吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

重さの真実

2006年03月12日 | 思うこと
以前、リサイクル屋から木工機械を買ったときのこと。

古い鋳鉄製の機械でなかなか良いものだったのですが、面白かったのは店の人曰く、

「このテのものはわからないんですけども、いいものでしょ」

はて、どうしてと思い、尋ねると、

「だって重いですから、目が利かないものを見積もる時は、目方で見るんですよ」

そのときは、「へー」で済んだのですが、よくよく考えると深いかもしれないと思えたのでした。

質量保存の法則を引き合いに出すまでもなく、重さは確かにごまかしのきかないものには違いない。
それに重いものは、流通コストも高いわけで、それ相応の必然性や、付加価値がなければペイしないものが多いんじゃないんだろうか。

自分の知識でカバーできないことを、シンプルなルールで処理するのはプロとして正しい。
確かに見当はずれもあるだろうが、目利きに要する時間や手間を計算に入れれば、その損失は許容範囲内だろう。

軽さをウリにしているものもあるんだけれども、この目方で世のものを見るという視点は面白いかもしれない。

車の目方なんかも、改めてみると軽量化云々とうたっているものがちっとも軽くなかったりなんてことはありますね。
まあ、たいていこの場合は「~としては」とかいう条件がつくわけですけど。

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