現在進行中のプロジェクトのひとつに,鍵盤ハーモニカにふいごをつけるというのがあります。
これは,実はお客様からのリクエストによるものなので,早々に実現しなければならないことです。
過去にそのようなモデルがあったかというと,あるんです。
実際に私のコレクションにもあります。
フュスハルモニカといわれるものです。
この名は,ハルモニウムと同じく,元来は特定のメーカーによる商標のようなものでしたが,現在,分類用の一般名詞として使われていることもある言葉です。表現が持って回った言い方になっていますが,リードオルガン属の分類は,未だ確定的でないところがあるからです。
例えば,負圧式リードオルガンは,単にリードオルガン,またはアメリカンオルガンというのが一般的ですが,ハルモニウム(負圧)としてある博物館のカタログもあります。特にヨーロッパでは,リードオルガンという言葉を避けている気がします。
さて,話を戻して,フュスハルモニカですが,非常に小型の正圧式のハルモニウム(その頃はまだ負圧式はなかった)です。
その初期のタイプは,折りたたみの台にセットして,本体についているふいごをペダルで操作します。言葉ではわかりにくいので,いずれ写真をアップしますね。
スタンドにアコーディオンを横にして(鍵盤が水平になるようにして)固定した絵を想像していただければ良いです。
この種のオルガンが後にアコーディオンに分化していったと考えられますが,まだウラはとっていないので,断言は避けておきます。
鍵盤の幅も非常に狭く出来ているものが結構あります。
鍵盤ハーモニカにふいごをつけると,このフュスハルモニカに近いイメージのものになると考えられます。
インドのハルモニウムを見る機会があったのですが,あれはまさに19世紀前半ころのフュスハルモニカですね。
片手でふいごを操作するので,演奏は片手のみとなってしまいますが,あれも元来はスタンドに載せて,ペダルでふいごを操作するものだったと推測されます。
試作の結果は乞うご期待!
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