吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

いつの日かと 恐れていた

2022年04月30日 | 自分のこと

いつの日かと 夢見ていた。

出典は太陽の牙ダグラムだ。わかる人はいずれ飲み明かそう。
最近一部では見直されているらしい。
太陽の牙ダグラム さらばやさしき日々よ

とある事情で解体されているパイプオルガンがうちに来ることになった。
修復前提だ。ここは超重要なところで、修復前提であるからには管理レベルが高くなるのだ。
話の流れでそうなることは覚悟していた。
だがしかし、こんなに急になるとは!

わが吉倉オルガン工房の倉庫は一杯である。

そこにあるそれぞれに曰く因縁があってうちに来たもので占められているのだ。
すべてが恒久的に保存されるべきものではないので、いずれ分類しなければならなかった。
だからちゃんと保管する体制も作れなかったので床に広く置かれることになったのだった。
だがしかし、今度来るブツを受け入れるためにはその一部を整理せざるを得なくなった。

整理というのは大抵、1割を分類して残して9割を捨てるということである。
その行為のほとんどは破壊活動そのものである。
モノを作る職人としてひとが作ったモノ、特に手作業で作られたモノを破壊することに対する心理的抵抗は大きいのだ。
だからずっと先延ばしにしていたし、考えないようにもしていた。
直視することから逃げていたのだ。

そんなわけだから僕が整理する理由は大抵外的要因によるのだ。そうせざるを得ない状況に追い込まれるのだ。
僕にとって運命というのは何かに追い込まれることなのだ。

今回その決断を先延ばしにしたツケに加えて、コケて脚を怪我して蜂窩織炎という血豆の深いのになってしまって片付け作業はギリギリになってしまった。
十数年前に同じ右脚を同じ症状で1週間入院絶対安静になったのだけれど、結果歩行困難なほど足腰が衰えてしまったことがあるのだ。

興奮状態だったので、当日午前3時に目覚めて、4時から活動開始、持ち運ばれた荷物はとりあえず敷地内にシートを敷いてそこに降ろしてもらって、食事と休憩とちょっとお買い物で2時間半ほど、それから午後11時頃までひとりで倉庫内に移動した。
運送屋さんの人手があるうちに搬入してもらえば1時間も掛からなかったかも知れない作業だけれども、箱の中身を確認して次の作業がやりやすいように格納するにはひとりの方が良いのだ。
重機やリフトを使うけれども、それなりの重量を人力で動かす必要があるので、それなりに筋力仕事である。

午後11時頃に作業を終えて、どうしてもインディアペールエールが飲みたかったので西友に行って買ってきた。
その後、肉体労働後の神経の昂りと、僕の特有の現象かも知れないけれど身体中が不快な火照りと痛みで眠れず午前4時にやっと眠れたのだった。朝方には肩のあたりに筋肉痛が出ていたのだった。

これでまた歩き出さなきゃならない理由が増えたな。


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