。
ずーっと昔に中国人とチャットした時に、三国志の話をしようとして
諸葛孔明とか劉備とか英語でいえなくて苦労した。
漢字なら一発なのになあ。でも繁体字だと通じないのか?


さて映画ですが、えー、これは……「オデュッセイア」でした。
まあそれに尽きる。でもそこそこ面白かったよ。

最初のシーンはオデュッセウス帰国前のイタカ王宮。
美しいペネロペが、狼藉を尽くす求婚者の群れに苦しめられている。

――昔から思っていたんだけど、この求婚者の群れは何年も何年も王宮で
くだをまいていて一体何がしたいのかと思う。
立場としてはおそらくイタカ連合の小豪族たち。自分たちの領地もあるだろうのに、
ほっぽって夜な夜な酒盛りしていていいの?何年も?

もっと不思議なのは、そんなことをしててはペネロペに好かれるはずもないのに、
なんで誰かが抜け駆けしてペネロペの心をつかもうとしないのかということ。
皆と一緒に酔っぱらっているより、ちょっとでもペネロペに優しくすれば、
選ばれる確率はぐんと上がるのではないか。


オデュッセウスの苦難の旅の部分は回想。
キュクロプスの島やキルケ―の島、記憶を失ってナウシカアと結婚しそうになったり。
この辺、当時は特撮の最先端の技術だったんだと思う。
若干ほのぼのする。ほのぼのとは違うか。温かく見守りたくなる。

ペネロペの女優さんは美人でしたねー。
シルヴァーナ・マンガーノなる人。ああ「ヴェニスに死す」に出てたのか。
だいぶ前に見たなー。「タジュー」という呼びかけが耳に残っている。


最後はあまりすっきり収束してなかった気がする。
王宮にたむろする求婚者たちをことごとく殺戮して、
話としてはそれでめでたしめでたしで良かった気がするのに、
ペネロペがオデュッセウスの残虐さを嘆く展開。
「アテナ女神よ、元の優しいあの人を返して下さい!」とかなんとか。
はっきり大団円というわけではなく、すっきりしないなあ。

まあでも最後までそこそこ面白く見られました。
「ユリシーズ」ではなかったけど、これはこれで見られて良かった。


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