戦争も末期となると、国力の薄いところは得てしてこうなるのか。例えそれが本来エースが乗るべき高性能な機体でも、乗るべきエースは既になく、シミュレータのみで実戦経験のない若者に手渡される。それがMS-14Aゲルググ。扱いづらいザクとは違って、きっと高性能で且つ操縦系も洗練された最新型だけに、パイロットが未成年の若者でもそこそこやれるし、生存率も高かったのではあるまいか。本編では大して活躍する事もなく、連邦の白い奴にあっさりやられてはいたけれど、本来乗るべき者が操れば、相当な戦果も期待できたはずではないか。そんなことを思うと実に不幸な、大戦も末期のこの機体。
最初は寸詰まりな腹をちょちょっと延長し、頭ももう少し高さを出せばいいかなくらいに思っていたのに、モデルグラフィックスのゲルググ特集と表紙にもなった哀原善行(仮)さんの超絶技巧のMGゲルググをたまたま見てしまう。
表現された脚の造形が腑に落ちすぎる。ああ! やっぱこうだよな! と。やたら意味不明に外装にベタベタパネル貼ったり、なんかやり過ぎ感のあるスジ彫りした作品を、流行りかというほど良く見る。それはそれで作り手の好みなんだろうけど。好きか嫌いかで言うと個人的には好きではないのだ。好みで言えばあの作例のようなゲルググが良いのだ。まぁあそこまで凄いのは技術的に到底望むべくもないが、脚はこう思うんだよね、と言う問いかけには、激しく同意したいし、初ゲルググだから、やってみようと。
そんな風に思えた、どうもボクです。
ザクだのグフだのなら作った事もあるのだが、いわゆる『重』なモビルスーツはボクの制作履歴には無かった。素組のモデルが醸し出す貧弱さが、これを普通に『重』にする手間を想像するたびに意識的に避けたのだった。そんなボクが何かの拍子に買ってしまったのが1/144、HGUCのゲルググであった。キャノン搭載仕様にも、学徒動員仕様にもなるお得感はあるのだが、頭も寸詰まりっぽいし、胴も短いし、装甲も薄っぺらいし。
もっとこう、『重』なんだから、重苦しくてすいません的な、ゴツくて厳つい奴でいてほしいのだ。
なのでこのHGUCゲルググを、『重』な感じの厳つさを出しつつ、脚は哀原善行(仮)さんの解釈を支持しまくろう(要はダウングレードでパクろう)と。
この8割方無計画な思いつきの記録が以下の通り。
先ずは腹を延ばす。大体5mmくらい(腰はくり抜いた方が、何となくそれっぽくなる)。
胸も少し大きく。前垂れも3mmくらい延長して、太ももも延長してみる。
身長が伸びたので、合わせて腕も延ばす。
太もも、もう少し太ましく厳つさを。
膝ももう少し厳つさ出すため、ぐぐっと厚盛。
ふくらはぎの装甲形状を変更。足は踵を一旦切り離し。これは単にバーニアを強調したいと思っての事。
頭も少し高くしてます。ゲルググは大体どのキットも頭が寸詰まりっぽくて嫌いだったので。
ところどころの装甲は厚みがあるっぽい詐欺装甲に。
足の装甲ももう少し何とかしたくて、なんとかしてみました。
足裏はこんな感じ。バーニアモリモリ。宇宙空間仕様だからやっぱこうでないと。
自然、大きくなりました。
腰と足は、バンダイから出ているディテールアップのバーニアつけたりコトブキヤのアレやコレを付けました。
で、今朝はやっとこんなところまで。
最初の頃と比べると、のっぺり感が薄れ、あちこち弄ってきたせいか、何かカッコよくなってきたような。
ザクと比較すると『重』だけに、結構デカくなりました。ああ、『重』っぽいなと。
今夕はこんな感じに。肩アーマーをちょいと弄って、胸にも追加の板を。
ちなみにこの白いプラ板はタミヤではなく、エヴァーグリーン製。タミヤより柔らかくて、曲面にも良く馴染むし、いろんな形状あるし。
ディテールアップとかにはピッタリな奴。高いけど、適度に柔らかいこのプラ板を知ると、もう戻れんくなる。
それくらい使いやすいのでオススメ。
サフをそろそろ吹きたいかなぁ、というところで悪天候に見舞われ中。
なのでまだ未完成。
そもそも今はこの平々凡々なキットもレア級に手に入りにくくなってるみたい。
MGの量産型ゲルググver2.0とか欲しい気がするけど。再生産も期待できそうにないようで。
色々世知辛いけど、まぁ、次はサフして塗ってからお会いしましょうか。
君も乗ろう、私も乗るわ!(バンダイHGUC 量産型ゲルググその1)