吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

情報の更新

2019年11月04日 | 思うこと

学問や情報は変わるのである。

昔当たり前だとされたことが無意味どころか悪いことだったと判明することはよくある。
気をつけていないと自分も古い誤った常識を振りかざしてしまうかもしれない。

おっさんは要注意だ。

で、今回はどんな話かというと。
名古屋泊まりの翌日、徳川美術館に行ったのだ。
十数年ぶりだと思う。
目的の一つは

徳川家康三方ヶ原戦役画像

通称「しかみ像」を見ることとそのグッズを入手することであった。

  

これは徳川家康が三方原の合戦で武田信玄にボコられて、その敗北を教訓とするため絵師に負けて悔しそうにしている姿を描かせ、それを生涯手元に置いていたというもの。

の、はずだった!

それにあやかって僕も「しかみ像下敷き」なんぞを手元に置こうと思っていたのだった。

だがしかし!展示してなかったし、グッズも無かった。

なぜ!

実は「しかみ像」の由来はガセだったようなのだ。
知らなんだ!

Wikipedia 徳川家康三方ヶ原戦役画像

うーむ、それで美術館での展示やグッズ販売が微妙なことになっていたのか。
検索したらゾロゾロ出て来た。

情報は更新しなければいかんな。
知らずに飲み屋で若者に語っていたら、わかってねえおっさん扱いを受けていたかも知れん。
学術的ツッコミは大歓迎だけどね。

まあでも歴史なんぞというのはそんなものである。

権力者の権力の正当性の裏打ちとか、脆弱なアイデンティティの持ち主の心の支えとか、物語として面白いとか。
事実を事実として明らかにして記録することはとても難しいことなのだ。

理系では動かしようのない事実や定義という定点が多いのだけれど、歴史はその辺が実に弱い。
21世紀の今だってフェイクニュースだの意図的ミスリードだのはザラにあるし、記録を残さない国家だってあるのだ。

それだけに歴史関係は特に情報の更新は大事だな。

というわけで、今回の寄り道もとても楽しめたのだった。


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