吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

屋根の上の自転車乗り

2012年11月18日 | 思うこと

自転車の話じゃないんだな。これが。

長らく更新が停止しておりました。身体はヘロヘロですが健在です。

先週は4日間、大工の手伝いをしておりました。屋根の張替え工事。
実のところ、僕は自分の仕事が遅れてそれどころじゃなかったのですが、そのお宅のオーナーさん
と話をしてしまったし、本当は今頃は空いていたはずだったし、大工とは無用に付き合いが長いし
(30数年!)現場が」僕の自宅近くだし……。

伊那の大工とその仲間は基本的に皆「ひとり親方」つまり個人です。
僕もひとり親方です。

人数が必要な時、手が空いていて手伝える時など、一緒に作業します。
二日参加して一日休みなどという変則になるのは、自分の仕事の都合のためです。
みんな自転車操業なのです。

零細事業者は同時複数の仕事は苦手です。しかしせざるを得ないのです。
仕事の収入が十分でしかも一括前納であればその必要はありませんが、価格競争による値下げ
や支払条件により、一度にひとつの仕事とはなかなか行かないものなのです。
これは僕も同じです。どうしても仕事が重なってしまうことがあるのです。
ギリギリのスケジュールはちょっとしたトラブルで連鎖的に乱れるのです。

ま、大企業と言われるところも規模が違うだけで、結構自転車操業ではあります。 彼らは従業員
の首切りという手段を持ちますが僕らは自分の首しかないので切るわけには行かないのです。

皆お互いのその苦しい事情をわかっているから、出来るだけの手助けをしようと思うのです。
同病相憐れみ助け合う自転車操業者たちなのです。 

それにしても、久々の重肉体労働は堪えました。その後、夜はオルガンの仕事もしていたし。 
筋肉、関節痛、疲労でピンチだった僕は意外な人物に助けられたのでした。
それは次回! 

 


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2 コメント

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一輪車 (伊那の大工)
2012-11-20 07:21:34
自転車ならいざしらず、もうほとんど一輪車。前後左右どちらにでも倒れてしまうんすねこれが。

しかし、この不安定な自由さには、もう他に乗り換える事などは考えられぬ魔力が潜んでいるんですな。

イヨッ同類!またお願いするぜ!
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丸木舟は沈まず (ひろにゃんof風琴屋)
2012-11-23 11:20:51
伊那の大工さん、ようこそ!

軽口をたたけるということは、一山越えたということかな。
だが地獄はこれからだ、支払という地獄がな。まいどーっす!

大きな船は沈没するが、丸木舟は沈まない。
そんな感じで何とか零細業者をやっているわけだけど、この道に興味を持つ次世代に手を差し
伸べられないのはツラいところだな。自分が生きるだけで精一杯だもんな。

何か次の展開とやらも、まずは沈まずにいなきゃね。


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