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フィギュアスケート 四大陸選手権 2016 男子。

2016年02月25日 | フィギュアスケート。
ショート。


第3グループまではころんころん転びまくり。ああいうのってけっこう連鎖するんだよね。
第4グループはさすがにそこまでではなかったが。

そうか、レイノルズはしばらくいなかったのか……と言われて気付いた。
演技はボロボロだったが、日本語が上手で驚愕した。発音もいいよね。日本アニメを原語で聴きたいんだろう。
今回のプログラムはずーっと動き続けて大変そうだよね。決まったら面白そうだけれども。

フィリピンのマルティネスは、多分フィリピンから出てくる空前絶後のスケーターであるがゆえに応援している。
今後しばらくは出ないでしょう。それともマルティネスが呼び水になってフィギュア選手がちらほら出て来るかな。
ジャンプだめだったけど、体をずいぶん大きく使えるようになってきた。
今回は壮大な曲で、そんなに曲負けしてなかった印象。上手くなったと思う。

田中刑事は失敗に引きずられないようになったね。
高橋大輔のアドバイス、効いたんだろうなあ。今シーズンの躍進を見ていると。
ちょっとした練習方法や気持ち一つでぐんと変わる。頭で考えたことだけが全てじゃないんだね。
しかし今シーズンの調子の良さなら、ホクスタインなんかをかるーく超えて欲しかったぞ。

閻涵は相変わらずジャンプの人。高いし幅もあるしね。
アーロンも同じ系統。でも閻涵の方がいろんなこと出来る感じ。
パトリック・チャンのステップはさすが。ひと頃の無敵ぶりはもうないが。


……っていうか、チャンが沈静化したと思ったら、金博洋がヤバイっす。
曲が始まった頃には、「ちょっと見ない間に動きがだいぶこなれたなー」くらいののんびり感だったのに、
中盤で「この成長ぶりはコワイな」になって、演技終了後は「ヤバイ……」と動揺した。
いや、やばくないですか、コレ?
そりゃジャンプに非凡な才能を持っていたことはわかっていたが、それでも他の要素を伸ばしてくるには
あと2年くらいかかると思っていたのに。この時点でここまで。あっという間に作って来た。
点数はショウマを軽く超え。これでは世界選手権、ユヅルとガチ勝負だよ。
いやー、ちょっとコワイね。いや、すごくコワイよ。わたしはだいぶ動揺。

そのショウマは決して悪い出来ではなく、ちょっとよろめいたりはあったにせよ、
ぎりぎりまで勢いをつけた、攻めた演技だと思って見てました。
3Aきれいで素晴らしかった。
充分高得点を出したと思ったのに……この金博洋の成長ぶりはなんなんだ。

無良くんは25歳にしてようやく大人のクレバーな滑り。力の配分をちゃんと考えていたように見えた。
3A、4Tはきれい。ジャンプは慎重にこなしたね。
90点欲しかったなー。



※※※※※※※※※※※※



フリー。


日本応援の立場からすると少々寂しさはあるが、大会そのものは非常に見ごたえがあるものでした。


まずやっぱりチャンでしょう!
わたしはチャンがここまでやるとは全く思っていなかった。もうピークは過ぎた人だと思っていて、
チャンが滑る前に「男子シングルを中国男子がワンツーフィニッシュか~」と早手回しに書こうとしていた。
そしたらまさかの!大逆転劇。

若い頃の、エレメントをドヤ顔でこなすだけの演技は全く好きではなかったんだけどね。
ソチの前のシーズンだったかな?表現に目覚めて。そのせいで一度バランスを崩したんだよね。
崩したっていっても世界で3位とかなわけだが。でもそれまでと違って失敗もするようになってた。

金博洋の後で演技のインパクトは薄かったとはいえ、この演技はあの頃の、憎らしいほど強かったチャンだね。
まさかここでノーミスをしてくるとは思わなかった。しかも最終滑走で。
完璧。すばらしい。
これで自信をつけられては、世界選手権も厄介になりますな。また強敵としてヤツが立ちはだかるのか。
痛し痒し。まあそれはともかく、今回は素晴らしかった。


金博洋の4回転4回成功も凄かったね。こえぇぇぇぇぇ、と叫んでいた。
表現力についてはショートほどの脅威は感じなかった。ショートはだいぶ滑り込んで来たんだろう。
でもジャンプは素晴らしい。そして今後表現力もついてくるだろうから、すごくコワイ。
ヤツもまた立ちはだかる敵になるなー。こわいこわい。


まさか閻涵が3位とは。正直意外。
演技は良かった。今まで見た閻涵のなかで一番良かった。しかし世界大会でメダルを取る選手だとは思ってなかった。
今回は珍しくしっとりした味が出ていてとても良かった。
まだ19歳なんだねー。大柄なせいか22、3歳のイメージになってた。
まあ彼は今のところコワくはない。今後2回くらい化けたらコワくなる。


上位3人の演技は素晴らしかった。



日本勢は……仲良く4位5位6位。


ショーマはとにかく4回転のどっちかを成功させてくれればなー。そしたら多分3位。だよね?
でも表現という意味では、今回も見惚れていた。
彼は音楽の中にいる。体が音符。バイオリンの単音の旋律が似合うね。
最近読んだ福永武彦の随筆で、「バイオリンは内省的、ピアノは開放的」と書いてあって、
なんとなく納得出来るものがあった。ショーマはバイオリン派。ユヅルはピアノが似合うな。
ネッスンドルマのところが気合いが入って良い。

――そして彼は滑っている時はあんなにキリッとした顔をしているのに、
終わるとなんであんなにぽやんとした顔になるのでしょう。「眠いの?」と訊きたくなる。
まあそういうところも母性本能をくすぐって人気……なのか?


無良くんは今シーズンのプログラムでよーーーーやく「音を拾う」ことに目覚めたようだね。
今までは「そこで盛り上げんでどこで盛り上げるねん!!」というような、
音とほとんど対応していない振付だった。もったいないと思っていた。
今回も、落ち着いていい出来だったとは思うが……上位3選手が素晴らしかったからね。
ショーマとの点数差はほんと微妙でした。ついでにパトリック・チャンと金博洋の点数差もほんと微妙。
これは図ったような点差だと疑うが、今回の点差は妥当だと思うよ。図ったにしても。


田中刑事は、今更だが、序曲と「乾杯の歌」の雰囲気の変え方がいいね。
ベストな滑りではなかったけど、失敗しても持ち直せるようになったのは大きな武器。
あとはインタビューの時、もう少し笑え、というところか。
そういう意味ではもっと演技中の表情を作る努力をしてもいいね。


レイノルズ。後半は体力尽きたけど、あのショートからよく持ち直した。4回転2回跳んだのは立派。
ひたすらキチキチと、折り目正しい演技と感じた。あんな芸風だったかなあ?
スピードでガンガン行くタイプだと思ったが。

マルティネス。ステップアウトが多かったね。後半は落ち着いていて良かった。体を大きく使っていた。
もう少しスピードが欲しいのかな。

宋楠。後半はしっとりして良かったのでは。
わたしはこの人、いつもとにかくジャンプを跳びまくってる人である気がするんだけど、
ジャンプの数って決まってるんだよね?このひたすらジャンプ感はどこから来るんだろう。



※※※※※※※※※※※※



普段ながら見のエキシビション。放送時間が40分ほどだったせいか、粒選りで面白かった。

本郷さん、前にも言ったけど、こういう曲をノリノリで滑れるなら、今度プログラムに取り入れるべきなんじゃないか。
充分強みになるさね。まあ今回のショート、フリーもいいプログラムだからいいけど。

シブタニ組。うっとりするほど美しい。なぜ金メダル争いから一歩遅れるのかわからない。
ドビュッシーの「月の光」。ふわっとした美味しいお菓子を食べているよう。

ショーマは、これがショートでもいいんじゃないかというような熱演。
……と思ったら、去年のショートでしたか。なるほど。バイオリン似合うー。

宮原がこの曲と衣装で滑るだけで、そのイタイケさに泣ける(@_@;)。
高校を卒業した人をつかまえてイタイケというのもあれだが、なんかいじらしさがあるんだよなー。
体脂肪率6パーセントだって。それでガリガリに見えないのは、鋼の肉体だからなんだろうなあ。


次は世界選手権。これがやっぱり最高の檜舞台なので楽しみです。
――ロシア勢表彰台独占だけは阻止してください。楽しみと言いつつだいぶ弱気。






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