プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 佐藤直樹「ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の画家」

2021年02月20日 | ◇読んだ本の感想。
北欧の美術って知らないなあ、と思ったので関連本を探してみた。
が、北欧の美術っていって思い出せるのはムンクくらい。ムンク以外の美術家で
調べてひっかかってきたのはハマスホイくらいだった。

ハマスホイって誰ですのん?

そう思った人にぴったりの本。


コロナブックスで薄い本なんだけどね。図版は豊富で、説明文もあまり気負っておらず、
実にさっぱりとハマスホイのアウトラインを教えてくれる。
詳しすぎるのも頭に入りにくいですからね。

ハマスホイは全然前衛的じゃない絵で、普通といえば普通の描き方。
しかし特筆すべきはその寂しさ。ほとんど全ての絵が無彩色で寒々しい。
人間がいる絵もあるけれども、その人間はおしなべて淋しそう。
多くは後ろ姿。モデルは奥さんが多いようだが、表情が見えない。

アンニュイです。不安感をあおるというほどではないのがいいところ。
独特な風情があり、これは日本人はけっこう好きな画家になり得るんじゃないかなあ。
少なくともわたしは気に入りました。
がらんとした屋内をテーマに描く。
人物像には若干フェルメールの遠いこだまを感じる。

ただ自分の家に飾るとしたら淋しすぎるけどね。
購入するとしたらもっと暖かい絵を飾りたい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  < 天国と地獄 ~サイコな... | トップ | < 新十郎探偵帳 > »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

◇読んだ本の感想。」カテゴリの最新記事