吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

壮絶な世界

2019年05月10日 | 思うこと

腰の療養中のこと。

寝るか正しい姿勢で座ることしか出来なかったので、当然のごとくネット散策が増えたわけです。
しかしながら、ヘタに物欲を刺激しても良くないので、WEB小説で他愛も無い「異世界モノ」なんぞを読んでいました。

恐ろしい!なんという壮絶な世界!

恐ろしいのは物語の内容ではなく、それらの環境。
似た作品の多いこと!
聞くところによると、書籍化されたり、アニメ化されたりすると、類似の作品が本当に百、二百と生まれるそうだ。
その多くは大して続くこともなく立ち消えるようですが。

ファンタジー物というのは基本的に低コストだ。
何しろ「現実性」の調査、取材が不要なんだから。
警察小説じゃ、警視庁の何階にどういう部署があるとかの情報、冒険小説では山の登山道の様子、社会や政治を描くものはそれこそ作家の生命に関わる秘密だとか、特別な手段や努力で取材した知識が必要なわけです。

いろーんなことが「魔法」で片付いてしまったりするとそりゃ楽ですわね。

道具もネット環境とPC、最近は携帯だけの若者も多いらしい。
それで、ヒットしたら書籍化、コミック化、アニメ化の道が開かれてわけです。
ファンタジー物はアニメとも相性も良いですし。
そりゃあ、激しい競争になるのも当然です。

出版社や関連企業にとっても、元々無料でなおかつすでに形になっていて、当たれば大きいというのは魅力的だと思われます。

ただし、ほぼすべての効率の良い仕事というのは低コスト単純連続労働化するものなので、現場は大変だと推測されますけれど。
出版関係者の人的資源はこの関係の仕事でかなり削られているのではないだろうか?

まさに蜘蛛の糸に殺到する亡者の群れのようです。

いやー、壮絶な世界だわ。

ワタシはこの世界の片隅でチマチマやっていきますわ。

 


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