吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

ちょっと燃え尽き

2006年04月12日 | オルガン
ある秘密作戦というのが一段落しました。

東京のとあるビアレストランにシアターオルガンという様式のパイプオルガンがあったのですが、そのお店の閉店にともなって、そのオルガンが産業廃棄物になるという危機を迎えていたのです。

幸い、関係各氏の善意によって、そのオルガンの受け入れ先も決まり、そこで実行部隊としての風琴屋ひろにゃんの参加となったわけです。

スケジュールがあらかじめ決められていたので、その枠内で解体撤去をしなければならなかったのですが、いや~、がんばりました。
まる2日半、仮眠を何回かとっただけで頭と体力フル稼働でした。

たまには、自分の能力を確認するためにも、うんとキツい仕事をするのは良いものですね。
体力的には20代の頃より楽になっている気がします。

でもちょっと燃え尽きているんですけど。

今回の件のすばらしいところは、本当に関係者の無償の善意によって支えられたプロジェクトだということです。
このオルガンを長年演奏してきた方、新旧所有者、ファンの方々、そういった人達みんなが喜べる結果になったこと、また、私もそこに助力できたことを本当にうれしく思います。

特に、現場でともに働いてくださった方々には感謝いたします。
こういった即席チームによる徹夜仕事は危険な上に、誰かひとりでも精神的に限界を迎えたりすると、いとも簡単にチームは崩壊してしまうものなのです。
参加された方々ひとりひとりが、この作業を他人に強いられたことではなく、自分自身のことと受け止めて踏ん張ってくださったからだと思います。

さて、燃え尽きてないで仕事をしなきゃ。

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2 コメント

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おつかれさまでした (ねこじじ)
2006-04-22 22:47:43
 たいへんなおしごと、お疲れさまでした。

 いつか、新たに移動されたオルガンが演奏されるのを、きいてみたいですね。
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ありがとうございます (ひろなん@風琴屋)
2006-04-23 09:06:24
ねこじじ様 ようこそ!



かろうじて救出した楽器ですが、現在まだ再組み立ての目処は立っていません。

良好な状態で保存するために、まだひと仕事しなければなりません。



次に組み立てるときは、きっとこの楽器を軸にして、また素敵な人達に出会えると思っています。



これが、楽器に関わる仕事をする者の楽しみですね。



また、どうぞ!



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