吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

カブ50周年に思う

2008年08月09日 | 思うこと
このところ、生活のパターンを変えたので、すっかりPCから離れてしまいました。

ええ、生きています。経済的にはほとんど死んでいますが。

去る8月1日は、ホンダ・スーパーカブの50周年記念日でした。
僕のカブは21歳なので、その歴史の半分弱ころの誕生となります。

1958年、昭和33年。
まだ太平洋戦争終結からわずか13年。
いったいどんな時代だったんでしょうね。
「三丁目の夕日」のような貧しくても心豊かで、地域のコミュニティが存在した時代?
一方で昭和35年、少年の凶悪犯罪件数は最も少なかった平成2年の6.9倍!
少年による強姦件数は年間4,500件以上!
欲望と暴力の時代?

52年から68年は手塚治虫の鉄腕アトムが「少年」に連載されていますね。
キノコのような形をしたビル群、チューブの中を走る列車、エアカー、そして原子力エンジンの人間型ロボット…。
そんな21世紀は来ませんでした。
あの時代も走っていたカブが、この21世紀初頭においても不動の位置にあるマシンだとはSFの巨匠も思わなかったかもね。

まあ、僕の仕事のパイプオルガンだって、1700年代の品質を完全にモノに出来てはいないわけですし、ステンドグラスも12世紀頃のものが最高といわれています、日本刀も一般に古い物の方が評価が高いですね。

時代というのは、あっちが伸びこっちが縮み、進歩と退行がうねりながら過ぎて行くものです。
さて、これからの時代はどうなるんでしょうね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ステンドグラスで・・・ (ぼーさん)
2008-08-09 20:14:54
こんにちは。
私の通った中・高校のステンドグラスは、戦前のもので、現在復元できないのだそうです。
校舎建て替えの時、最初ステンドグラスは撤去予定だったのですが、貴重なものである・シンボル的なものであるという理由から、移設されました。
大学卒業以来、あのステンドグラスは見てないなぁ。同窓会にも行っていないし。
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古いガラス (ひろなん@風琴屋)
2008-08-10 12:59:35
ぼーさん、ようこそ!

ステンドグラスのみならず、古い板ガラスを好む人は結構います。
今のものより平面度が低くてガラスの向うの風景がなんとなく歪んで見えるヤツです。
古い家の解体現場から集めている人もいるそうです。

歪みのないガラスの製法が確立したのは意外と新しくて、日本では昭和39年頃からだそうです。

新しい方法が確立されると、皆そちらへシフトしてしまいますね。昔ながらのやり方が並存しても良いとも思うのですが、企業の競争の中ではそんな悠長なことは言っていられないのでしょうね。
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